2023年 最終戦 アブダビGP | Glass Labyrinth

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僕の視点からF1での Ferrari のレースと Formula1 Grand Prix について書いてみます。

ついに今シーズンも最終戦がやってきました。長いようで本当に長い22戦でした。でも来シーズンはさらに多い24戦が待っています。本当にすべてのレースを観戦できるのか、確信が持てなくなる多さです。まあ、ぼくごときがすべてのレースが見られなくったって、F1は知ったことじゃないでしょうけど。でもチームのことを考えると少し心配になります。シーズンが終わった今はF1のない期間を楽しんで、早くF1が始まらないかと思えるように自分自身をリセットすることができればいいですね。


 

/*・・・Preparation:コースとタイヤ・・・*/

ヤス・マリーナ・サーキット(ヤス島)

 

(Formula 1®から抜粋)

コース長:5.281 km

レース距離 :306.183 km(58 laps)

特徴:・長短3本のストレートとテクニカル区間で構成される中高速サーキット

   ・日没前からスタートするトワイライトレース。気温と路面温度の変化が大きい

   ・風が強く、サーキットが汚れやすい

   ・テクニカルなセクター3ではリアタイヤがオーバーヒートしやすい

   ・主なオーバーテイクポイントはターン6とターン9

タイヤのコンパウンド:C3〜C5(やや軟らかい〜とても軟らかい)

 

 

/*・・・Qualifying:予選・・・*/

PP 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)

2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)

3位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)

4位 63 G・ラッセル(メルセデス)

5位 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)

6位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)

7位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)

8位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)

9位 11 S・ペレス(レッドブル)

10位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)

11位 44 L・ハミルトン(メルセデス)

12位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)

13位 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)

14位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)

15位 3 D・リカルド(アルファタウリ・レッドブル)

16位 55 C・サインツ(フェラーリ)

17位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)

18位 77 V・ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)

19位 24 ジォ・G(アルファロメオ・フェラーリ)

20位 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)

 

Pole Position Time:1:23.445(227.8 km/h)

Fastest Lap Time Throughout the Weekend:PP Time と同じ

 

 

/*・・・Race:決勝・・・*/

WIN 1 M・フェルスタッペン(レッドブル)

2位 16 C・ルクレール(フェラーリ)

3位 63 G・ラッセル(メルセデス)

4位 11 S・ペレス(レッドブル)

5位 4 L・ノリス(マクラーレン・メルセデス)

6位 81 O・ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)

7位 14 F・アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)

8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・レッドブル)

9位 44 L・ハミルトン(メルセデス)

10位 18 L・ストロール(アストンマーティン・メルセデス)

11位 3 D・リカルド(アルファタウリ・レッドブル)

12位 31 E・オコン(アルピーヌ・ルノー)

13位 10 P・ガスリー(アルピーヌ・ルノー)

14位 23 A・アルボン(ウィリアムズ・メルセデス)

15位 27 N・ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)

16位 2 L・サージェント(ウィリアムズ・メルセデス)

17位 24 ジォ・G(アルファロメオ・フェラーリ)

18位 55 C・サインツ(フェラーリ)

19位 77 V・ボッタス(アルファロメオ・フェラーリ)

20位 20 K・マグヌッセン(ハース・フェラーリ)

 

Winner's Time:1:27:02.624(211.1 km/h)

Fastest Lap Time:1:26.993(218.5 km/h @lap 45)

1 M・フェルスタッペン(レッドブル)

 

 

/*・・・Scope:Over 1000・・・*/

優勝はフェルスタッペン。これで通算勝利数は54勝、シーズン勝利数は19勝でフィニッシュとなりました。22戦中19勝。勝率86.36 %。世界最高峰のレースで、1シーズンでグランプリレースに負けたのはたったの3回。フェルスタッペンにとってこれ以上のシーズンはないでしょう。またレッドブルも22戦21勝(勝率95.45 %)となり、不滅の記録と言われた1988年のマクラーレン・ホンダの16戦15勝(勝率93.75 %)を勝率で上回りました。間違いなく伝説に残るシーズンとなりました。

 

ただし、別に昔の記録にこだわる訳でもマクラーレンの肩を持つ訳でもないですが、これで今シーズンのレッドブルが1988年のマクラーレンを完全に上回ったかと言われれば、ぼくはそう思っていません。なぜならポールポジションの獲得率は68.18 %(15回)にとどまり、この点では獲得率93.75 %(15回)の当時のマクラーレンの足元にも及んでいないですからね。またファステストラップの獲得率もレッドブルが50 %(11回)であるのに対して、1988年のマクラーレンは62.5 %(10回)でした。現在のレッドブルにもまだまだ目指すべき目標があるということです。

 

話をフェルスタッペンに戻しましょう。今回フェルスタッペンについて驚いたのは、彼がシーズンで1000周のリードラップ(各ラップ先頭でコントロールラインを通過すること)を狙っていたということです。1シーズンで1003周のリードラップ。これもこれで素晴らしい記録です。確かにポールポジションやファステストラップに比べれば地味な記録なんですけどね。でも、例えば60周のレースで優勝したからと言ってリードラップが60周になる訳ではないですから、難しい記録ではあります。実際、リードラップ数獲得率は75.70 %で勝率を大きく下回ります。裏を返せば、予選順位はともかく、バトルしてライバルを抜いて勝ってきたと言えるかもしれません。

