平清盛第10話「義清散る」Vamos的解説 前編(義清リア充編)
平清盛第10話「義清散る」Vamos的解説 中編VOL.1(義清リア充崩壊序曲編)
平清盛第10話「義清散る」Vamos的解説 中編VOL.2(義清リア充崩壊編)
の続編記事になります。
※使用した画像はNHKの公式HPや、録画したドラマのデータから
抽出して利用しております。
全て批評目的の引用であり、他意はありません。
待賢門院(璋子)に言い寄ったものの、彼女の心は
鳥羽院にあると気付いて、逆ギレした佐藤義清(西行)。
こともあろうか待賢門院の首を締め、危うくお命を
奪うところでした。その犯行現場から逃れてきた
義清と清盛が、気持ちを落ち着かせるためか
酒を飲んでいるシーンからいきます。
「やはり酒は、女に
ついでもらったほうが美味い!」
「こんな時まで、なにを気取って
おるのじゃ!相手(待賢門院)は
(鳥羽)院のお后ぞ!」
「私はただ引き出したかった
待賢門院様の心の奥底に眠っている
人を愛しく思う気持ちを!
だが、人を愛しく思う気持ちを
知らぬのは私の方だったのだ!」
「何を寝言を申しておるのじゃ!」
とうとう清盛にまで「寝言」と
言われてしまった、義清!
完全にリア充&パーフェクト超人
ぶりが崩壊です!
露とも知らない義清の妻子です
「内大臣頼長様より、院御所への呼び出しがかかった」
と義清室に言われ、慌てて飛び出します
その頃義清は、頼長によって院の面前で詰問されていました。
「先立ってこの御所に曲者が現れ、待賢門院様への狼藉に及んだ。
私の調べによると、そなたはあの日北面の勤めを中途で終え、
院のお供をせずに帰ったと聞いておる。まことか?」
「まことにございます」
事実ですから、肯定せざるを得ない義清。
「それはおかしいのう!私はあの夜御所におった!
そなたが御所の庭を駆け抜ける姿を見た!
中略
院のお出かけの隙に何をしておったのだ? 」
ことの成り行きを見守る鳥羽院の目付きは、
さすがに厳しいものがあります。
「あれ(狼藉を働いた)は私(清盛)であったと、言うてくださいませ!」
と懇願していました。
「あ奴(義清)はあ奴なりに、待賢門院様をお救いしたいと
考えてのことにございます!」
友を救いたいという気持ちは美しいと言いたいが...
行為がこれか!
もう庇い立て出来ないところに来ているのだよ、清盛
「そんなものは、
後でどうとでもなりまする!」
ならねーよ、このボケッ!
今年の大河ドラマ、平清盛が昨年の「江」に続いて
視聴率が振るわない最大の理由は、
当時の人々の感覚をガン無視した言動にあると思います。
そんな言動を誘発する脚本にも、大きな問題があるのでしょう!
ちょっと前までの日本において、上級社会で何より優先されるのは
お家の維持と安泰でした。お家安泰のためには、身内であっても
切り捨てるのが世の倣いでした。
そんな風潮がバリバリに働いていた平安時代末期において、
「走れメロス」のように友を庇って自分が罪を被る?
正に「寝言は寝て言え」です!
清盛がまだ「平氏の末席に辛うじて連なってる程度の小物」であれば、
話も分からないではありません。主人の罪をあえて被るという小物
という筋立てであれば、こういった展開も理解できます。
しかし、清盛は伊勢平氏の当主である平忠盛の惣領息子なのです!
絶対に有り得ない言動でしかないのです!
これが時代考証なんて無視した「トンデモ時代劇」であるなら、
こんな筋立てであっても全く問題ありません。
しかしNHKという(名目上)日本の国営放送局が、
多額の予算をかけて、綿密な時代考証をして
造っていると豪語している大河ドラマの内容がこれでは、
あまりにお粗末であると言うことを言いたいのです!
「咎めねばならぬことなど、
何一つ起きてはおらぬ」
頼長の義清に対する詰問の一部始終を見届けた鳥羽院が、
こう言い放ちます。
「そなたが誰と何をしようと、
もはや私の心には
さざ波一つ立たぬゆえ!」
(チョット疑問。御所にお住まいの鳥羽院、海を見たことあったのかな?)
