【3】より続く。
隧道を抜けた先は、
水路が激しく損傷していた。
神山発電所が廃された直接的な理由は、昭和28年の水害で大きなダメージを受けたことだというが、もしかしたらここの崩落もその際のものだったりするのかもしれない。
振り返ってみる、導水路隧道の呑口側ポータル。
隅がちょっと欠損してしまってはいるが、やはり全体的には大きなほころびなく堅牢。洞内で感じたやっつけ感はない。
で、洞内からも見えていた次なる穴は、
隧道ではなく、開渠に蓋をした部分がそう見えていたのだった。
その蓋というのが、
石製だった。
てっきりコンクリ製だと思っていたので、これは嬉しい。てことは、竣工時からのオリジナルなんだろうか?
そこから、意味なく一枚。
意味はないけど、お気に入りだ(笑)。
石蓋部分を過ぎたところからの、隧道振り返り。
この一帯の荒れ具合、ちょっとは伝わるだろうか?
取水方向へ向き直ると、
水路はまた暗渠となり、徐々に所在がわかりにくくなっていく。そんなところで、下からの道(?)が合流。
ここでそれを降りてみたら、
神有川沿いの遊歩道にぶつかった。
まあ上からも見えていたし全然驚きはなかったのだが、文章だけで読んでると位置関係がわからんでしょうな~。
その遊歩道、またすぐに二手に。
これを左へと登っていけば、
すぐに現れる石積み。
そう、あっさりと先ほどの水路沿いに復帰できた。川との比高が小さくなってきた証だ。
このあたり、すっかり水路は暗渠となって、その姿を隠している。とはいえ、この足元にあることは、地形から考えて間違いない。
で、この合流地点のすぐ先で、
今度は左へ登り方向の分岐が現れる。
とりあえず、どう考えても水路はそっちじゃなさそうなので、後まわし。まずは水路を追跡だ。写真正面の道がなくなってるように見える方向に下っていく。
すると、視界が開けてきた。
そして、写真ではわからないだろうが、先にあるものが視認できた。これはそろそろ、隠れていた水路が顔を出す頃合い。
気をつけてチェックしながら下っていくと…
あー、あったあった。やっぱ出てきた。
この場所で暗渠から石蓋パートになっていたが、何らかの理由で石蓋は粉々に。やっぱこれも水害の爪痕か?
上の写真の矢印のとこからカメラを突っ込んでみると…
うむ、紛うことなき水路だ。でもすぐ先で崩落して閉塞してるっぽい。
せっかくの再登場だが、もはや原形を留めていない。そんな断末魔の水路を追っていくと、
あらわになってきた。
先ほど視認した、「先にあるもの」の姿が。
【5】に続く。