【3】より続く。
いきなり…(笑)。
続いてないやん(笑)。
いったいナンなんだね君ぃ、藪からスティックに!?
説明しよう(笑)。
前回最後の写真で、三度の軽トラ登場。
二台ともにここに停まり、乗っていた四人のおっちゃんたちも降りていた。
これはいよいよ第三種接近遭遇(笑)か…。ならば最初が肝心、好奇心も露わにガン見されながらも、愛想よく礼儀正しくいかねばならない。にこやかに挨拶しながら近づいたら、「あんた、歩くの速いね~」って言われた(笑)。まあまだ序盤だし、今日はキビキビ行くと心がけてたからな。
で、挨拶しながら気づいた。ここが、この作業路の終端なのだった。あとは下って、河原に突っ込むのみ。そして対岸には、さっきの建物付近から登場した道が見えていた。おっちゃんたちによれば、あれが旧来の道、櫨原から扇谷を遡上する林道であったということだ。
おっちゃんたちは地元民(聞かなかったが、旧徳山村民なのかも)で、入り口ゲートを開けて入ってこられたということで、当然ながら延々歩いてここまで来た酔狂なわたくし、どこに行くのか聞かれた。
「この奥に狂小屋っていう場所があるというのを知ったので、見に行きたくて」と答えると、もの好きやなあ、みたいな反応やったっけ(笑)。
思えば、このおっちゃんたちからもっと情報収集できただろうに、こういう時っていつも舞い上がってしまって、大した話ができないのだ…アカンな~わたくし。
で、スニーカーを履いてるわたくしに、「川渡らないかんぞ?どうすんの?」と聞かれたので、「一応長靴も持ってるんですが」、と答えると、「そんなもん長靴じゃ無理だわ!」ですと(笑)。
「まあ適当になんとかしますわ~」とか言ってると、それを聞いた別のおっちゃんが、なんと荷台に積んであったウェーダーを指さして「これ、貸してやろうか?」ですって!
「まだ当分ここにおるで、これ使って、帰りにまた荷台に戻しといてくれりゃあいいで」と、なんというありがたきお言葉!そのお言葉に甘えて、ありがたくお借りすることにした…のが冒頭の写真である。
お礼を言い、「じゃあ行ってきます」とおっちゃんたちと別れ、
7時31分、扇谷の河原へ。少し上流に土管が何本か横たわっている。
前回までに思わせぶりにちょろっと書いてきたが、
航空写真で見て明らかに橋がないここでの渡渉が、最大の懸念ポイントだった。長靴で行けるのかウェーダーが要るのか。
しかし、重たいウェーダーをもしものためだけにここまで持ってくるなんてのは論外(もちろんおっちゃんたちのように車でここまで来れればそうしただろうが)。ならば、もし長靴で無理ならば、「どうなってもいい」スニーカーを履いてパンイチでざぶざぶ渡っちまおう、というのがわが目算だった。
が、こうしてありがたい出会いの結果として
望外のウェーダー着用!これで恐れるものはない。
まずは浅瀬をちゃぷちゃぷと渡り、
土管のそばへ。
ホハレ峠から門入へのルートにも土管橋(の痕跡)があったけど、ここもかつては橋代わりに置かれていたものなんだろうか?でもおっちゃんによると、ここには橋が架かっていたことはないらしい。てっきり流されたのかと思って聞いてみたんだけれど。
ズーム気味に振り返り。
あれが、作業路の真の末端だ。隠れてるが、あのすぐ上には軽トラが停まってるという位置関係。下流には、流された土管が見える。
これを見る限りだと、「こんなん、ウェーダー要らんやん?」と見えるだろう。確かにここまでは長靴でも全然余裕(この日の水位なら)。
問題は、
こっから先だ。
浅いところを選んでも、
水深はこのくらいはあって、かつ流れは速い。これは舐めてたら痛い目に遭う。
慎重に渡渉し、上陸地点へ。
足元は不安定であり、片手に靴をぶら下げていたこともあり、渡渉中の写真はこれくらい。
距離的には50mほど?の渡渉ポイントを振り返り。
直線的最短距離で渡渉した場合、対岸にとりつくことは難しいと思われる。やはりこのルートが最善だろう。
おっちゃんに借りたウェーダーは、
ここにかけて日干ししておくことにした。
いや確かに、長靴じゃどうにもならなかった。ほんと助かった。
感謝しながら
目前のここを上がる。
するとそこは…
旧来の、そして今では現世と隔絶された廃林道の路盤上。つまりダム完成後に取り残されたエリア。
ついに「こちら側」に立った。ならば今渡ってきたのは、現世と常世を峻別する、いわば三途の川だったわけだ。
上の写真は櫨原方向だが、これは帰りにチェックすることとし、向き直る。
これが、狂小屋への道。Road to madness(笑)
時刻は7時42分。進軍開始から1時間20分にして、いよいよ始まった。果たしてどんな道が、どんな景が待っているのか。テンション最高潮!
【5】に続く。