2014年5月16日。静岡県沼津市にて出張最終日を迎えたわたくし。夕方には仕事が終わり、あとは帰るだけ…ときたら、せめて近場でどっか行きたいじゃないですか。地図を見ると、徒歩圏内に何本か橋が。ちょうどいい。見て帰ろ~っと。
つうわけで、一本目はハズレ。下流側に架かる二本目を見ると…
斜張橋…だけじゃないな。なんか面白そうな橋。さっそく現場へ急行だ。
つうわけで、
橋の取り付きにやってまいりました。現在地コチラ。
地図でわかるとおり、ここは中央公園の一角。従って、この幅員ながらも自転車・歩行者用橋だということだ。これはゆったりしてるな~。
お名前は…
「あゆみ橋」。うーん、それっぽい名前だ。
お誕生日は
「平成十一年三月完成」。それにしてこの楕円形銘板、珍しいな。
では橋上へと。
両側のビルや建造物がなくなると、
チョー開放的!気持ちいい~。
先述のとおりの充分な幅員と、背が高すぎず視界を妨げない欄干、そして橋上に余分な構造物が一切ないおかげだろう。
橋上から望む上流側。
今さらながら、河川名は狩野川という。
先ほど橋上に余分な構造物がない、と書いたが、ご覧のように照明も欄干下の低い位置に据え付けられており、橋上の解放感確保にはおそらく設計者の拘りがあったのだろうと思わされる。
そして下流側に見えるは、
以前記事にしている御成橋。
カラータイルを用いて路面に施された、
この線意匠もスッキリ爽やかで、とってもいいと思う。
そして、遠目にも目を引いていた、
南側ワンスパンの斜張主塔とケーブル。
左右四本づつ、デカいアンカーレイジにつながっている。
アンカーレイジは公園内施設と一体化してデザインされていて、これまた実にイイ。
さて、ここでようやく、遠目に実は一番気になっていた部分を観察できる立ち位置が得られた。
それがコチラ。
わかりますかね?ポイントは桁下。
我がキャリア(謎)のこの時点までで、こういう橋はあまり見たことない気がして、帰ってから調べてみた。すると、こういうのを張弦桁橋と呼ぶということ、そしてなんとこのあゆみ橋、世界初の張弦桁橋と斜張橋の複合構造橋だというエライことが判明した。おおおお。
特に気に入ったのがここなんだが、
斜張ケーブルと桁下の張弦ケーブルが、まるでひと続きで主桁を貫くかのようになめらかな配置になっているところ。
ニクい、これはニクい(死語)。当然、これも意図的なデザインだろう。
さて、渡りきっての振り返り。
この斜張橋ならではの景もまた、美しいね~。
位置がどこだったかはっきり覚えていないが、
コチラ側には非常に珍しいアルファベット(しかも縦書き!)銘板、「AYUMI br.」があった。いや~行きとどいた橋ですな~(大謎)。
上流側からも舐めるように観賞(笑)。
この張弦ケーブルをよく見て、改めて思い至った。橋上の路面に施されていたあの青線意匠は、桁下のケーブルをなぞるように路面に浮かび上がらせたものじゃないか?きっとそうに違いない(強断定)。
この、跳ねるような張弦ケーブルのリズミカルさよ!
それなりに長い橋なのにも関わらずの、このさらっとした軽やかさときたら。
近代橋梁がさほど大好物でもないわたくしだが、コイツに関してはここに至るまでにいろいろとやられっぱなし。設計者のセンスには敬服するばかりだ。佳き哉佳き哉(笑)。
ウィキ先生によれば、この橋のデザインはアプル総合計画事務所によるものということで調べてみたら、同社HPの「業務内容」内「建築・都市デザイン」の「⑦景観設計・ランドスケープデザイン・支援」pdfに、あゆみ橋を含めた周辺一帯の景観設計が記録されていた。興味のある方はどうぞ。
最後におまけ。御成橋から望むあゆみ橋。
いや、素敵な橋だった。
以上。