【4】より続く。
7時42分。試行錯誤の第二フェーズを経て、いよいよ
「あの暗がりの真実」に迫る第三のフェーズに突入。当時の自分の心境としてはまさに大詰め、いざ勝負!って感じだった。
上の写真で左に視線を移すと、
さっき確認した覚えのあるものが見えた。
これ。
道を支えていた土留め工?のなれの果て。
そして正面に向き直れば、
前々回、はるか上の高巻きから見下ろした、あのコンクリ擁壁?のなれの果てが見えた。もう「あの暗がり」に近づきつつある。
コンクリ擁壁?の残骸を越えて見上げると、
山抜けは見えないほど上まで続いていて、あとわかりにくいが小さな滝があった。中央ちょい左、わかるかな?
こんな滝だ。
もちろんこれ、不動滝ではない。おそらくは無名の滝と思われる。
で、この無名滝から山抜けを挟んで反対側、
ここが、「あの暗がり」の場所のよう…なんだが、絶妙に見えない。
写真だと簡単に登っていけそうに見えるかもしれないが、少なくとも我が貧弱な身体能力ではとても自信がなかった。
直下から見上げて、
もちろん、さらに見えない(笑)。
仕方ないので、
高巻きからの降下による接近を試みようと、さらに登る。
ここで、山抜けの一番先にあるものが見えた。
コンクリ擁壁と、真新しそうに見えるガードレール。
あれはこの上を走る、白谷池郷林道に違いない。
まあ上に林道が見えたからって、あそこからアプローチできるってわけではない。基本的にゲートで閉じられてるし。
さて、「暗がり」と同レベルくらいまで登ってきたが、
まだ行けない。
さらに登り…
見下ろすと、こんな感じ。
「暗がり」はここらへん。
左斜面をトラバースして行ける…と登りながらの見立てでは感じていたのだが…
いざこの場に立つと、怖いんだなこれが(苦笑)。
進むほどにどんどんと断崖の中に身を置くことになるし、肝心の足元の岩がどうもさほど堅固でないようで…。
探索の初っ端、入口で見た「滑落の危険性」の文字が、ひらひらと頭の中で踊りやがる。これ以上高巻いてもさらに状況は悪くなるばかりだ。
くっそう、近づけない。すぐそこにあるのに。
みじめな気持になりながら、とぼとぼと降りる。
この頃には、たぶんこれ、違うんじゃないか?と感じてはいた。もっと不動滝の近くをあたるべきなんだろうと。しかし、それならそれで「ここはハズレでした」という確証が欲しい。
無名滝近くによじ登ってみると…おおっ、見える!
ズームで撮ったのがこれなんだが…
ぬおおおお悩ましい!
なんかもう、腹立ってきた(笑)。
こっからはもう、思い出しても笑えるやら情けないやらで、なんとしてでも確認しないと気が済まん!といろんなポイントから勇気をふるって登りかけては止め…を何度も繰り返したっけ。
で、これが
最終的に登ったポイント。登りやすさというよりも、万一落ちた時のダメージがもっとも軽そう、という理由で選んだ(笑)。
木の根や草を掴んでよじ登り、ようやく…!
ハイ!大外れ~!(笑)
「暗がり」の正体は、単なる木の洞の痕跡。隧道とは似ても似つかないものだった。残念~!しかし、ハズレと確認できたかできなかったかでは、全然気持ちが違う。まあとりあえずはスッキリした。
まずは慎重に…
ケガなく降りることに集中。
さて、「暗がり」がハズレだったということは、新たな手掛かりを見つけなくてはいけない。手っ取り早いのはやはり、連続する二本の山抜けによって寸断された道の続きを発見することだ。
そう考え、下巻きから再度登り返して道の痕跡を探したものの…
ダメだ~。
おおむね途切れた場所から類推しての延長線上あたりを探ってみたが、探している高さを間違えているのか、それらしい平場は見つけられなかった。
あたりはこんな感じで(これは振り返った景)、
登ったり下ったりもままならないヤバい地形になってきたので、やむなく撤収。
時刻は9時3分。
結果的に、ハズレだとの確証を得るために1時間21分を要した。
ここで二度目の、傷心の休憩。美しすぎる池郷川が恨めしい(笑)。
【6】に続く。