平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説 前編(朝廷パート編)
平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説2 平氏の家庭の事情編
平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説 3 源氏の家庭の事情編
の続編記事になります。
※使用した画像はNHKの公式HPや、録画したドラマの
データから抽出して利用しております。
全て批評目的の引用であり、他意はありません。
※今までこのブログで「平清盛」の朝廷での出来事を
「昼ドラ」と称してきましたが、今回は純粋に権力闘争の話
であるので、「朝廷大奥」とした次第であります。
自らの子【躰仁(なりひと)親王=近衛帝】を
帝にすることに成功し、国母となった得子。
その一方ですっかり権勢を失った待賢門院(璋子)が、
ある日得子に呼び出されます。
※以下の解説記事では
紫字を得子の部下である女官、青字を得子、
赤字を待賢門院(璋子)、緑字を堀河局
の台詞としてご覧ください。
「判官台源もりゆき(字が分からん!)並び
その妻は待賢門院様に仕える者達でしたなぁ?」
「この度土佐へ流すことが決まりましてございます!」
自分に仕える者が、「罪人として土佐へ流される」
と聞き、驚く待賢門院(璋子)
(堀河局)「いかなる咎にござりましょうか?」
「この私を呪詛した
罪にございます」
「呪詛?」
「躰仁を帝の座につけ、
あなた様を国母の座から
引きずりり下ろしたことが
よほど気に入らなんだのでしょう」
「あれを持て」と視線で合図する得子様
「判官台(璋子に仕える者)の館より
見つかりましてございます!」
「勝手にやったことか、あなた様が
お命じになったのか、
そこは詮索いたしませぬ」
待賢門院(璋子)を侮蔑する視線を投げかけ、立ち去る得子様
「璋子様はさようなことはなさりませぬ
皇后さま、皇后さま」
堀河局は、立ち去る得子に璋子の無実を訴えますが...
「堀河、もうよい!」
呪詛人形を改めて調べる璋子様
「これは得子様が姫皇女を
お産みになった時、
私が差し上げた産着じゃ!」
「では、これはたまこ様を陥れんがために、得子様が...」
「陥れるのではない救うてくださるのじゃ
鳥羽の法皇様を傷つけ、上皇様を苦しめ、」
「義清を出家に追いやった私の愚かさを
こうして突きつけてくださったのじゃ!」
※待賢門院(璋子)役の「檀れい」がサントリー金麦のCMキャラなので、
ツイッターの #平清盛 タグでは「金麦=待賢門院(璋子)」という
隠語が成立している次第であります
ちょっと前までは待賢門院(璋子)のおかげでズタボロだった
鳥羽院がパンチドランカー状態でしたが、
今度は待賢門院(璋子)が殉教者っぽいキャラに変身してしまいました
なんだか「全ては神の思し召し」というキリスト教徒の思考回路みたいで、
クリスチャンには到底なれない私には気持ち悪い展開であります
ナレーション
このわずかひと月の後、待賢門院様は
堀河の局等と共に髪を降ろされた
(つまり出家して尼になったということです)
待賢門院たまこ様と鳥羽法皇、
このお二方は
心を通わせ合うことないまま
ついに別れ別れとなられた!
