Glass Labyrinth

Glass Labyrinth

僕の視点からF1での Ferrari のレースと Formula1 Grand Prix について書いてみます。

 

F1の第8戦はオーストリア・グランプリでした。例年どおり、今シーズンのオーストリアも暑さに見舞われました。今年は特にヨーロッパが全域的に酷暑に見舞われているので仕方ないのかもしれませんが。でもここは、20世紀までは涼しいグランプリ開催地の1つだったんですけどね。何か隔世の感があります。

 

 

/*・・・Preparation:コースとタイヤ・・・*/

レッドブル・リンク(シュピールベルク)

(Formula 1®から抜粋)

 

コース長:4.326 km

レース距離:307.018 km(71 laps)

特徴:・丘陵地に位置する高速サーキット

   ・グランプリサーキットの中でコーナー数が最少のトラック

   ・高地のため空気密度が低く、PUへの負荷や熱の影響が大きい

   ・高低差が大きく、路面にはアンヌレーションがある

   ・主なオーバーテイクポイントはターン3、ターン4

タイヤのコンパウンド:C3〜C5(標準〜軟らかい)

 

/*・・・Qualifying:予選・・・*/

PP 63 G・ラッセル(メルセデス)

2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)

3位 44 L・ハミルトン(フェラーリ)

4位 12 K・アントネッリ(メルセデス)

5位 3 M・フェルスタッペン(レッドブル)

6位 1 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)

7位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)

8位 6 I・アジャー(レッドブル)

9位 30 L・ローソン(レーシングブルズ・レッドブル)

10位 41 A・リンドブラッド(レーシングブルズ・レッドブル)

11位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・メルセデス)

12位 5 G・ボルトレート(アウディ)

13位 87 O・ベアマン(ハース・フェラーリ)

14位 27 N・ヒュルケンベルグ(アウディ)

15位 31 E・オコン(ハース・フェラーリ)

16位 43 F・コラピント(アルピーヌ・メルセデス

17位 55 C・サインツ(ウィリアムズ・メルセデス)

18位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)

19位 11 S・ペレス(キャデラック・フェラーリ)

20位 77 V・ボッタス(キャデラック・フェラーリ)

21位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)

22位 18 L・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)

 

Pole Position Time:1:06.113(235.56 km/h)

Fastest Lap Time Throughout the Weekend:PP Time と同じ

 

 

/*・・・Race:決勝・・・*/

WIN 63 G・ラッセル(メルセデス)

2位 3 M・フェルスタッペン(レッドブル)

3位 12 K・アントネッリ(メルセデス)

4位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)

5位 44 L・ハミルトン(フェラーリ)

6位 6 I・アジャー(レッドブル)

7位 1 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)

8位 16 C・ルクレール(フェラーリ)

9位 30 L・ローソン(レーシングブルズ・レッドブル)

10位 41 A・リンドブラッド(レーシングブルズ・レッドブル)

11位 5 G・ボルトレート(アウディ)

12位 27 N・ヒュルケンベルグ(アウディ)

13位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・メルセデス)

14位 87 O・ベアマン(ハース・フェラーリ)

15位 43 F・コラピント(アルピーヌ・メルセデス)

16位 31 E・オコン(ハース・フェラーリ)

17位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)

18位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)

Ret 18 L・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)

Ret 55 C・サインツ(ウィリアムズ・メルセデス)

Ret 11 S・ペレス(キャデラック・フェラーリ)

Ret 77 V・ボッタス(キャデラック・フェラーリ)

 

Ret:Retire/リタイア。

 

Winner's Time:1:26:37.979(212.64 km/h)

Fastest Lap Time:1:10.374(221.30 km/h @lap 59)

12 K・アントネッリ(メルセデス)

 

 

/*・・・Focus On:再起・・・*/

優勝はラッセルでした。通算7勝目。オーストリア・グランプリは2勝目。自身初の同一グランプリ複数回制覇となります。ラッセルは結構得意不得意が分かれるドライバーですね。例えばカナダのように、得意だと思っている(思い込んでいる)レースでは好成績を収めることが多い一方、自分の印象が悪いところはとことん苦手と思っている(思い込んでいる)ように見えます。ただ、1度好成績を収めたグランプリでも毎シーズン好成績を収めている訳ではなく、少し不安定な面も垣間見えます。

 

