【6】より続く。
大きくなってきたのは、明らかな水音。
そして今や、はっきりとその姿を捉えた。…滝。
つうかこれ…
軌道はどうなってたんだ?小規模なガーダーが渡されてたんだろうか。
軌道跡から見上げれば、
「上段の滝」とでも言うべき第一の滝が落ちていて、そこからの流れ(こういうのも斜瀑って呼んでいいんだろうか?)を軌道が渡っている格好。
そして軌道跡から
さらに大きな滝…いわば「下段の滝」となって落ちている。落ちた先もすぐ黒蔵谷というわけではなく、そこからさらに流れが続いているようだった。…この写真は何を撮ったのかよくわからん感じだが。
まあ滝については、次回しっかりとお見せする。結果的に、ここでゆっくりすることになったからね。
滝のすぐ先には、
今日イチで素晴らしい景が待っていた。片洞門だ~!
断崖を穿ってつけられた軌道跡。その美しさに酔いしれたかったのに…
そのすぐ先に絶望の香りを嗅ぎつけてしまったぞ。
またもや、景色が白い。ヤバ…。
先に目に入ったのは、
谷を巻いた先に走る、これまたひたすらに美しい軌道跡の姿。
こんな罪なものを見せつけておいての、
急峻なガリー。ガッツリと軌道跡を持って行ってしまっていた。マジか~!
すぐ向こうに復活した軌道跡が見えてるのに?そんな殺生な…
たぶん…写真で見たら、なんてことなさそうに見えるのかもしれない。
しかし~、これが~、う~~ん(笑)。
いや実際、イケてる 行ける人は行けるんだと思う。
が、わたくしの技量と身体能力では「行けるかもしれないし、失敗してケガするかもしれない」と感じた。
ここにいたのは約10分。その間足を下ろしてはその次の足の置き場を探し、見つからず仕切り直す…を何度か繰り返した。なんとかなればと願ったが、なんともならなかった。
「慎重に探索し、無理はしない」を肝に銘じてここまで来た。そしてここは、「無理しないと行けない」局面だった。
非常に残念だが、ここまでだ。
目に焼き付ける、
この上なく美しい軌道跡。手が届かないと思えば余計に。
いや~もう、切ないわ。
現在地はたぶんここなので、
あとほんの少しで目指す隧道だったはずなんだな~。無念。
仕方ない。撤収だ。
時刻は12時41分。探索開始からは、およそ2時間50分が経過していた。
【8】に続く。