千人場の滝の隧道訪問記【1】 (和歌山県東牟婁郡那智勝浦町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

やはりまずは、メインターゲットのひとつからはじめようか。…つうわけで2021年11月13日、南紀周回宿題回収ツアーの初日、お昼前。

 

 

 

最初のメインターゲット…が翌日に回ったため、

道々でいくつかシバキながら、もうひとつのメインターゲットにやってきた。現在地コチラ

 

 

今宵から何回かに分けてその訪問記をお送りする物件は、池郷川不動滝の隧道訪問記連載でのコメント内で、(予告篇で書いたとおり)滝の専門家・瀑やんさんに「こういう滝の近くにある水路隧道を他にご存じないか?」と質問したところ、ここを教えていただいたもの。以来、次の紀伊半島行きでは必ず訪ねようと決めていたところなのだった。

 

 

なお、この訪問に際しての「予習」は最小限に留めて、アプローチのことだけを頭に入れてやってきた。まずはそのあたりのことを。

蛇行しながら南北に流れるのは二級河川・太田川、そして「現在地」の少し上流側(北側)で右岸に流入するのが、支流の中野川。

 

地図には描かれていないが、この中野川を遡上していくと「千人場の滝」なる滝があり、その付近に件の隧道があるという。その訪問のためにはまず、太田川を渡渉する必要がある。

 

本来は「獺越」から描かれている点線道で渡渉するようだったが、どうやらここの橋は流されて存在しないらしく、わたくしの見た先人の記録では下流側の浅いところで渡渉しておられた。わたくしもそれに倣おうと思う。

 

 

その河原への降り口が「現在地」、すなわち冒頭の写真のところ。

 

 

 

 

 

 

県道から太田川の河原へ。

パッと見流木で塞がれたようなあれが、中野川である。そして太田川本流、確かに浅そう。

 

 

 

 

 

 

なんとか長靴で行けるだろう、と踏んでいたが、

案外ギリギリ。けっこうルートをしっかり見つけないと水没してしまう。慎重に渡渉。


 

 

 

 

 

しかし、きれいだな~。

これは渡渉し終えたあたりで撮ったと思うが、このキラキラした水にテンションが上がっちゃって(笑)。

 

だいたい普段は隧道内に溜まった水とかぬかるみとか、長靴の活躍ってそんなんばかりなので、陽光のもと、きれいな流水をバシャバシャやるのは無性に楽しかった。この部分については最後まで飽きませんでしたな(笑)。

 

 

 

 

 

 

右岸より振り返り。

帰りに備えて、どのへんで渡ったかポイントを覚えておいた。にもかかわらず…

 

 

 

 

 

 

さて、最初の関門である太田川渡渉を終え(さらに関門があるに違いないと構えていた)

いよいよ中野川遡上を開始。

 

しっかし…水が少ないなあ。目指す隧道はきっと池郷川と同じく木材流しのためのものだろうと見当をつけてきているが、とてもそんな感じの川の相ではないけどなあ。大丈夫か?

 

 

 

 

 

 


こっからは早くも未知のパートに。つうか、ひたすら遡上していけばそのうち行き当たるだろうってだけなので、シンプルに川の中を歩いていく。

浅瀬を選び、倒木などでふさがっていれば一時的に岸に上がって、って感じで、進める方向を目指していけば案外スイスイと進めた。

 

いや、楽しい~(笑)。

案外これまでやったことがないタイプの探索だ。

 

 

 

 

 

 

遡上開始から5分。わたくしふと気づいてしまった。あれって…

っすよね?

 

この後も随所で見つけることになる、河岸をガッツリ掘りこんでつけられた平場、あれは間違いなく人為的に拓かれた道にしか見えない。隧道の出自が木材流し用だとするなら、あれは木材流しを終えた筏師が辿った筏道の痕跡なんじゃないだろうか?やはり昔、林業華やかなりし頃には、この中野川の流れはもっと水量豊かだったのではないかと思われる。

 

 

 

このすぐ後。進めなくなって、いったん左岸へとエスケープした際にふと気づいた。

 

進行方向でなく振り向いた方向に…

アレはもしかして!?

 

 

 

 

【2】に続く。