コートさんの施設の面接の日。

早く着きすぎて、カフェで時間調整。コーヒーの味もわからないくらいにドキドキしながら何度も地図を見て。

でもこのドキドキは緊張とは違う、ちょっとワクワクした感じでした。

 

そして面接は無事終了。

 

凄くワクワクした時間でした。就職の面接と思えないくらい楽しかったのです!

採否はわからないのに、私のなかで「ここで働きたい!」という思いは一層高まっていました。

そんな興奮冷めやらぬなか、帰りの電車内で朝からのあれこれを振り返っていました。

コートさん、施設長との面接で、当たり前ですが志望動機を聞かれました。上手く自分の気持ちを説明できなかったけど、「人の心に触れることに喜びを感じるから」みたいなことを話しました。

ここで一つの疑問が湧き上がりました。

あれ? でも、なんで他の仕事にこういう気持ちを感じなかったんだろう?・・・。

 

今までずっとサービス業がしたいと思っていたけど、どうも何かが違う気がしていて。

人と触れ合いたいけど、それはサービス業ともちょっと違うな・・とうっすら思ってはいたのです。

う〜〜ん、なんで??

 

でも帰宅してから気づきました。

サービス業に何故トキメかなかったのか。

 

サービス業は一過性。売ったらおしまい。(毎日会うわけじゃない)

でも「支援」は長く付き合う。長く時間をかけて分かり合い、共に前に進んで行ける仕事。しかも共に成長できる。それはお金に換算できないもの。

そう!! 「お金に換算できない」「こころが触れ合う」これが私には魅力的に感じていて、かつ大事に思うこと。これが仕事で得られたらいいなぁ。

だから、トキメいたんだなぁ・・

 

でも、やっぱり一番は「コートさんと仕事してみたい!!

あぁ、私は心の奥でこういうことに魅力を感じていて、こんな風に思ってたんだ・・・と気付いたのです。

 

また一つパズルのピースが埋まって、本当の私がちょっぴり見えた(自己理解が進んだ)気がして嬉しい気持ちの夜でした照れ

 

 

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コートさんの会社宛に履歴書を発送して、晴れやかな気持ちのまま家計簿をまとめていたときに、ふと1年前の家計簿を見てみようという気になりました。

私は家計簿をつけるときにちょっとした日記のようなものも書き留めていたので、去年の自分たち(私が共依存だと自認できていないとき)がどんな状態だったのかを振り返ってみたくなったのでした。

 

そしたら・・

 

去年のお正月には既にお酒が原因でケンカしており、そして1/30には

「俺、アルコール依存症だと思う」とケイトさんが言っていたことが判明。

こんな大事な告白を私は何も気に留めることなくスルーしていたのです。

しかも

「お客様が飲んでいる様子を見ると飲みたい気持ちが押さえられなくなる凄く凄く飲みたいと思う。そういう自分が嫌だ。」

「俺はもう料理人ダメだ。この環境は辛い。」

「あんたがいいって言ったら料理人やめて農業をやる。そしたらもう飲まないから・・」と。

 

なぜこのとき、アルコール外来を受診させなかったんだろう・・こんなに苦しんでいたのに。

この時すぐにアルコール外来に繋がっていたなら、こんなに苦しむことはなかったかもしれないのに・・ととても悔やまれました。

 

でも、一年前の私はケイトさんがアルコール依存だなんて少しも思っていなかったんですよね。

お酒のトラブルは始まっていて、喧嘩するくらいお互いに傷ついていたのに。

当時の私は、アルコール依存症という言葉も知らなかったし、まして共依存症なんて聞いたこともなかった。

ケイトさんについては「深酒になりやすくて、酔うと悪酔いする人」というくらいの認識で。

だからケイトさんの苦しみに(本当の意味で)寄り添うことができなかった・・

 

でも、アルコール依存症と共依存症を自認している今ならよくわかります。

ケイトさんがどれだけ辛かったのか・・

そして、こうして苦しい胸の内を曝け出してくれていたこのときが治療に繋ぐことができる一番のチャンスだったということも。

 

でも、私たちはここからさらに転げ落ちて行かなければ自分たちがいる場所に気づけなかったのです。

私たち夫婦は、精神的・肉体的・経済的にとことんボロボロになって、初めて「何かがおかしい」「もう苦しすぎて辛い」と気づけたのでした。

 

そして、私がいかに長年にわたってケイトさんに対してイネイブリングを続けてきたのか、このとき始めて気がついたのです。

思い返せば、ケイトさんは何度も「お酒、やめようかな」と言っていたのです。

その度には私はなぜか居心地が悪くて「やめなくてもいいんじゃない? ちょっとだけにしたらいいんじゃない?」などと言ってはケイトさんの好きなお酒を用意していました

お酒をやめよう、やめなければと思っていたケイトさんの足を引っ張ったのは紛れもなく私でした

 

依存症が関係性の病と言われる所以をこのとき始めて、ようやっと理解できたのでした。

 

