【1】より続く。
ゲートインして2分。
まったくもって快適な道が続いている。
とりあえず、地理院地図に描かれている区間に関しては問題ない道だろうと航空写真から判断していたが、まさにそのとおり。
ちなみに探索に当たっては、事前にスマホでその航空写真モードを全行程分スクショしておいたものを適宜参照しながら歩いた。
参考までに、最初の区間のものはこれ。
谷を奥へと分け入る、明瞭な道型。完全に良好な道であることが見て取れるこれがこの通りの状態であると確信が持てたというわけだ。
なので、ここで早くも、足元をスイッチ。
悪い変化を想定して長靴でゲートインしていたが、
この感じならば、ありがたいことにそれは杞憂に終わりそうなので、
スニーカーに履き替えた。
どちらでスタートするにせよ、今回も門入~戸入アタックと同様に二足制で臨むことにしていた。
この先の懸念ポイントでどうとでも対応できるようにだ。
余談だがこのアディダスのスニーカー、本来はテニスシューズだったと思うんだけども、グリップが弱いので斜面をへつったりとか本格的な探索には全然向かないものの、とっても足になじんでいて平地では大変心地良く履ける。仁丹看板ハントなどの歩きまくりでも大いに活躍してくれた「戦友」である。
すでに相当にくたびれているので、普段履きとしてはもう退役しているのだが、逆にそれを生かして「足元がどうなってもいい時」のために車に積んである。この日これが登場したということはどういうことか?あれこれ想像してみてくだされ(笑)。
さて、
こんな洗い越しを過ぎて、ふと振り返れば、
遠ざかりゆく扇谷姫街道橋の姿。
この扇谷を遡上する道は「越前越え」と呼ばれた古道で、櫨原と山向こうの温見(ぬくみ)を結ぶ生活の道でもあったという。ホハレ峠を挟んだ門入と川上みたいな関係だといえるか。
その温見も昭和38年の「三八豪雪」をきっかけとして村人は離村、現在では無住となっている。諸行無常なり。
6時38分。航空写真で見て気になっていたポイントに到達した。これは振り返り気味に撮影。
先ほど貼ったスクショだと一番上のほう、作業道らしきものが分岐して九十九折りで上へと続いている様子が見て取れる。
しかしここはいったんスルー。全てをつつがなく終えた復路でこの上を見に行くことにし、まずは先を急ぐ。そう、先は長いぞ。クイックよ。ああ、わかってるともさ。(一人芝居)
さて、続く区間のスクショを貼っとく。
なんだかいろいろと写真は撮ってるんだが、ここはバシバシ割愛して飛ばそう。そう、これでも飛ばしてるのよ(笑)。
6時51分。進軍開始から30分ほど歩いたここで、
ググッと先が開ける気配。最初の大きな展開か!?上のスクショでいえば、真ん中よりちょい上のひときわタイトなヘアピンのとこだと思う。
それを立ち上がると…おおお!
遠くまでスカーンと見渡せる!
うれしくなると同時に、距離を見せつけられてウッともなった。まああらかじめわかって来てるので、ダメージはない(笑)。
ただこれ、実際に見えている範囲でも見た目の1.5倍ほどは距離があったと思う。なにしろ、谷をひとつひとつ忠実に巻きながらなので。
7時1分、そんな途中での一枚。
大きく曲がる扇谷、その鏡のような水面が美しかった。
ちなみに次なる区間のスクショでいえば、上の写真は
真ん中ちょい左下、山側へグッと入り込む手前あたりから撮ったものだ。
この谷を巻いての折り返しのところが、
非常に状態のいいこの道では唯一、リアルにヤバそうな場所だった。まとまった雨が降ったらザッと流れてしまいそうな。
7時5分。けっこう速足で歩いたので、四枚上の写真を反対のポジションから見るような場所まで来た。
ここで来た道を振り返って撮ったのだが、この時事件が!
何か遠くから、聞きなれた音が…?
これは…もしや…?
け、
軽トラ(しかも二台)キターーー!!
(それにしても、拡大しても軽トラがこんなサイズ。この茫洋とした距離感、伝わるだろうか?)
【3】に続く。