F1第6戦はマイアミグランプリでした。相変わらずバブリーなグランプリですね。行ってみたいかと聞かれれば、1回くらいは行ってみたいですけど、今の円安の状況やら物価の恐ろしいほどの高さを考えたら、現地に行かずテレビやネットで見た方が楽しめると思います。フロリダに行って、解放的な気分になって、値段を見ずに湯水のようにお金を使ってしまったらその後が怖いので、その罠に嵌らないためにもぼくは当分行くことはないでしょうね。逆にここでの物価が落ち着いてきた時ほうが、F1の興行的には怖いかもしれませんが。
/*・・・Preparation:コースとタイヤ・・・*/
マイアミ・インターナショナル・オートドローム(マイアミガーデンズ)
(Formula 1®から抜粋)
コース長:5.412 km
レース距離 :308.326 km(57 laps)
特徴:・高速コーナーから低速コーナーまで揃った中高速サーキット
・FNLスタジアムの周辺道路を利用した特設コース
・長いストレート(全開区間)が2ヶ所ある
・摩耗は小さく、タイヤには優しい
・主なオーバーテイクポイントはターン1とターン11
タイヤのコンパウンド:C2〜C4(標準的なセット)
/*・・・Sprint Qualifying:スプリント予選・・・*/
TOP 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)
3位 11 S・ペレス(レッドブル)
4位 3 D・リカルド(RB・レッドブル)
5位 55 C・サインツ(フェラーリ)
6位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)
7位 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)
8位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)
9位 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)
10位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)
11位 63 G・ラッセル(メルセデス)
12位 44 L・ハミルトン(メルセデス)
13位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)
14位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)
15位 22 角田裕毅(RB・レッドブル)
16位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)
17位 24 ジォ・G(キックザウバー・フェラーリ)
18位 77 V・ボッタス(キックザウバー・フェラーリ)
19位 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)
20位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)
SQ3 Top Time:1:27.641(222.31 km/h)
/*・・・Sprint:スプリント・・・*/
WIN 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)
3位 11 S・ペレス(レッドブル)
4位 3 D・リカルド(RB・レッドブル)
5位 55 C・サインツ(フェラーリ)
6位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)
7位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)
8位 22 角田裕毅(RB・レッドブル)
9位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)
10位 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)
11位 24 ジォ・G(キックザウバー・フェラーリ)
12位 63 G・ラッセル(メルセデス)
13位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)
14位 77 V・ボッタス(キックザウバー・フェラーリ)
15位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)
16位 44 L・ハミルトン(メルセデス)
17位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)
18位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)
Ret 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)
Ret 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)
Ret:Retire/リタイア。
Winner's Time:31:31.383(195.42 km/h)
Fastest Lap Time:1:30.415(215.49 km/h @lap 4)
1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
/*・・・Qualifying:予選・・・*/
PP 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)
3位 55 C・サインツ(フェラーリ)
4位 11 S・ペレス(レッドブル)
5位 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)
6位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)
7位 63 G・ラッセル(メルセデス)
8位 44 L・ハミルトン(メルセデス)
9位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)
