【5】より続く。
取水堰堤の扁額を見つけて満足したわたくし、取水側はこれで切り上げて、上部水槽から先の探索へと移行…する前に、忘れてはイカンものがある。
上部水槽のすぐ手前まで戻ってきたこの場所で、
手前の地中に埋まっているもの。そう、最初に見つけた陶管である。この陶管がどこから来ているのか。けっこう細そうな管やけど、これもまた取水管路なんだろうか?
まあ、行けばわかるさ。
この先、もしかしたらネット初?かも?
赤丸と青丸をつけたのがそれだ。ちなみに、中央左下が発見した陶管の割れ目である。
赤丸は関電杭だったが、もうひとつの青丸のほうは、
こういうもの。
見えている一文字は「界」だろうか?地上に出ている部分は15㎝もないくらいだったが、もしかして折損したものかもしれない。なんらかの境界標何だろうと思うが、他の面には文字は見られなかった。掘り起こせば何か刻まれていたのかもしれないが。
さて、謎の陶管追跡を開始した。
開始早々、崖を横切る部分になったのだが、そこで
完全に露出した陶管発見。
ここは破損もなく、とてもいい状態だった。もちろん本来は地中に埋設されていたもののはずだが。
この断崖パートの先に待っていたのが、
この遺構。
見たことは何度もあるが、どう呼ぶのかわからないやつ(笑)。あの穴はもちろん水管が接続されるところであり、本来地表に露出していてはだめな部分である。
わたくしの認識では点検口だと思っていたこの手のもの、
こんなサイズやしなあ(笑)。
猫くらいしか入れないわ、この大きさじゃ。
来た方向を振り返り。
なかなかの崖であることがおわかりいただけるかと。
本来は水管が埋設できるだけの土があったはずなので、もう少しなだらかだったはずだが、今では水管もろとも土砂が流されて、このコンクリ升だけが残されている。
が、ここから先はまだ管路は生きていた。
このように。
サイズ感がつたわりにくいが、管の直径は30cmあるかないかくらい。水力発電所素人のわたくしにはわからないのだが、こんな細い埋設管で取水することってよくあるのだろうか。先ほど見てきた導水路の本線に比べるとサイズが全然違う。まあ導水路をイチから開削するよりは、水管を埋設するほうが工程面、コスト面でもメリットは多いだろうが・・。
ここからしばらく、管路は地中に隠れたまま。淡々と斜面をトラバースすること3分。
行く手にまた、流されたような場所が見えてきた。
これはまた出てくるか?と目を凝らすと、
やっぱり出てきた。
そしてその先、一部流されたところでは…
写真手前、おそらくは先ほどと同じようなコンクリ升が転がっており、その向こう、写真上のほうにはぶった切れた陶管が見えている。
こういうのを見ると、そもそもこのような脆弱な埋設管では導水路維持が困難な地形だったと思うのだが、そこまでしてこっち方面からの取水が必要だったんだろうか、あんな立派な本線があるのに?なんか腑に落ちない。
そこからは、もうすぐだった。
気づけば、川のせせらぎはすぐそばに。そして二本の関電杭。
このあたりっぽいな、第二の取水地点。
【7】に続く。