久々に思い出して引っ張り出してきた、HELMETのアルバム「MEANTIME」。
実際のところ、思い出したのはこのアルバムというよりは、
一番お気に入りのこの曲、
“Unsung”。
記憶にある以上に、煽動力の高い反復リフと冷たささえ感じる硬質なリズムが織りなすグルーヴが、まあカッコよろし。ビョンビョン唸るベースも素敵だ~。これは少数派なのかもしれないけど、ヴォーカルが終わる2分34秒からラストまでがもうたまらん。
それで、この“Unsung”という言葉。
「アンサング」と発音する形容詞で、その意味は「詩歌にうたわれ(てい)ない; 〈人・業績など〉詩歌によってほめたたえられない」(研究社 新英和中辞典)。よく“Unsung Hero”(名もなき英雄)なんて慣用的に使われる。つまり平たく言えば、「名もなき(存在)」って意味。
これ、現在のわたくしの趣味である、「橋、隧道を中心に広く我が琴線に触れたものを記録していく」という行為の根幹にある要素だ。役目を終えた橋や隧道、道路。インフラの根幹をなす「あって当たり前の」橋やトンネル。誰かの役に立つはずだったのに完成しなかった未成道路…。そういったものたちの醸す「顧みられなさ」が心に響くのかも。
そして、そうしたものを目にしたときに思わず出るこの言葉、「イイねえ~」(笑)。まあこれはわたくし個人の話だけども。
同好の士におかれては、こういったマインドを皆お持ちなんじゃないかと…程度の差はあれど。
これからも、Unsungな物件を、ちまちまと紹介していく所存であります。
HELMETからそういう話に展開するなんて、プログレッシヴでしょ(笑)。