【前篇】より続く。
つうことで、国道1号の狼川橋を渡り、瀬田側坑口前に回ってきた。位置はコチラ。
フェンスが邪魔だが、このフェンスより左はもう現在線の築堤なのでやむなし。マジで現在線にめり込んでるからね。
破壊されずに残ったのは、壊すより残して擁壁として使った方が築堤が安定するという判断だったのだと思われる。まあ真実は不明だが、残してくれたことにはただただ感謝。
こうして良好な日当たりのもとで眺めると、
全体的なポータルの状態は悪くない。
帯石、笠石、ピラスター完備。
ただ、笠石の一部が欠損してしまっている。
そして、これは何度見てもオイシイ、
ねじりまんぽ特有の段差アーチ環。
これ好き。ほんと好き(笑)。
そしてこちら側もやはり、
不可思議なたわみと幻惑の煉瓦積みは同様。
たわみ方も同様ということは、やはり変状しているのではなくてこういう仕様なのだという見方が可能だと思われる。いったい、どういうこと?
南草津側もそうだったが、洞内天井部は
かつての蒸気機関車の煤煙の名残か、黒く煤けていた。
いや~、この隧道の往年の姿、見てみたかったな~。写真とか残ってないのだろうか。ネットでも見たことがない。
はい、もう書きつくしたので、以下写真のみで。
最後のこの写真とか、ヤバイでしょ。
なんだこの積み方。どうやってできてんの?この微妙な曲線は?面白すぎ。
去り際に一枚。
そう、こういう角度でも鑑賞可能ですぞ。
これは初訪問した2009年7月28日の様子。
当時は季節的にも植生がワッサ~となっていたが、ある時期からバッサリと刈り払われた…ように思う。なんでかな?
ひとつ気になっているのが、南草津~瀬田間に新駅設置の構想がある(あった?)こと。2011年ごろに話が出て、その後頓挫した…と思っていたのだが、ここ最近、駅予定地とされていた付近の某工場がなくなり(移転?)、更地になっていたので、おっと!?って感じ。
軽く調べた範囲では趨勢が定かでないのだが、おりしも南草津駅西方(瀬田側)では「プリムタウン」という大規模な宅地開発が進行中で、新駅の話がまたぞろ動き出したのかもしれず、わたくしとしては、これによって狼川隧道に好ましからぬ変化が起こらないかと危惧している。まあ駅予定地(とされていた場所)にまるカブリ、ってわけではないのだが…。
上記を踏まえて、この写真。
これは瀬田側坑口上から眺めた、「現代の」狼川と南草津駅方向。
写真中央右上の草が生い茂っているところが、【前篇】の南草津側坑口の位置。ご覧のように川床は隧道を潰して下げられている。
今回更地になったのは、右奥に写っている白い建屋の工場で、宅地開発されている「プリムタウン」は、そこから線路をはさんだ広大な土地部分。2020年5月末現在では、すでにほぼ区画整理が完了した状態である。
ちなみに、遠くに見えるマンション群のところに南草津駅がある。この近さでここにまた新駅とか、ジモト民的には「イラネ」としか言いようがない。ただでさえ国道1号が慢性的に渋滞気味なのに、それに輪をかけることは必至やし。
とりあえず、唯一無二の土木遺産・狼川隧道の無事を祈るばかりである。
以上。
そして、これにてSTAY HOMETOWN@滋賀シリーズも幕とさせていただきます~。