 

この少し前に、就活をしていることを知ったコートさんから、「ウチで働きませんか?」とお誘いをいただいていました。

電話で一度話しただけで会ったこともなく、私がどこに住んでいて何歳で、どんな経歴なのかも知らないのに、です。

私はコートさんの会社のHPをくまなくチェックしていたので、何となくどんな方なのか想像できていましたが、

コートさんは私の情報は何一つ知らない。なんなら私のフルネームも知らない・・・

それなのに、です。

 

私は改めてコートさんの人としての大きさに感動していました。

コートさんと一緒に働いてみたい!そう思いつつも、現実問題として

①福祉の経験がない

②通勤に2時間かかる

のがどうしても引っ掛かり、一度はお断りしていたのです。

 

でも、就活をするなかで「ここで働きたい!」ではなく「ここでいいか・・」と妥協して応募しているから志望動機が書けないのだということに気づきました。

 

私は、何をしたいんだろう?

これが初めて「仕事」について真剣に考えた瞬間でした。

そして一つの答えを見つけました。

 

 

*コートさんへのメール*

 

度々のメール、申し訳ありません。実はもう一つ気付いたことがあります。

就活をしていて「志望動機」が書けないのは何故なんだろうと、ずっと考えていました。

答えは簡単でした。

純粋に「やってみたい!」と思っていないからだということに気付きました。

早く仕事しなきゃと条件だけを見て、どんな仕事をしたいのか、自分は何が好きなのかを考えていなかったのです。(何がしたいということが分からなかった、見えなかったということもありますが…)

 

以前、私の素性を何もお伝えしていなかったのに、コートさんはお声を掛けてくださいました。

あの時、私はトキメキを感じました。でも、こんな私がお役に立てるなんて思えない という思いと、方向音痴の私が御社まで(しかも満員電車で)通えるのだろうか…という不安が先立ってしまいました。

ですが、自身の心のルーツが見えてきた今、素直に「コートさんと働きたい!」と思っております

事務と接客しか経験がなくても、応募できますでしょうか?

もちろん、断って頂いて構いません。お時間があるときで構いませんので、返信いただけたら有り難く存じます。蒼いぶらうす

*コートさんからの返信*

 

おお!

とっても嬉しいです、ありがとうございます。

 

|事務と接客しか経験がなくても、応募できますでしょうか?

全く問題ありません!

一度、お会いしましょう。お会いして、私が社内に強く推薦していきますので。

我ながら図々しいお願いのメールをよく書けるなと思いつつ、でもコートさんと仕事してみたい!という気持ちがむくむくと湧き上がってきているのを自認したら、「ダメ元でお願いしてみよう!」という気持ちになっていたのです。

これまでの私なら絶対にできないことでした。

 

 

そして面接は翌週に決まりました。

今までと違ってあんなに苦痛だった履歴書の作成がサクサク進み(志望動機も言葉が溢れて来て音譜)短時間で書き上げていました。

 

ずっと苦しいだけの日々が、少しずつ私の中で変化し始めていました。

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ケイトさんが入院している病院の家族会に参加してみました。病院の家族会は初めてです。

2部構成になっていて、1部は医療者主催のセミナー形式、2部は家族の分かち合いというスタイルでした。

1部の参加者は15名ほどだったでしょうか、小ぢんまりとしていましたが依存症を医学的に説明されることで、依存症が病気であるということを改めて認知できました。

2部の家族会には、どっと参加者が増えて40名程度いたと思います。参加者全員が話すので、2時間以上かかりました滝汗

みんな日々精一杯という思いがどの方のお話からも伝わって来ます。

でも・・・大人数の分かち合いは正直しんどく感じました。根気強く全員の話を聞き続ける職員さんは凄いなぁ、偉いなぁと心から感心しました。

 

家族会終了後、ケイトさんとベンチに腰掛けて。

特に何を話すでもないけど、風もなく穏やかな陽射しを二人で浴びるだけで心地よかった照れ

ケイトさんに避難用アパートのこと、パートを辞めたこと、言えなかった・・

まだ自分のことだけでいっぱいで多分私のことは興味ないと思うし。ま、いっか・・みたいに思ったのもありました。

 

家族会からの帰り道、情報量の多かった1日を振り返っていたらふと気づいたことがあって。

私の心が空っぽになったのは砂の城だったからなのでは?と思ったのです。

一見、綺麗で立派に見える砂の城は、アルコール依存症の波をかぶりあっという間に崩れ落ちた。

そしてついに何もなくなった・・・

 

あれ?

でも、一体いつから砂の城になったの? 

