はっきりしない病院 | 不幸を書こうか幸福を書こうか、それが問題だ

高熱が出て

意識が飛んで

でも、手が痛くて意識を取戻す、を繰り返し



でも、


これが何なのか、なんの病なのか予想すら言わない。


でも、なにかしないとならないので

とりあえず、点滴。


そんなふうに見えた。




本来、大学病院の病室が空いてなく

地元の病院の何処かに転院する予定だったのに


手が痛い、となってからは

即入院が決まり


点滴をはじめたが

手は、どんどん膨れ上がる。




グローブほどになる。



手が破裂するような気がした。





患者サイドとしては


これが、なんなのか、医者の見立てを聞きたいし


どういう治療がはじまるのかも知りたいけど特に何も言われない。



そもそも、先生に会わないし

基本、看護師さんとしか接しない。



点滴がなんなのか

自分でスマホで調べた。



栄養剤と痛み止め。



抗生物質じゃないのか、と疑問に思った。








一晩、はっきりした記憶がない。





次の日に、整形外科の先生に呼ばれた。






個室に通される。




痛み止めの点滴で、痛さは耐えられた。




2人がかりで整形外科の先生が

ものすごく笑顔で、でも

言ってることはもっと、重大な内容。





手術をしましょう。






いつですか?




と聞くと




今からです。



と言われた。




笑顔だけど

明らかに、急いでいた。




手術が必要な理由も話してくれたが


なーんとなく、はっきりしない。



なぜだろう。


みんな、はっきりしないんだ。




そう思っていた。



でも、手術をしないっていう選択肢を選べない変な雰囲気があった。




なんだか、よくわからないけど

すごく急がされて手術が決まった。