さて今回のラッセルですが、開幕戦以来の今シーズン2勝目という点は評価できます。ここまではチームメイトのアントネッリにやられっぱなしで、しかも不運も重なってあまりタイトル・コンテンダーのシーズンには見えませんでした。でも今週末は、予選Q3のイエロー・フラッグのタイミングやライバルの自滅などで、どちらかと言えば今回のラッセルは運が良かったように思います。結局、予選で本来の順位を撮り逃したフェルスタッペンとアントネッリは、レース終盤まで上位を争う立場でしたからね。

 

Q3のイエロー・フラッグのタイミングに関して言えば、ラッセルはベテランらしく本当に上手くやったなと思います。もちろん(一応)減速したというデータは残っているので正式なポールポジションとなりましたが、個人的には運営上納得できない点がありました。イエロー・フラッグには「シングル」と「ダブル」の2段階があり、「シングル」は減速と追い越し禁止が要求される一方、「ダブル」はイエロー・フラッグ区間中は安全に停止できるほどに通過速度を落とすことが要求され、タイムアタックどころではないということで、その区間タイムは抹消されます。

 

今回はフェルスタッペンがターン9でクラッシュしたことでイエロー・フラッグが出されましたが、この時に出されたのは「シングル」。つまりラッセルなどのフェルスタッペンより後ろのアタッカーはほんの少しの減速だけでアタックを続けることができたことになります。ほんの数メートル先にクラッシュしたマシンがあるにもかかわらず、またそのマシンにドライバーが乗っているかもしれないにもかかわらずアタックできるというのは、現在の安全基準からすると驚くべきことです。ではなぜ「ダブル」ではなく「シングル」だったのか。おそらくそこにマシンを撤去するマーシャルが作業していなったからだと思います。そのためQ3のアタック合戦が終わった後、マシンが撤去される段階で「ダブル」が出されるという、何ともチグハグで不可解な状況が生まれました。

 

タイムアタック中という、ドライバーが限界ギリギリで攻めている時にこそ「ダブル」を出すべきなのではないでしょうか。FIAは手順通りだと説明していましたが、ぼくはこの点を見直す必要があるのではないかと感じます。

 

2位はフェルスタッペンでした。フェルスタッペンは今シーズン初のポディウム獲得となりました。昨シーズンはポディウムの常連どころか、最多勝ドライバーだったフェルスタッペンですが、レギュレーションが変わった今シーズンは正直ここまで振るいませんでした。とはいえ、フェルスタッペンもラッセルと同様に不運な出来事が多く、それが原因で上位フィニッシュを逃すことが多かったと思われるので、現時点の成績が正確にフェルスタッペンの現在の力を反映したものではない、とは思います。でもここまでの悪い流れを断ち切り、得意のレッドブル・リンクで息を吹き返しました。これから先のフェルスタッペンは、怖くなりそうです。

 

3位はアントネッリでした。アントネッリはラッセルとは反対に予選で足を引っ張られました。Q3のフェルスタッペンのクラッシュで減速を余儀なくされ、タイムを伸ばせませんでした。セクター2までは少なくともルクレールと同等のタイムだったので、悪くても2位または3位に食い込めたと思われます。それだけに直接のライバルのラッセルがポールポジションなのに自分は4位に過ぎなかったことは焦るのには十分な結果だったでしょう。

 

その焦りが原因なのか、決勝でもスタート直後の序盤にコースオフを繰り返し、精彩を欠いたことが最後まで響きました。この時、おそらくフェルスタッペンにオーバーテイクされたことは想定外だったはずで、結局レース中、フェルスタッペンの後塵を拝し続けました。でもレースペースは最速で、クリーンエアを得て有利にレースを展開できたはずのラッセルよりも遥かにいいタイムを刻み続けたのは驚異的でした。おそらく勝てたはずのレースだっただけにもったいなかったですね。

 

前回のバルセロナで優勝したフェラーリ勢はハミルトンが5位、ルクレールが8位と惨敗でした。とにかくレースペースがなく、タイヤを保たせられなかったのが致命的でした。ここのようにPUのパワーの差がラップタイムに及ぼす影響の大きい(パワー感度の高い)トラックでは、パワーに劣るフェラーリには不利ですから仕方ありません。予選であわやフロントロウ(1-2)独占しかけただけに、レース後の落胆は大きかったです。次のシルバーストン(イギリス)も厳しい戦いになるかもしれませんね。

 

予選は多少無理が効きますから、コース上で抜かれにくくアンダーカットも効きにくいトラックならば予選結果がものを言いますが、ここはそうではないのでやはり厳しかったです。予選に関しては、ハミルトンはQ3の1回目でミスしたので2回目のアタックは多少置きにいった感があり、ルクレールに追いつけなかったのは仕方ないでしょう。ルクレールはすごくいいアタックに見えましたが、ラッセルにあっさりタイムを更新されてしまいした。

