【12】より続く。
町道旧道の水没地点(地理院地図リンクはコチラ)にて、時刻は13時16分。さて、こっからどうするか。
とりあえず、愚直に来た道を戻る気にはなれなかった。
あわよくば…おっ。
ここならイケそうやな…。
この上には現道が走っているのだが、絶壁だったりあるいは落石防止フェンスが設置されていて、登れるところがなかった。唯一、端点近くのこの場所だけ、フェンスに少しだけ切れ目(写真右上)を発見したのだった。
最初の大きなミスは、ここだった。
しょーもないことを考えず、ここは素直に撤退すべき時間帯に入っていたのに。が、そうはしなかった。
ここでまたしても長靴に交換。とてもスニーカーじゃ登れない。
登攀には4分を要した。
下に見える落石フェンスの切れ目。その下は切り立って見えない。
まあ、なんとか無事に現道へ到達して望む、
コチラ、門入方面。つまり、撤退するならこっちへ向かわねばならない。
時刻は13時25分。
お恥ずかしい話、ここで初めて真に時間のことを考えた。これは…なかなかにシビアな時間になってきてしまったぞ?と。愚かな。
ここで二つめの、致命的な判断ミスを犯した。
わたくしが向かったのは、こっち。
生還に背を向ける、戸入方面。
もちろん、この時点で戸入の町道端点まで到達するという目的は、(当初より優先順位は低かったとは言え)完全に無理だとわかっていた。ではなぜ、無謀にも戸入方面に向かったか?
持参した地理院地図を見ると、この先しばらくであと2か所、町道が谷をまたぐ箇所があった。その2か所の橋だけをなんとか確認して、トンボ帰りしよう。それが我が目論見だった。
そして言うまでもなく、愚かな判断だった。
13時30分。ひとつ目の橋が描かれている箇所。そこは、
橋ではなく、やたら尺の合わないボックスカルバート製暗渠だった。場所コチラ。
将来的には拡幅計画があったのかもしれないが、もはや永遠にその時は訪れない。
13時33分。
遥かはる~か遠くに、戸入への道が見えていた。やはり生半可じゃないわ。あちこち脱線しながら目指せるほど甘くはなかった。
ふたつ目の橋が見えてきたが、その前に…ん?
これも先人の記事で見た分岐。そこには一台のナンバーなしバイク(カブ?)が無造作に停められていた。こう見えて廃車ではないかもしれないのが、この門入・戸入エリアである(笑)。
で、そのすぐ先、時刻は13時39分。
目指していた、ふたつ目の橋。場所コチラ。
けっこう立派な大きい橋だったが、
お名前もお誕生日もなかった。
「つまんねえ~・・・こんなもんのために時間切れの中やってきたんかよ…。」ってのが正直な感想だった。が、この立地であれば、確認すること自体が大事。来た甲斐はあった。
…と思わにゃあ、やってられない。
はるかな来し方、門入方面を振り返り。
さあ、戻らないと…
とか言いつつ、この期に及んでわたくし、まだ進んでたり(笑)。
いやいや、もうそんなには行ってない。
次の左カーブまで。
時刻は13時41分。ここが、この日到達した最奥地点。
場所はコチラ。
この奥に行く機会は、果たしてまたあるだろうか?
いや、少なくとも当分はいいかな(苦笑)。
最終回【14】に続く。