真浦隧道【前篇】 (石川県珠洲市真浦町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

【逢坂隧道】より続く。

 

 

 

ここに到着した時から気付いていたが、

旧道は反対側と同じく封鎖されていた。

 

反対側には特に表示がなかったように思うが、こちらは「通行止」となっている。立入禁止ではないので、問題なしだ。

 

 

 

 

 

こっちの旧道はホント短く、

あっという間に見えてきた。あれが目指す旧隧道。

 

 

 

 

 

なんだが…その前に気になったのが

隧道脇の岩礁。

 

チャチなガードロープだけで道路と隔てられたそこは、なんとも不可思議な浸食を受けていた。あるいは真ん中のやつ、崩れてきた岩なのか?

 

 

 

 

 

さておき、

旧隧道に正対。

 

さすがにこれは心許ない。新隧道が掘られたのはもっともな判断だったと思う。まあ前回お伝えした通り、その新隧道もどうやら放棄される運命となったようだが…。

 

 

 

 

 

さて、前回からずっと新隧道とか旧隧道とか言ってるが、実は現道とはお名前が違ってて、

旧隧道は「真浦隧道」という。

 

所在地も珠洲市真浦町なんで至極真っ当な名前であり、逆に「逢坂」のほうがどっから来たのか、って話だ。字名なんだろうか。

 

飾り気のない質素なポータルにあって、帯石・笠石状のラインとアーチ環を模したデザインが心ばかりのおしゃれなんだろうか(意味不明)。

 

 

 

 

 

何らかの表示であったであろう金属片が取り付けられていたが、

サビッサビすぎて全く判読できなかった。「トンネル内点灯」「先入車優先」…なんて書いてあったんだろう。

 

 

 

 

 

殺風景な隧道とは裏腹に、個人的にオッとなったのが、

この擁壁。

 

谷積みで組まれており、ところどころ色違いの石が混じっているのがパッチワークみたいで楽しい。なかなかきれいじゃない?

 

 

 

 

 

さあ、では…

洞内へお邪魔。なんだこのちょっとだけ巻き立てなし区間は。

 

 

 

 

 

写真がヘボくて伝わらないだろうが、

抜けた先にも海が見えていた。素敵やん…。

 

 

 

 

 

振り返りの、鉄板の構図。

こっちもまたええ感じなんだな~。

 

 

 

 

 

洞内は基本的に、

素掘りのモルタル吹付で、

 

 

 

 

 

両端付近が

コンクリ巻き立て、という構成だった。

 

 

 

 

 

抜けますと…

おおお…。

 

この時でさえもちょっとピリッとくる感覚があったが、今の目で見ると…この真浦隧道も無事では済んでいないだろうな。現道からの近さを考えても、逢坂隧道に引導を渡した山体崩壊に巻き込まれた可能性が濃厚。

 

 

 

 

 

振り返って、こちらが

真浦隧道・珠洲側坑口。

 

 

 

 

 

こちらには美しい色合いの銘板があった。

竣工は昭和37年となっているが、隧道データベースによれば、実は昭和25年竣工らしい。改修されてポータルができたのが昭和37年、ということなのかと思われる。

 

 

 

 

 

ここでふと隧道脇に目をやり、

あっ。

 

 

 

 

【後篇】に続く。