2023年4月24日、東京シバキ残し回収ツアーで訪ねた物件をご紹介。Q地図様とストビューで見つけてぜひ訪ねたかった物件だが、絡めて訪ねるような物件が少なくて最後まで後回しになってしまっていた。
京王線の代田橋駅から
暗渠化された玉川上水沿いの緑道を進み…おおっ、見えてきた。
これこれ。
コンクリート製の個性的な高欄。これですよ!
北側より正対。場所はこちら。
これが響く人がどのくらいいるのかわからないが、実にイイ。
お名前は、
稲荷橋。事前に知ってなければちょっと解読に時間かかったかも。
でこれが、
上流側(先述の通り暗渠化されている)の高欄。不思議な段差がたまらない。
非常に判読しづらいが、
「昭和二年十一月(以下判読不可)」と刻まれているように見える。Q地図様でも完成年は昭和2年となっているので、これについては間違いないはずだ。
この古さの橋が渋谷区の片隅にほぼ往時の姿のままで残っているなんて、奇跡的なことだと思う。ちなみに、渋谷区による平成27年度の橋梁点検での判定結果は「2(予防保全段階)」。まだしばらくは頑張ってくれるのだろうか。
こちら下流側の高欄。
不思議なことに、
こちらは中央の束柱が2m近くも屹立している。
決して上流側のが折れてしまった結果とかではなさそうなのよね。摩訶不思議なデザインだ。
南側より正対。
この写真だけ見たら、渋谷区とは到底思えないな。
お誕生日、こっちのほうが少しだけ見やすい気がするが、
こっちだと「十二月」に見えるな。最後は「竣功」か。「十一」か「十二」か、正解はどっちだ?
こっちはかなでの橋名だと思うのだが、
判読はお手上げだ。名前を知っててもなお全然わからん(笑)。
ふと気づいた、
小さな花が一輪だけ。古いコンクリートの背景に映えていた。
下流側からのサイドアングル。
この稲荷橋直下で、玉川上水は暗渠から開渠に戻る。ここからしばらく、今や希少な玉川上水の素掘り区間が残っている。
最後に、北側より引きで。
なんか、「前の時代の東京」というフレーズが浮かんだ。江戸川乱歩が小説の舞台にしたような、そんな雰囲気。個人の感想ですけど(笑)。
末永く残ってほしい、稲荷橋でありました。