【4】より続く。
堤山隧道を後に、畝畑1号線のトレースを開始。まずは「堤山1号橋」を目標に。
目視では隧道を抜けてきた時から気づいていたが、
のっけから香ばしいものが出迎えてくれた。
それは、
絶妙に腐れた木製桟橋。
こりゃちょっと体重を預ける気にはなれない。最初の写真でわかる通り、切り立った場所なのだが、幸い桟橋の山側にわずかな足場があるので、そこを踏んで突破できた。久しく修繕されてなさそうなこの感じを見ても、道としての利用実態は(今では)かなり乏しいようだ。
このくらいなら極上コンディション。
ずっと送水管もついてきている。だからなんなのだキミは?
極上区間を過ぎると、
凶悪区間がお出迎え。地味にめんどくさかったなあ、ここからしばらく。
やがて平穏を取り戻した道、
だしぬけに、これまで川を見下ろしていた左側に平場が現れ、それに呼応するように道は右へとカーブ。
そしてその先で…
あらびっくり!なんと三叉路が現れた。
この一帯、かつて人の手が入っていた(そしてわずかに今でも?)ことが色濃く感じられた。突然の変化に戸惑いつつも、Q地図様の位置データを信用するとすれば、「堤山1号橋」はAの方向だと思われたので、まずはそちらへと辿ってみた。
A方向は、こんな感じのスロープになっていた。
これは降りてからの振り返りで、中央右上の鞍部みたいな場所が先ほどの三叉路。
で、降りてきた場所は、
名称不明な谷に面した平場だった。ここは、三叉路手前まで道の左側にあった川の上流に当たる。要は谷の屈曲をショートカットしたわけだ。
ここの護岸にもまた、人の手を物語る石積みが見られた。
が…「堤山1号橋」がない。
Q地図様だと、
【「全国Q地図」様より】※画像生成がなぜかうまくいかないので、スクショにて。
まさにここらのはずなんだが?
ちなみに、左上には(ごちゃっと重なっていてわかりにくいが)「堤山2号橋」「堤山3号橋」という表記も見える。これらについては後ほど。
一応、平場の下流側端まで来てみたが、
やはり橋はない。
もしかして、
この渡されている倒木がそうなのか?(んなわけあるか)
ここまでの数枚の写真で、「人の手入っていたことが色濃く感じられる」のニュアンスを共有していただけただろうか。石積みで画された意味ありげな平場や護岸、間伐の痕跡などなど。それが完全に放棄されて…はいないように感じられるのも妙に気になる。
さて、以前も書いたが、Q地図様唯一の難点は位置情報データがずれがちであること。よって地図通りの場所に橋がないからと言って「本当にない」わけではないはず。
これまたQ地図様によれば、「堤山1号橋」は1980(昭和55)年完成、長寿命化点検による判定結果は堂々の「1」(健全)。延長7.1m、幅員0.5mというささやかな橋であっても、そんな健全な橋なら見つけられるだろう。三叉路に戻って調査を続行しよう。
…というのが現場で考えたことだったが、結論から申すとマジでなかった。
これは、いつも有益な情報をくださるnotodonさんからご教示いただいたものだが、
【goo地図】より切り出し。
驚いたことに、goo地図ではこの「畝畑1号線」がちゃんと記載されていて、それによると「堤山1号橋」はやはりあの場所で間違いなかったようなのだ。
これはどういうことだ?護岸の荒れた様子を見るにつけ、近年に流されてしまったのか?正直、そんな感じはあまりしなかったのだが、そう考えるしかないような状況だ…。
ちなみに、左上で二ヶ所、流れを跨ぐところがあるが、ここがそれぞれ「堤山2号橋「3号橋」のはずだ。
一応、goo地図のリンクも貼っておく。畝畑1号線の端点までしっかりと記載されていて、そこには建物表記があり興味を惹かれる。
やはり、実際にはあそこらへんに架かっていたはずの「堤山1号橋」。
汝は、何処へ?
今回最後に、1号橋があったはずのあたり~三叉路までの観察動画を。
一帯の謎めいた雰囲気を感じていただけるかどうか…。
【6】に続く。