平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説 前編(朝廷パート編)
平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説2 平氏の家庭の事情編
の続編記事になります。
※使用した画像はNHKの公式HPや、録画したドラマの
データから抽出して利用しております。
全て批評目的の引用であり、他意はありません。
この宴に館を提供した、波多野義通が義朝に挨拶するシーン
部下A「今宵の宴に、この館を提供します
波多野義道(右)がお目通りを願っております」
ギャートルズに出てくるような骨付き肉を食べながら、相手を威圧する義朝
「今宵のみか?」
部下B「殿(義朝)はこの館がお気に召したようじゃ
」
部下C「(いかにも馬鹿にした声で)ワーハッハッハー
」
(この館の主である)波多野義通
「どうぞ、献上つかまつりまする!」
完全にユスリ・タカリの性質の悪いヤクザ状態である
義朝とそのガラの悪い手下達![]()
パワハラ
で、波多野義通に屋敷を無料で提供させます![]()
何だか、北斗の拳で出てきた
こんな人達を思い浮かべてしまいました![]()
![]()
義朝は八幡太郎義家の後衛というカンバンを持って
東国に下向したという設定です。
いわば貴種流離譚のハズなのですが、完全にヤクザというか、
山賊と化している義朝![]()
しかし、当時の東国は京の都から見れば未開の野蛮な地域。
実際の義朝も、こんなものであった可能性は充分にあります。
よって、私はこのガラの悪すぎる義朝の描写に関しては、
全面的に支持しています。何より、観ていてある意味痛快です![]()
源(木曽)義仲がまさにこんなイメージですが、
義仲は義朝の弟である義賢の息子です![]()
義仲のイメージを義朝にダブらせれば、充分許容可能であります![]()
波多野義通から「屋敷を提供する」と言質をとった義朝。
凄く悪い目付きで周囲を見回しながら立ち上がり、
部下達に声をかけます。
我が家来ぞ!」
「遠慮はいらぬ!」
「存分に飲め!」
自分の懐が痛むわけではないので、部下達に大判振舞の義朝![]()
源氏の嫡男という金看板を掲げて、まさにやりたい放題です![]()
ナレーション(頼朝)
「その頃父義朝は、東国武士の多くを配下におさめていた」
って、こんな手法で東国武士を勢力を拡大していったというのは、
さすがに無理があります。史実での義朝は、幼少時に都を
離れて東国に下向したようです。恐らく源氏歴代の家人の
しっかりとした人物を守役につけ、為義は義朝を東国へ
下向させたのでしょう。ドラマでの為義は、さすがにダメ親父化
されすぎていると考えます。まぁ所詮は武家のことですので、
史実と違う~!と野暮なことは言わないでおきましょう。
兄の波多野義通の言いつけであることを告げる
波多野義通の妹。所謂「据え膳なんたら」というヤツです![]()
いくら据え膳とはいえ、オナゴへの思いやりのカケラも見せない義朝![]()
と思いきや、押し倒し方は意外と紳士的だった義朝![]()
![]()
#平清盛 の呟きでも「意外と優しい押し倒し方だった」
というツイートが結構見られました。
ある意味清々しくて、私は全面的にこの山賊ヤクザ義朝の
人物像を支持しております![]()
ナレーション(頼朝)
程なくして、この二人の間には、私の腹違いの兄になる
朝長が産まれることになる。
前年にも同じく腹違いの兄(悪源太)義平が生まれていたが、
京にいる私の母由良御前は知る由も無かった![]()
源朝長Wiki の記載を一部抜粋します
源 朝長(みなもと の ともなが)は、平安時代末期の武将。
源義朝の次男。母は波多野義通の妹。
兄は義平、弟には頼朝・範頼・義経などがいる。
相模国松田郷を領して松田冠者(まつだのかじゃ)と号した。
父や兄弟とともに平治の乱で平清盛と戦うが敗れ、
父や兄弟とともに東国へ落ちる途中で落ち武者狩りに遭い負傷、
傷が悪化して死亡した。
どうも薄幸の人生であった朝長。彼は義朝の次男でありますが、
三男である頼朝の生母由良御前の身分が義朝の妻達の中で
群を抜いて高かったため、頼朝が嫡男(跡取り)の扱いを受けています。
義朝は地方豪族の娘を何人も娶り、子を産ませています。
そのあたりは記録に残っていますが、そういう事情で娶った
妻を義朝がどう扱ったかまでは当然分かりません。
案外このドラマにおけるワイルドヤクザな義朝は、
史実に近いのかもしれません。
まさに東国は野生の王国状態
であります!