 

そう言えば子どもの頃は活発で石橋なんて叩くもんか!っていうくらい威勢のいい性格だったのに。

いつから引っ込み思案で、物怖じして、常に自信がなく石橋叩いても絶対に渡らない!!私になったのか・・

 

時間を退行して考えてみました。

 

高校生・・・既に自信のない今の私が完成

中学生・・・移行期間でどちらの自分もいたかも

小学生・・・「あ母さんを助けてあげられるのは私しかいない」という正義感は既にあった

気づけば母はいつも泣いていたことを思い出しました。思いやりのない父から母を守れるのは私だけだと、そんなふうに思っていました。

私は常に母の愚痴聞き役で娘というよりは専属カウンセラーだったのです。

 

私の共依存症とACの出発点はここだなと思いました。

あー、私の心のルーツがわかってきた~。で、ここからはどうすればいいのかなぁ?

 

 

*コートさんへのメール*

 

今日は夫のことではなく、私自身のことでご意見を伺いたくメール致しました。

 

最も古い記憶で、「お母さんを助けなくちゃ!」と思い始めたのは年長くらいでした。ただ それ以前に、父が母を労わる様子というものを私は見たことがなかったので、素地としてはそこがあったのだろうと思います。

心のルーツが紐解けたことが嬉しくて、靄が少し薄くなった気分です!

 

そこで、お伺いしたいのは、共依存とA Cの「最初」がわかったら、次は何をすれば良いのかということです。

自分で自分の心が見えるようになるために、次にできることは何があるのでしょう?

もしご存知でしたら、教えていただけないでしょうか。 蒼いぶらうす

*コートさんからの返信*

 

良かったです!

とても素敵な気づきですね。

 

|自分で自分の心が見えるようになるために、次にできることは何があるのでしょう?

すでに次を見据えていらっしゃるのですね。とてもいいことだと思います。

 

皆様よくされているのが、仮にぶらうすさんの次の目標が「より、心地よく生きていける自分になりたい」だとするのであれば、ACの自助グループに行くのはどうでしょう。

 

必ずしも自助グループでなくてもよいのですが、同じ悩みを共有して話し合える仲間を見つけられるとよりよいですね。  

コート

ケイトさんの入院当日の朝が来ました。

(予約を取っては逃げ出し・・・を繰り返して三度目の正直でやっと実現😅)

 

これまでとはきっと違う未来が待っているはずで、私たちはそこに向かっていくのだという期待と不安の朝でした。

トーストとバナナだけの軽食だけど、coffeeは心を込めて淹れて☕️。

二人で食べる朝食はやっぱり美味しくて照れ

私は午前中、有給を貰って入院に付き添いました。通勤ラッシュの時間だったので超満員電車滝汗  

でもケイトさんがさり気なく私を誘導してくれているのが嬉しかったです。シラフのケイトさんは本当に優しいニコニコ

 

病院に着いてから入院するまで、結構時間がかかりました。

医師の問診では「途中で退院したくなると思いますが、3カ月間最後までプログラムを頑張ってください」との念押しがあり、ケイトさんは素直に「はい」と答えていました。

その後ソーシャルワーカーとの面接。書類にサインして病棟に向かいます。ケイトさんは健康チェック、私は別の看護師さんから問診を受けました。そこでケイトさんが医療者に言わなかったあれこれも伝えることができて、私は「やっと医療者と共有できた」という思いで安堵していました。

 

その後、不足の物品を買い揃えてから再び病棟へ。(隠れてお酒を持ち込む場合があるため)荷物は全てチェックが入り、ケイトさんへ直接の手渡しはできないとのことで看護師さんへお渡し。ケイトさんと顔を合わせることなく、私はそのまま帰路につきました。

 

 

*コートさんへのメール*

 

 

先程、無事に入院しました。

 

入院前の確認で、「お見舞いに来た方に(アルコールの)病棟などをお伝えしますか? どうしますか?」と書面での確認があったのですが、ケイトさんは「知らせても良い」にチェックを入れていました。

「(従姉妹で看護師の)○○ちゃんが来るかもしれないし」と言っていたので、回復のために頑張ってる姿を見て欲しいという思いもあるのかなと思ったりしました。

 

ここから長い道のりが始まるのですよね。

スリップもあるかもしれないし、再入院もあるかもしれません。

でも、先のことは心配しすぎないで、少し先にある明るい光を目指して行きたいです。

夫が居ない3か月の間に、私も出来る限りのスキルを身に付けたいと思います。

 

では、これから最後の勤務に向かいます。また改めてご連絡致しますね。 蒼いぶらうす

 

*コートさんからの返信*

 

 

よかったです!

とても嬉しいですね。

 

|ここから長い道のりが始まるのですよね。

|スリップもあるかもしれないし、再入院もあるかもしれません。

|でも、先のことは心配しすぎないで、少し先にある明るい光を目指して行きたいです。

|夫が居ない3か月の間に、私も出来る限りのスキルを身に付けたいと思います。

 

仰る通り、楽なことばかりではない道のりですが、一緒に都度考えていきましょう

先のことは心配しすぎず、一歩一歩、ですよね。

もしお役に立てる部分(退院後の継続的なリハビリ・通所など)がございましたら、いつでもご連絡くださいませ。コート

 

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