病気になるということ | 不幸を書こうか幸福を書こうか、それが問題だ

いつからかな。


 実家の母が同じことを繰り返して言うようになったのは。


 「眠れない。胃が変。うんちが出ない」

同じ不調を訴える。 


 その度に父親は、病院に連れて行ったり。


結局、よくわからないんだよね。


原因なんて。


 今だって、よくわからない。


 母は、夜中に電話をしてきたことがある。


 数週間前の話だ。 でも、いつものことだと軽く見ていた。


 オオカミ少年のように

「今回は大変な不調だ」を繰り返し

私も家族も


またか、と慣れてしまっていたんだろう。 


 「眠れないよ」


そう言っていた次の日の朝 

 耐えられなくなった母は父と一緒にかかりつけの町医者に向かった。 


 偶然にも

その日、その病院の医院長が体調不良で入院してた。

 受付の人が
当日知らないで来ていた患者さんにそれを説明していた。

 近くの病院で受け入れをしてくれる病院を紹介してくれた。 


 初めての病院。 


 普段は、オオカミ少年の母なので
たいした対処はしてもらえない。


 だが、

ここでは、すぐに検査になった。


 そこで、はじめてわかる。


 精密検査をしなくてもわかるほどの、


悪性の腫瘍。


 癌だと言うことだった。


 その日の夜、母から電話があった。  



 「困ったことになっちゃった。癌だって」


 母はそう言った。


 それでも、
  


「まだステージがどうとか何も言われていない。


今は、二人に一人が癌にかかる時代よ!」


 なんて、当たり障りない軽い口をきいていた私。


 その日の夜、母は自ら父親を起こし、

救急車を呼ぶようにお願いした。


緊急入院。


 それきり、私は、母に会えていない。

 事情は色々だ。 


 今日、これから会えるか分からないけど
病院に行ってきます。


 昨日までの母親の状態を電話で父親から聞きました。


あまりに急変で私の心がついていけません。


 書ける時に、それを書こうと思います。



 5080問題。


 わたしも他人事ではありませんでした。