 

ラッセルとルクレールはセクター2まではほぼ互角とは言わないまでも、若干ラッセルが速いくらいでしたが、セクター3で大敗を喫しました。しかもラッセルは件のイエロー・フラッグで減速していたにもかかわらず、です。ラッセルのドライブをトラッカーで見ると、イエロー区間はもちろん自己最速すら記録していなかったので、本当に彼が「手を抜いている」のが分かります。それだけに、実は思っている以上にフェラーリとメルセデスの差は結構大きいのかもしれません。今回フェラーリは改良版のPUを投入したようですが、更なるPUのアップグレードが待ち遠しいです。

 

 

/*・・・Next Grand Prix:イギリス・・・*/

シルバーストン(シルバーストン)

(Formula 1®から抜粋)

 

次回はバック・トゥ・バックでイギリス・グランプリです。舞台は歴史と伝統の息づくF1開幕の地、シルバーストンです。やはりF1と言えばシルバーストンは外せないトラックです。

 

このトラックの特徴は流れるようなレイアウトです。特にターン7のルフィールドからターン15のストウまでの高速区間はF1の速さを存分に堪能できます。ターン9のコプスやターン13のべケッツなどでの僅かな減速を含みながら、ほぼ全開で駆け抜けるF1は圧巻です。「F1ってこんなスピードで曲がるんだ」と驚くことでしょう。そのためコーナリング性能はもちろんですが、高速区間だけにPUのパワーも必要となります。

 

でもその反面、ビッグ・ブレーキングを要するコーナーがなく、バトルが少ないです。実は低速コーナーもあるにはあります。例えばターン3〜4、ターン7、ターン16〜17など。でもこれらは複合コーナーとなって連続するコーナーでインとアウトが入れ替わっていたり、あまり長くはないストレートの後にあったりとあまりバトルできるセクションではありません。むしろこのサーキットで最もオーバーテイクが多いコーナーが高速コーナーのストウというところが少し面白いです。ただ、今シーズンはブレーキング競争というよりは電気エネルギー管理競争の側面があるので、ストレートおt中など、これ以外のポイントでの追い抜きなんかも見られるかもしれません。

 

あとはレース環境も厳しくなることがあります。7月のシルバーストンは雨が多いので、もしかすると予選やレース(あるいはスプリント)を演出するかもしれません。また、ここは風が強いので、それがアタック・ラップを台無しにしてしまうこともあります。画面からは伝わらない部分にも注目です。

 

 

/*・・・Glory Memories:イギリス・グランプリ・・・*/

<< 歴代ドライバー >>

9勝 ルイス・ハミルトン(イギリス・イングランド)

5勝 ジム・クラーク(イギリス・スコットランド)

5勝 アラン・プロスト(フランス)

4勝 ナイジェル・マンセル(イギリス・イングランド)

3勝 ジャック・ブラバム(オーストラリア)

3勝 ニキ・ラウダ(オーストリア)

3勝 ミハエル・シューマッハ(ドイツ)

 

<< 現役ドライバー >>

9勝 ルイス・ハミルトン(2008、2014〜2017、2019〜2021、2024年)

2勝 フェルナンド・アロンソ(2006、2011年)

1勝 カルロス・サインツ(2022年)

1勝 マックス・フェルスタッペン(2023年)

1勝 ランド・ノリス(2025年)

 

エイントリーおよびブランズ・ハッチとの隔年開催を経て、1987年以降イギリス・グランプリは毎年シルバーストンで開催されています。ここ40年、イギリス・グランプリと言えばシルバーストンですね。

 

こう見るとハミルトンの9勝が他を圧倒しています。しかも4連勝を達成しているのはハミルトンのみ。3連勝以上を見てもハミルトンと往年の伝説のドライバー、クラークしかいません。あと、昔からのF1ファンの人には、イギリス・グランプリと言えばプロストとマンセルが強いという印象を持っている方も多いでしょう。イギリス・グランプリはイギリス人というイメージもある中、フランス人のプロストの強さは驚異的でした。歴代2位の91勝を誇るシューマッハは3勝と、106勝のハミルトンと比べたらやや控えめです。また、通算41勝のアイルトン・セナはこのテーブルには載っておらず、僅か1勝(1988年)に留まっているのも興味深いですね。

 

ワクワクするレースが見られることを期待しています。