2020年子年。一発目はやはりここ数年恒例の干支ネタで。はい、ずっとあっためておりましてん(笑)。
本日のお題橋は、2014年9月14日、嫁さんと三重県伊賀市にある「さるびの温泉」に入りに来た際に見つけた橋。この日のネタで記事にしているのは、瀬古口橋。
ネタがらみでの記事ではあるけど、「自分より年長のシンプルな桁橋」という我が好みにおいて、実はほぼ満点に近い逸品でありまして。まあ順にねちっこく(笑)、ご紹介していく。
まずは北からの正対写真。
橋というのはロケーションも大事でね。対岸の家の佇まいと、ゆったりと曲がった道路と…。
うん、伝わる方に伝わればよろしい(笑)。場所はコチラ。
上の写真にも写り込んでるが、この橋
袖高欄を備えている。
親柱手前に伸びている玉垣状の構造物を袖高欄(そでこうらん)と呼び、これがある橋がわたくし大好物なのである。好きポイントまず一つ目。
ここは道に合わせて斜めになってしまっていのが唯一残念なところで、これがまっすぐならばおそらく個人的採点は満点になったかも。
この親柱の意匠は、特に伊賀市周辺でよく見る気がするが、
一見して戦前橋であるとわかる。
見にくいが、正面と側面それぞれに情報が刻まれている。こういうのも好きなんですな~。形状と合わせ、好きポイント二つ目、三つ目。
お名前は、これまた見にくいけど
「子延橋」。
側面に刻まれているのは
「服部川」。
向かって右の親柱も
正面には橋名仮名が刻まれていた。
「ねのびはし」。「ね」ですか…。5年3ヶ月後のネタが決まった瞬間だった(笑)。
側面にはお誕生日。
「昭和九年五月架換」。やはりこの年代。昭和ひとケタ橋だった。
欲しい情報はすでに全部揃ってしまった。これが親柱2in1タイプ(謎)の嬉しいところ。
橋上の様子。いい雰囲気ですわ~。
ここにも好きポイント四つ目がありましてね、路面がアスファルト舗装じゃないところが。
もちろん、
アーチを連ねたこの欄干の形状も大変結構でして。
当然ながら、
好きポイント五つ目である。
渡って南側より正対。
個人的にこの佇まい、完璧。かっこいいわ~。
大きな破損も補修の痕もなく、
状態は極上ナリ。
親柱の情報は
まさしくわたくしのどストライク。
そして、橋の北詰にさらなる素敵オプションはっけーん。
それがこの
常夜灯と石碑。
特に目を引いたのが左端のこれ、
その名も「道路改修碑」と。
その裏面には、これまた見事なまでに良好な状態で、貴重な情報が刻まれていた。大きいサイズで貼るのでぜひご覧いただきたい。
右端には「府縣道阿波加太停車場線」とある。現在の三重県道668号関大山田線にあたるはずだが、この橋も県道の橋として架けられたってことで、なるほど道理で立派な。
改修功労者として多くの名前が、そして請負人の名前もしっかり刻まれている。しかし…大正九年五月から昭和九年六月まで…まる15年って、「延長五粁〇五一三」にしちゃなかなかの工事期間じゃないかね?
最後に、道路改修碑前からの子延橋。
嫁さんをお待たせしながらも、しっかり堪能した(笑)。
以上。