【前篇】より続く。
短い隧道だが、まずは振り返っての
鉄板の構図。
坑口部分、激しく水が滴っているのが…いまいち伝わらんな~。何しろ大雨洪水警報の出ていたこの日、けっこう強めなシャワーだったんだが。
隧道の先までずっと続く礫岩の壁も圧巻だが、
洞内に堆積した大小さまざまな石もまた凄まじい。これ間違いなく、波が運んできたものだろう。
で、隧道の先は…
何がある?と問われれば、
何もない。
単なる、狭く荒々しい浜だけ。
今では存在意義が見えない隧道だが、
実は、このまま磯伝いに進み、南側の島田集落へと至る道があった(ある)というのである。
この航空写真をご覧いただきたい。
内迫漁港の外海、周防灘(伊予灘)に面して隧道があるわけだが、確かに磯伝いに500mほども進めば島田集落へとたどり着ける。現代の車道とくらべても段違いのショートカットルートだ。
この訪問時はほぼ満潮に近い状態で、干潮時にはじゅうぶんに歩いていけるだけの余地はあるよう。てっく氏ご自身も、この隧道を通って何度も島田集落へと行ったことがあると書いておられるし、そういう意味では今も使う人はいる、つまり現役の隧道であるはずだ。
なんとこの狭く荒れ果てた浜に、畑があったというのである。
こんな場所にどのくらいの期間畑を維持できたものかわからないが、間違いなく「あった」そうで、その耕作も含めた生活道の隧道であった、というのがこの隧道の真実なのだそうである。
それにしてもねえ…
オーバーハングした頭上を見上げれば、怖すぎるのよここ。
特にこの日みたいな大雨の日とか、
ゆるんだ岩が落ちてきそうじゃないの。ヘルメットごときじゃ屁のツッパリにもならんような岩が。
怖ァァァァ。
そうそう、この隧道だが、やっぱりというかなんというか、明治隧道らしい。やっぱ掘るよね~昔の人は。
いやはや…凄いな。
隧道も道も、なにもかも。
…という感じで堪能して車に戻ったのだが、そこで事件が起こった。
車に乗り込んで、次のターゲットへの道順を確認していたら、なんかすぐ背後で…パラパラパラ…って音がして、続いてずぞぞぞz…ガラガラゴットン!という鈍い音。もうエンジンはかけていたので、反射的にこれはヤバイ!と車を動かしてその場を離れた。
改めて戻ってみたら、
あわわわ…崩れてる。けっこうデカい岩が落ちてきてんじゃないのよ!
おわかりだろうか?前篇で載せた到着時の写真(↓)と見比べていただきたい。堤防と山が接するあたり、真新しい崩土と落ちてきた岩があるのが確認できると思う。
この程度の小規模な崩落でも、それなりに恐ろしい音がした。マジで車のすぐ背後だったんで、車に当たるような可能性もじゅうぶんにあったはず。
ていうかそれ以上に、先ほどのオーバーハングした岩壁に埋め込まれていた無数の岩たち、この日はまさにリアル・デストラップだったんだなと改めて思い返し、背筋が寒くなった。マジでアカンわ。こういうコンディションは。
ドキドキしながら、次のターゲットへ向かった。
最後に改めて、ネット初となったてっく氏のレポがこちら。地元民最強!をまさに地で行く、短いながらも濃厚なレポである。ぜひご覧いただきたい。
以上。