このナレーションが流れる際の映像は、このドラマでも
屈指の白眉であったと私は思います。
降り続ける雪を見てたそがれる待賢門院(璋子)
同じ場所なのに、時が違うのかお一人でたそがれながら、
舞い落ちる雪をご覧になってる鳥羽法皇
美坊主(←これもツイッター上で話題になってました)
こと鳥羽法皇が交互に現れ、
とても幻想的で、良いシーンだったと個人的には思います。
やはり天下のNHK
もっともこの大河ドラマ一話あたりの制作費用は
約6,000万円とも言われています。
単純に1年50話とすると、全制作費は30億円くらいになる
と思われます。この予算だけでも民放は太刀打ち不可能
それでいてこの神のごとき編集技術
これだけ良いもの造れる技術と予算があるんだから、
素直に良い作品を造っておくれよ
そんな技術を反日的要素の強い作品造りに使ってるから、
我慢ならんのだ
得子が崇徳帝に自分の子である躰仁親王を養子とさせ、
譲位した崇徳帝に院政をさせると約束したものの、
実際は皇太弟という身分で近衛帝として即位させた。
これによって依然として政治の実権は鳥羽法皇が握ったままとなり、
崇徳院は爪弾きを喰らいました
一方崇徳帝の同母弟である雅仁親王は、権力争いには興味がない
(ドラマではそういう展開)らしく、この権力闘争には絡んできません。
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第5話で鳥羽院が得子にお手つきしたシーン
「わたしももののけのごとき物となろう」
「あの女【待賢門院(璋子)】の
好きなようにはさせぬ」
そして鳥羽院と得子が昼ドラモードに突入
事の終わった後に得子が「責任とってね」と
鳥羽院に対して今後の関係継続を求め、
鳥羽院も同意した結果が躰仁親王の誕生であり、
その躰仁親王を帝にしたことで得子は国母となったわけです
恐るべし、宮中昼ドラ
そして国母となった得子が、権勢の衰え激しい待賢門院(璋子)
を罠にはめ、待賢門院に仕える者を呪詛の罪で土佐へ島流し。
これで待賢門院(璋子)は意気消沈して出家。
元々は待賢門院(璋子)の引き立てで崇徳帝の后として
入内する予定だった得子ですが、ズタボロの鳥羽院にお手つき
されてしまったのを機にのし上がり、遂には自分を引き立ててくれた
ハズの待賢門院(璋子)に引導を渡した
なんともオナゴの権力闘争は恐ろしいものでございまする
待賢門院(璋子)は、そもそもタフマン(伊東四朗)もののけ
白河法皇の養女になったのが運のツキ
白河法皇のお手がついた身でありながら、
鳥羽院の后として入内した待賢門院(璋子)様。
第5話でキレた時の鳥羽院
その結果、鳥羽院は度重なる待賢門院(璋子)からの
言葉の暴力でズタボロになり、その憂さ晴らしで
得子に手を出してしまい、皇子を産ませて
朝廷の勢力争いの図式を複雑にしてしまいました。
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義清の待賢門院(璋子)絞殺未遂事件
更には超天然美魔女の待賢門院(璋子)と昼ドラに溺れた挙句、
自分に関心を寄せるハズだった待賢門院(璋子)に鳥羽院を慕う
気持ちが芽生えたことに嫉妬し、絞殺未遂事件を起こした佐藤義清(西行)。
※NHKの公式HPには
「編集技術でそう見せているだけで、本当に蹴飛ばしてはいません」
というNHKの言い分が書かれていました。
問題なのはそこではなく、西行出家の経緯をここまで貶めたことなんですけど(キリッ)
加えて実の娘を蹴飛ばし、DV事件までやらかして
家庭崩壊の上での出家劇でありました
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少なくとも、このドラマにおいて待賢門院(璋子)は、
鳥羽院と佐藤義清(西行)の人生を滅茶苦茶にしました
ドラマの展開だと佐藤義清(西行)の方は自業自得でしたが、
無理矢理ここまで醜く描いたNHKの番組制作姿勢には
疑問を超えて、ハッキリ嫌悪感を覚えます
得子が実権を握ったことにより、朝廷の力関係はこのように変化しました。
この情勢に崇徳院は不満タラタラ。それが後年の保元の乱の原因に
なっていきます。そして雅仁親王はこの時点では政治に無関心。
藤原摂関家でも、視聴者に大人気の頼長とドラマでは影の薄い忠通の
兄弟仲は非常によろしくない。というわけで、今後も朝廷の混乱ぶりに
目が離せないという情勢になっております。
平清盛第11話「もののけの涙」Vamos的解説5 「清盛乱心、坊主に蹴り炸裂!」編
に続きます
「大河ドラマ平清盛」はトンデモドラマだ
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