 

ちなみに通算リードラップ数の1位は5430周のハミルトン。2位は5101周のミハエル・シューマッハ。いずれも史上最多7回のワールドチャンピオンを獲得したレジェンドです。3位は2010年から4回連続ワールドチャンピオンを獲得したセバスチャン・ベッテルの3501周。4位はF1の永遠のカリスマ、アイルトン・セナの2981周。そしてフェルスタッペンは通算2866周で歴代5位。しかし年間のレース数が増えたとは言え、たった1年で19年のキャリアを誇るシューマッハの記録の5分の1ほどを一気に稼ぎ出してしまうとは、本当に恐ろしいドライバーです。でも、フェルスタッペンは昨シーズンもその1年前もチャンピオンを獲得しているものの、いずれもリードラップ数は600周台だったことを考えると、今シーズンが特別だったとも言えますけどね。これからフェルスタッペンがF1のあらゆる記録をどこまで伸ばしていくのか、とても楽しみです。

 

2位はルクレールでした。シーズンも終盤になってルクレールはフェラーリSF-23を理解し、乗りこなしてきている様子が伺えます。今回驚いたのは、ルクレールが自分のレース結果よりも、最終的にメルセデスをコンストラクターズ・チャンピオンシップの結果で上回るにはどうすればいいのかを考えながらドライブしていたことです。

 

これまでフェラーリの理性的なドライバーと言えばサインツの専売特許みたいなところがありましたが、ルクレールもなかなかやりますね。ルクレールと言えばサインツとは反対に感性のドライバーというイメージでしたが、その良さは残しつつ、自分に足りないことは学び、少しでも良いと思うことを取り入れようとしていて今回のようなレースを見せてくれたというのであれば素晴らしいことです。まだまだ成長できるでしょうね。

 

3位はラッセルでした。今回は本当に速く、手強い存在でした。今回のラッセルの活躍がなければ、おそらくメルセデスはチャンピオンシップでフェラーリに敗れていたことでしょう。ただシーズンを通してみるとムラが多く、もう少しコンスタントに速さを見せられるようになれば、ハミルトンに並べるようになるかなと思います。ただそのハミルトンは、今回珍しく見せ場がなかったのですが。元来アブダビはハミルトンが得意とするサーキットのはずなので、入賞圏内ギリギリで数ポイントを争うようなドライバーじゃないはずなんですけど、こういうこともあるんですね。でも、そのおかげでコンストラスターズ争いは盛り上がりました。

 

そして最後にサインツですが、そのハミルトンよりももっと見せ場がなく18位に終わりました。彼がポイント争いに絡んでくれれば、フェラーリのコンストラクターズ2位が見えたんですけど、残念ですね。かと言って、今回メルセデスに負けた全責任をサインツに背負わせることはできません。前回のラスベガスでもサインツに不慮の事故が襲いかかったり、その前のサンパウロでもルクレールのマシンにトラブルが起こってスタートできずに終わったり、カタールではサインツがダミーグリッドにすら並べなかったりしたように、最終戦に至るまでにフェラーリは取りこぼしが多すぎました。サインツは最終戦のことは忘れて、来シーズンはスッキリと迎えてほしいと思います。

 

 

/*・・・Best Overtaking:該当なし・・・*/

今回は、個人的には印象的なオーバーテイクが見当たらなかったので該当なしとします。1年に数回くらいこんなレースがあるのは想定内ですけどね。でもこれはあくまでオーバーテイクに限った話であって、面白いバトル自体はありました。楽しみは次回、というか来シーズンにとっておくことにしましょう。

 

 

/*・・・ドライバーズ・チャンピオンシップ・・・*/

Champion 1 M・フェルスタッペン (575 points)

2位 11 S・ペレス (285)

3位 44 L・ハミルトン (234)

4位 14 F・アロンソ (206)

5位 16 C・ルクレール (206)

6位 4 L・ノリス (205)

7位 55 C・サインツ (200)

8位 63 G・ラッセル (175)

9位 81 O・ピアストリ (97)

10位 18 L・ストロール (74)

11位 10 P・ガスリー (62)

12位 31 E・オコン (58)

13位 23 A・アルボン (27)

14位 22 角田裕毅 (17)

15位 77 V・ボッタス (10)

16位 27 N・ヒュルケンベルグ (9)

17位 3 D・リカルド (6)

18位 24 ジォ・G (6)

19位 20 K・マグヌッセン (3)

20位 40 L・ローソン (2)

21位 2 L・サージェント (1)

-位 3 N・デ・フリース (0)

 

 

/*・・・コンストラクターズ・チャンピオンシップ・・・*/

Champion レッドブル (860 points)

2位 メルセデス (409)

3位 フェラーリ (406)

4位 マクラーレン (302)

5位 アストンマーティン (280)

6位 アルピーヌ (120)

7位 ウィリアムズ (28)

8位 アルファタウリ (25)

9位 アルファロメオ (16)

10位 ハース (12)

 

 

/*・・・In conclusion:最後に・・・*/

来シーズン、またたくさんのバトルやドラマに溢れたF1が見られることを期待して結びたいと思います。良いお年をお迎えください。