父が、泣きながら言ったこと | 不幸を書こうか幸福を書こうか、それが問題だ

7月9日に胃がん肝臓がんの摘出手術をした母は、

今日、地元の病院に転院になった。



 送迎した父と弟は
そこで今後の母の治療と現状について
聞くことになった。



 この先生は、
母の癌が確認された時


治療しない、という選択肢を勧め

手術中に死んでしまう可能性も高いことを言った先生だ。 



 その病院から
手術のために

癌専門の病院に転院して手術したわけですが 


 手術した病院の先生は 


 この程度の手術で、命を落とす確率は1%。

 手術をしない、という選択肢は考えられない、と言った。 



 そこで、目で見える範囲の癌を取り去り


地元の病院に戻ってきた。




 地元の病院の先生に言われたこと。



 手術はしたけど
癌は再発するので
治ったわけではない、ということ。


 今の状態は
決して良い状態ではなく
とりあえず緊急の手術をしただけだ、ということ、だった。



 癌がそういうものだということは、素人の私たちでもわかる。


転移や再発の危険はいつだってある。


 ただ、口ぶりが


 今日、明日にでも、命の危険はありますよ 


 ということをやたら強調されたものだった。 




 手術ができたこと、

 地元に戻ってこれたこと、 

ご飯が口から食べられるようになったこと 

リハビリするだけの準備が整ったこと 


 などに、少しだけ
乗り越えた安堵感を感じていた家族にとっては


また、すぐにでも死んでしまうのでは?

という不安の世界に引き戻された感じがした。



 医師が
意地悪で言ってるわけではないのはわかってる。


 死から少しだけ遠のいた感じがしている母には聞かせられない内容。


 これからリハビリ頑張ろう、と言っている母の気持ちを捻じ曲げるもの。



良い方に向かっていると信じている母。




「 母には言えない」そう言いながら、父は電話で泣いていた。