【1】より続く。
現れたるは、崩壊斜面にかろうじて開口した、黒き穴。
宿願だった隧道の登場である。
坑口部分、本来もうちょい土被りがあったんだろうが、今ではほぼコンクリートむき出し状態。大きな落石でもあれば、ベッコリと逝きそうだ。
いまいちサイズがわかりにくいかもしれないが、
こんなくらい。このまま開口部は徐々に狭まっていくのだろう。
もちろん隧道は車道サイズなので、
ここから入ったらどんな感じになるのかわかっていた。
すなわち、
こんな感じ。
一見して目を引いたのが、
この左側壁部。
アーチ部分だけをコンクリで巻き立て、側壁部は素掘り岩盤のまま。これかなり珍しいような気がする。他どこかで見たっけ?
岩盤を粗く整形して迫受けに使っているようだが、
打設したコンクリートも仕上げに手作業で整えた痕跡が見て取れた。
鉄板の構図…いや、
そうは呼ばんか(笑)。
下降中のパパさん。かなり埋まっているんだなというのが伝わるかと。アーチを一周するデカいクラックが入っている。けっこうヤバイ状態だ。
目を引いた左側壁部に対し、
向こうに見える右側壁部もまた、ユニークだ。
こういうのも、
どっかで見た気はするものの、どこだったか思い出せない。
これらどういうことなんだろう。コンクリートの節約か、よほど側壁部の岩盤が安定しているのか。
中央部あたりからの振り返り。
雰囲気重視のノンフラッシュ撮影で。
そして向き直っての、
ちょっとカッコイイ一枚(笑)。あれはakatora nekoさんかな?
その向こうに、なにやら見えているのがおわかりだろうか。
隧道を抜けた先、
ただならぬ「岩の壁」が行く手に立ちふさがっているのを。
それを目にしたとき、思わず声が出たが、まあそれは次回に。
抜けて向き直り、
正対。
反対側とはまったく印象が違う。
小さな扁額があり、
「湯上隧道」と。
R158で近辺の廃隧道である馬返し隧道や影路隧道(いずれも記事まだ…)は、新道にも同名のトンネルが掘られたが、この湯上隧道だけは現道にはトンネルなし。よって、その名をしのぶよすがはない。その存在を知る者だけが、発電所の名称にそれを見出すのみ…。
ちょっと角度を変えて。
極めてゴツイ岩盤に穿たれているのがわかる。
が、この旧道のクライマックスは、実はこの隧道ではないのだった。
【3】に続く。