10位 22 角田裕毅(RB・レッドブル)
11位 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)
12位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)
13位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)
14位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)
15位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)
16位 77 V・ボッタス(キックザウバー・フェラーリ)
17位 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)
18位 3 D・リカルド(RB・レッドブル)
19位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)
20位 24 ジォ・G(キックザウバー・フェラーリ)
Pole Position Time:1:27.241(223.33 km/h)
Fastest Lap Time Throughout the Weekend:PP Time と同じ
/*・・・Race:決勝・・・*/
WIN 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)
2位 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
3位 16 C・ルクレール(フェラーリ)
4位 11 S・ペレス(レッドブル)
5位 55 C・サインツ(フェラーリ)
6位 44 L・ハミルトン(メルセデス)
7位 22 角田裕毅(RB・レッドブル)
8位 63 G・ラッセル(メルセデス)
9位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)
10位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)
11位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)
12位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)
13位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)
14位 24 ジォ・G(キックザウバー・フェラーリ)
15位 3 D・リカルド(RB・レッドブル)
16位 77 V・ボッタス(キックザウバー・フェラーリ)
17位 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)
18位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)
19位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)
Ret 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)
Ret:Retire/リタイア。
Winner's Time:1:30:49.876(203.67 km/h)
Fastest Lap Time:1:30.634(214.97 km/h @lap 43)
81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)
/*・・・Summary:初優勝・・・*/
優勝はノリスでした。ぼくは次に優勝経験者になるのはノリスだと思っていましたから、ノリスの初優勝自体は驚きはありませんでした。でも、今シーズンも好調を維持していて、土曜日のスプリントでも優勝したフェルスタッペンが戦列にいるのに優勝できたということには、大いに驚きました。特に、セーフティカーが明けた33周目以降、力強いペースで毎周フェルスタッペンを引き離していったドライブは特筆に値します。確かにフェルスタッペンはマシンを損傷して手負いの状態だったことは考慮すべきではありますが、そのフェルスタッペンの真後ろのルクレールはフェルスタッペンに仕掛けることはできませんでしたからね。
これで、グランプリシーンの実に12人が優勝経験者ということになりました。ドライバーの速さと強さはもちろん、マシンの出来やチームの総合力を考慮すると、マイアミグランプリ前の非優勝経験者9人のうちノリスが筆頭であることに疑いはありませんでしたが、そのノリスが優勝した今、次の新たなウイナーが誰になるのかを予想するは難しいですね。もちろん、オコンやガスリー、あるいはラッセルもそれに近いものがありましたが、そのレースで持つ巡り合わせというか運の要素があるのは間違いないですけど、それを含めるという条件ならピアストリでしょうか。
ぼくは優勝するには、少なくともチームメイトよりも速いことが条件だと考えますが、ピアストリは予選では時にノリスを凌ぐ速さを見せる一方、決勝ではなかなかノリスに勝てないので、この条件からはみ出すことになりますね。でもマクラーレンは安定して速そうで、ノリスに何かが起こることも割とあるので、運が巡ってくるかもしれないという点を加味すればピアストリにも初優勝のチャンスは結構あるのかもしれません。実際ピアストリは、スプリントではすでに優勝していますから、案外グランプリの優勝も近いかもしれませんね。
あとチームメイトより安定して速いという点でみれば、アルボン(対サージェント)、ヒュルケンベルグ(対マグヌッセン)、角田(対リカルド/中国を除く)はその候補になるかもしれませんが、マシンの強さを考えれば彼らは厳しでしょう。ジョとストロールは、優勝を考える前にまずチームメイトに勝つことを考える必要があるでしょう。
