暑い夏の間、朝5時くらいから2~3時間か、夕方5時くらいから2時間ほどの出役でした。
若い職人さんたちにも助けを借りながら、汗いっぱいになってお山を守りました。
台風の被害で、お山の木々も何本か痛痛しい姿になってしまいましたが、
幸いお宿には被害がなくホッとしております。
今年の荒れ狂ったような風水害に、
まだまだ苦悩の只中にいる多くの人々の事を考えない日はありませんが、
その苦悩の先に必ずある喜びを信じて
一歩づつ前進してくださることを祈るしかない老いと共に歩くこの頃でございます。
にぎやかだったセミたちの声、海から聞こえてくる歓声や、土肥港や土肥漁港の船の汽笛・・・
いつのまにか夕暮れが早くなり、草室で秋の虫たちの合唱が聞こえ始め、
秋の深まりと共に、お山もすっかり涼しくなって、ずいぶんと身体も楽になりました。
老大木のみかんの木が、根元近くで折れてしまった以外には、お山頂上果樹園に被害はなく
なんとか無事に、今年も「みかん狩り」の季節を迎える事ができました。
早生の黄色く色づいたみかんから順に、太陽と潮風を受けて育ったみかんの味を
西伊豆への旅、無雙庵枇杷お宿でのご滞在と一緒にぜひ思い出になさって下さい。
夕焼けも夕陽も出役の日ごとにさまざまな輝きと色で感動させてくれております。
お客様のお散歩と重なる夕暮れ時も多くなりました。
やっと迎えた秋の毎日が、ことさらにうれしい今年のお山番の日々を過ごしております。
今年の秋も、良寛の詠んだ
「こと足らぬ 身とは思はじ 柴の戸に 月もありけり 花もありけり」の心境を大切にしながら
日々にふれあう全ての自然を感謝とともに尊びながら過ごして参りたいと思っております。