”穴太衆”(あのうしゅう)というワード、当ブログにおいでくださる皆様におかれてはご存じの方も多いと思う。
今回はその”穴太衆”というワードだけでいたくそそられる、そんな方に向けての記事である。
なので細かい解説はしないが、最低限書いておくと…
穴太衆とは、自然石の野面積みにより強固な石垣を築く技能を持った石工集団で、中世より全国の城郭や寺社に穴太衆積みと呼ばれる石垣を数えきれないほど築いてきた。
しかし時代と技術の変遷とともにその技術を生かせる場は減り、現代においてはその技術を受け継ぐのは、大津市坂本の粟田建設たった一軒のみ。
現在では各地の城郭や寺社の石垣修復を中心に、その美しさと機能性が認められて海外での施工なども請け負っている。
…って感じなのだが、過日、本拠である大津市坂本で、実際の穴太衆積み石垣を前にしながら、その粟田建設の代表取締役であり、穴太衆第十五代衆頭の粟田純徳さんのお話を聴く機会があった。
技術的なことや心構え的なことから現代工法との折り合い、文化財に関わる苦労、後進の育成についてなどなど、すべてが興味深いお話ばかり。
自然石が相手なので図面なんてものは存在せず、頭の中でどれをどこに置くかを考えながら石を選び、それを現場に運んでピタリと組み上げる…なんでそんなことができるんだろうと、ただただ感嘆。「石選びで仕事の八割は終わったようなもん」とのお言葉、痺れますな~。
粟田さんは「情熱大陸」に採り上げられたり、また「ブラタモリ」でも案内役として登場されたし、「城フェス」のようなイベントでのトークみたいなことはこれまでもあったようだが、今回のように一般人に向けての実地ガイドのようなことはほぼ初めて(業界関係や研究者などに向けては、時おり案内されているよう)という非常に貴重な機会、けっこうな遠方からも来られていて、熱心に質問などされていた。
で、実はそれが6月にもう一度開催されるんである。
前回が満席となったので、急きょ追加日程ってことで。詳しくはこちらを↓
締め切り近し。ご興味ある方、お急ぎを。
終了後に撮らせていただいた、現代の名匠とのツーショット。
家宝であります(笑)。
以上、情報提供でした。
(テーマ分類不可なので「オフ報告、同好の士」で)