さて、決勝結果に戻りましょう。2位はフェルスタッペンでした。今回はレース途中でボラードに追突して、それ以降マシンが完調ではなかった可能性がありますが、昨シーズンからミスらしいミスをしないで有名なフェルスタッペンがミスをしたということを考えれば、今回のマシンの出来が今ひとつだったと考えられます。今回はスプリント・フォーマットでしたし、マシンを完全に仕上げることができず、フェルスタッペンが恐れていたことが起こったとも言えるのではないでしょうか。次のグランプリでフェルスタッペンがどんなドライブを見せるのか、注目です。
3位はルクレールでした。今回は、ぼくもルクレールとフェルスタッペンとの差がそこまで大きくないように感じていたので、どこまで勝負できるのか注目していましたが、攻略できる気配はありませんでした。やはりフェルスタッペンの壁は高かったですね。でもそれどころか、レースではピアストリにオーバーテイクされる有様で、マクラーレンとの差が縮まったどころか、フェラーリがマクラーレンに遅れをとっている可能性さえ感じました。唯一、ハードタイヤに交換したとき、ルクレールが同じタイヤのフェルスタッペンよりも少しペースが良かったことは救いです。
サインツは5位でした。ピアストリとの接触は余計でしたね。あれでは中国グランプリでマグヌッセンが角田に突っ込んだのとほぼ同じです。焦る気持ちは分かるのですが、無理なオーバーテイクは身を滅ぼします。レース運びも、序盤ルクレールにプレッシャーをかけるのはいいとしても、その後間もなくフォローできなくなるのは昨シーズンまでよく見た展開と同じです。今回のことは詳細に見直して、次に繋げてほしいですね。
/*・・・Next:エミリア-ロマーニャ・・・*/
F1もついにヨーロッパへ帰ってきました。次回は2年ぶりのエミリア-ロマーニャグランプリです。舞台はもちろんイモラ・サーキットです。各チームの地元に近いということもあって、これから本当のF1が始まるとも言っていいと思います。昨年はちょうどグランプリ開催時期に起こったエミリア-ロマーニャ地方の豪雨災害によって、グランプリは中止の憂き目に遭いました。今回が同地方の復興の一助となることを祈っています。
そして今回のイモラでのF1開催は、あの忌まわしい1994年の週末からちょうど30周年ということになります。同年の4月30日にローランド・ラッツェンバーガー、翌5月1日にアイルトン・セナの2人のドライバーをF1は失いました。そこからF1は進歩を遂げ、安全性は格段に向上しました。彼らの息遣いと精神はここに永遠に残っていくことでしょう。
さてコースについてですが、少しレースに詳しい人ならすぐ頭に浮かぶような有名なコーナーが揃ったクラシックなコースです。ぼくのお気に入りは、下りならが右ターンした直後に急勾配を駆け上る高難易度のアクア・ミネラリと、急勾配を下りながらハードブレーキングするリバッツァです。それ以外にも悪名高いタンブレロとヴィルニューヴ、現レイアウトで随一の高速コーナーのピラテラ、ミスを誘発しやすいバリエンテ・バッサなどが待ち構えていて、攻略するのがとても難しいトラックです。
また、2020年にイモラがグランプリシーンに復活して以降、リバッツァの立ち上がりからタンブレロの突っ込みまで全開区間が伸ばされたコースが使用されていますが(ホームストレート前のバリエンテ・バッサ(シケイン)はF1では使用されなくなった)、コース幅が狭くてブレーキングゾーンの手前まで緩やかに蛇行しているため、唯一のオーバーテイク・ポイントともいえるタンブレロでのオーバーテイクが非常に難しいようです。これについては、ぼくが以前から指摘しているように、蛇行している点が大きな問題だと思います。蛇行していることによって、先行車はキンク(kink/折れ曲がったポイント。スロットル全開で駆け抜けられるような緩やかなコーナー)のエイペックスを結ぶようにドライブすれば、後続車はラインを変えられないので、どんなに長い全開区間でも実質的なラインは1本になってしまうからです。ブレーキングゾーンとなるタンブレロ入り口(ターン2)の手前少なくとも2〜300 mは、コーナー入り口で先行車の横に並べるように真っ直ぐな設計になっていないとオーバーテイクは厳しいでしょう。
** 2022年シーズン結果 ******
Pole-sitter:1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
Winner:1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
Fastest lap:1 M・フェルスタッペン(レッドブル)
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2年前のイモラでは、フェルスタッペンがキャリア2度目のグランドスラム(PP奪取、優勝、ファステストラップ獲得、全周回リードラップ)を達成しました(フェルスタッペンの現在までの達成回数は5回/歴代3位タイ)。グランドスラムといえば、フェルスタッペン(2021〜2024年)以外の現役ドライバーで達成したのは、ハミルトン(6回/2014、2015、2017、2019年/歴代2位)、アロンソ(1回/2010年)、ルクレール(1回/2022年)の3人しかいません。70年を超えるF1の歴史上でも、達成者はたったの26人しかいません。無敵の強さを誇った歴代のチャンピオンを持ってしても、最大獲得回数はジム・クラークの8回(1962〜1965年)とものすごく難しい、というか珍しい記録と言ってもいいくらいです。雨が絡むと途端に難易度が上がりますから、あくまでも雨が降らないという条件付きではありますが、オーバーテイクが難しいことからも、(ピットイン時のロスタイムが大きいため)アンダーカットが難しいことからも、イモラではポール・シッターがグランドスラムを「比較的」獲得しやすいコースと言ってもいいのかもしれません。今回それは誰になるのでしょうか。
今シーズンはフェルスタッペンだけがPP獲得を獲得していて、少なくとも土曜日まではグランドスラム獲得の可能性を残している唯一のドライバーとなり続けています。今シーズンのフェルスタッペンはPPにこだわっているのか、チームの方針なのか、あるいはマシン特性なのか。それとも、単に全力を出し尽くした結果なのか。いずれにせよこの先フェルスタッペンがいつまでPP獲得を続けていけるのかも興味深いです。
すべてのドライバーが激しいバトルをしつつも、最後まで無事であることを期待しています。