その鳥羽院のお言葉に、動揺する待賢門院様。
立ち去る際に、待賢門院の方をさり気なくチラ見する鳥羽院。
「嗚呼、鳥羽院萌え~!」ってな声が高まっているのも納得です。
事実ツイッター上では
#ズタボロの鳥羽院に萌えてしまう人rt
なるタグが存在し、
多くの視聴者が、ズタボロの鳥羽院に萌えている事実があるのです
実は私も、「鳥羽院萌え~」な一人であったりします。
の鳥羽院にこそ、萌えるのです!
完全にネタと化している大河ドラマ「平清盛」。
そうでもないと、こんなトンデモ大河を
NHK監視目的のためとはいえ、観ていられません
そういった鳥羽院と待賢門院(璋子)のやりとりを
目の当たりにした義清。激しく動揺しています!
娘から手渡された桜の花びらを見て
「美しい」と呟く義清。最後の一家団欒でした。
義清の妻が夫の異変に気付き、「殿?」と声をかけた瞬間
前触れも無く、いきなり娘を足蹴にした義清!
これでもう家庭崩壊決定です!
NHKの公式HP内にある よくある質問
のコーナーでは
と説明されています。
「実際には編集で子供を蹴飛ばしているように
見せているだけで、撮影時には本当に蹴飛ばしてはいない」
という言い分はさすがに信じることにしますが、
それよりも問題なことがあります。
この演出では、
「イキナリ義清がキレて子供に当り散らしたようにしか見えない」
記録に残る
「出家するか否か迷った西行が、自分にすがり付く子供を
振り払った結果として、縁側から蹴落とす形になった」
というのとはエラい違いであるということです。
ドラマでの義清は、完全にDV義清となっています!
朝廷(ドラマでは王家と言ってますが)の乱れだけではなく、
当時の代表的な歌人である西行まで貶めるのかNHK
ここで私が言いたいのは、
『「父上、出家などしないで!」とすがりついて泣く』ことと、
「保護者たる父から、いわれのない暴力を受けて泣く」
ことでは全然違う
ということであります。史実として記録に残っている
のであればともかく、どこをどう脳内変換したら
こういった筋書きになるのでしょうか?
理解に苦しみます!
そして、桜の花びらが無駄なまでに舞い散る中での
義清のへのクラスチェンジ(というより堕天か?)の場面になります。
「出家する!(鳥羽)院が私を
お許しになったのは、未だ
待賢門院様を愛しく思っているからだ。
愛しいゆえ、突き放すのだ!」
「王家の乱れの元は、人が人を
愛しく思う気持ちだ!
手に入らぬなら、奪いたい!
奪えぬなら、殺したい!
そんな醜い思いが渦巻いている!」
自分の醜さを、王家(皇室)に転換して語る義清!
脚本家がどういう意図で台詞を書いているのか、これで分かります!
「美しく生きることが私の志だ!
醜さにまみれて生きる覚悟はない」
己の心の醜さを棚に上げて、「王家(皇室)が乱れており、
その醜さの中では生きていけない!」とアホなことを
抜かしまくる義清滅茶苦茶自己中過ぎるナルシー君です
お前らしゅうない!
かようなオマエなど、見とうない!」
さすがに清盛も義清の寝言に付き合いきれずに、
押し倒してマウントポジションを確保。
パーフェクト超人の名残すら見えない義清を、タコ殴りにします。
気づけよ、清盛!これがこのドラマにおける
佐藤義清(西行)の本性なんだってば!
虚しく泣き崩れる清盛。
「清盛!お前さんは私の
たった一人の友だ!」
「それ故、お前さんに見届けて欲しい!
佐藤義清一生一大の我侭を!」
そして、歌を読みあげ始める義清。
「今は、これまで!」
そう言って、己の髻を切る義清
目の腫れ一つなくその様子を見守る清盛
無言で立ち去る義清
立ち去る義清を見送る清盛

(ナレーション)
京随一の武士(もののふ)と呼ばれた
佐藤義清は、乱世の舞台に立つことなく
世捨て人となった
というナレーションが入って、第十回「義清散る」は終了しました。
この記事も4回という長きにわたって展開し、ようやく終了。
正直疲れましたわ。
ともかくこの回は、
「義清のリア充崩壊っぷり」、「自己チューぶり」、
更に
「皇室だけでなく、西行という日本史に残る
大文化人までも貶めようとする制作側の意図」
が、あまりにも赤裸々に感じられた話でありました。
次回予告
第十一回「もののけの涙」 清盛の妻である明子に死亡フラグが
「大河ドラマ平清盛」の佐藤義清(西行)の描き方
が酷いと思う方、特に「子供に蹴り
」に納得の
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