一方京の都では、肝心の義朝が不在であるのに、
第5話で義朝に助けられた由良御前が、義朝の父である
為義の館に出入りしている模様。
こんなの絶対に有り得ない!と思える光景ですが、
まぁ武家のことだから大目に見ます。
ここでは「なっちゃん」田中麗奈が演ずる由良御前が、
為義パパの駄目っぷりを非難します。
「一体、お手前(為義)は何をなさっておいでじゃ?
源氏の棟梁たるお人が、いつまでも位が検非違使で、
これといった手柄も立てぬままで...」
まだ嫁でもないのに、ズケズケ言いたいことを言う由良御前。
“本当に宮仕えしている人なんだろうか?”と思ってしまう口ぶりです。
熱田の宮の姫様だか、内親王様の女房(女官)かは存ぜぬが、
そうズケズケ言われる筋合いはない![]()
オナゴならオナゴらしく、口をつぐんでおれ
」
このドラマにおける為義パパが駄目親父なのは事実ですが、
赤の他人(まだ義朝の妻になったわけではない)の
由良御前に言いたい放題言われてしまっては、
為義がキレるのは当然のことでしょう!
駄目親父為義に怒鳴られた由良御前、
今度は「デレモード」に突入しました![]()
「ただ、義朝様にお会いしとうて
」
「何ですか![]()
」と払いのける由良御前。
凄まじいまでのツンデレぶりです![]()
このドラマにおけるツンデレ枠が由良御前で決まった瞬間であります![]()
ナレーション(頼朝)
母は一途で、そして報われぬ人であった
確かにこのドラマに於いては、凄くツンデレで一途な由良御前。
彼女は他の義朝の妻達がキッカリ子を一人しか産んでない
(唯一義朝が打算なしで娶った常盤御前だけが、今若、
音若、牛若の三人の子を産んでます)のに比べ、
三人の子を成しています。
この事実に「義朝は由良を愛していた」と考えたほうが
ロマンチックなのでありますが、
私は「熱田神宮宮司家」という由良御前の実家ブランドを
有効利用すべく、由良御前を特別扱いしたのだと解釈しています。
その方が、ドラマの山賊ヤクザな義朝像にも適合していますしね。
ここで平氏と源氏の状況を、NHKの公式HPの該当箇所から紹介します。
平忠盛は武士として初の公卿となるべく、活動中。
「財力も武力もあるが、しょせん平氏は朝廷の犬なのか?」
と書かれています。ここでは王家と書かれてませんし、劇中でも
王家という言葉は減ったように観ていて思います。
カウントしているわけではないのですが、第一話など20回くらいは
王家(ほとんど王家の犬という使われ方をしていた)という言葉が
出てきたので、大分マシになったように思えます。
「あまりにも評判が悪すぎたため、出来る限り台詞を
修正したのではないか?」と思える節があります。
平氏が鳥羽院派であるのに対し、源氏の為義&義朝父子は
「源氏再興のため摂関家に取り入る」と書かれています。
源氏は八幡太郎義家の頃に東国の武士の多くを
従えましたが、義家の子である義親がどうしようもない暴れん坊で、
朝廷からの追討を受けて誅殺されたという事件を起こします。
その義親誅殺の時は、ドラマで「もののけ」と称されている
タフマン「白河法皇」の御世でした。
「義親の誅殺は源氏の勢力伸長を抑えたい院による謀略だった」
という説もあるので、源氏の勢力後退は多分に政治的なもので
あった可能性が濃厚です。そうした停滞期を何とかしようと、
為義は駄目親父なりに頑張り、義朝も東国で勢力拡大を
図るといった状態になっているのがドラマでの状況です。
以前UPした記事でも使用した、自作のExcelを使った為義を起点とする源氏の家系図。
しかし、史実では義朝は父の命で幼年期に東国に下ったようです。
そして父の命に服さなくなったため、為義は次男の義賢も
東国に下向させ、義朝とは別個で勢力拡大を命じます。
その義賢を、兄義朝は自分の嫡男である悪源太義平に
殺させるのですから、源氏という一族は非常に血生臭い
身内間の争いがお家芸ともいえる家系であります。
そういう意味では、平氏一門は基本的に身内争いが少なくて穏やかです。
(平将門等の例もあり、平氏に身内争いが全くなかったわけではありません
)
そんな源平のお家事情紹介編は、これで終了。
「平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説 4 朝廷大奥編」
に続きます。
「大河ドラマ平清盛」はトンデモドラマだ![]()
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