葛山発電所導水路 笠谷水管橋(仮) (岐阜県高山市奥飛騨温泉郷赤桶) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【隧道後篇】より続く。
 
 
最後の左コーナーから、いきなりコンクリ舗装に。
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この左コーナーを立ち上がると…
 
 
 
 
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おぉう!ステキー!!
 
チラ見えした際にたぶんそうだろうと思った通り、そこにあったのは、トラスドアーチの巨大な管橋だった。そして立地から考えて、おそらくは水管橋だろうと。
 
この登場は、事前に気づいていてもなおインパクトがあり、テンション上がった。
 
 
 
上の写真、ちょっと白飛び気味なので、翳った際のをもう一枚。
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コーフンしてアップで撮り忘れてるが、水管を保持している巨大な輪っか?は、剛結ではなくピン結合となっている。あまりマジマジとこういう管橋を観察したことがないので一般的なのかどうかはわからないが。
 
あと、おそらくは3ヶ所に、鉄管に登る梯子が設置されているようだ。で、中央にある梯子のてっぺんには、空気弁的なものか、なんらかの装置が付いているのがわかる。
 
 
笠谷の対岸の様子。
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うーむ、なんだか非常に萌えるんですが(笑)。
 
 
 
そしてこちら側では、
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林道の下にぶっ刺さっている。
 
この鉄管を乗り越えるために、林道自体が前後アップダウンとなっている。この事実は、林道よりも鉄管の方が後にできたってのは考えづらいな…とかつらつら考えた。
 
 
 
鉄管の直上は桟橋になっていて、
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進入できないように鉄柵が設置されていて…そこになにがしかの情報があれば…
 
 
 
という期待は叶えられた(笑)。
 
 
まずはこれ。
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構内はきけんですから立入りをお断りします。 
富山共同自家発電株式会社 
見座葛山発電事務所長
 
ビンゴ。やはりこれは、水力発電所関連の水管橋だった。ここに来るまでの国道沿いで、「見座発電所」の文字は見かけていたので、スッと理解できた。
 
で、恥ずかしながら富山共同自家発電株式会社という社名は初めて目にした。該社のHP(http://www.tk-jikahatsu.co.jp/index.html)を拝見すると、見座、葛山の両発電所による年間発電電力量は約3億kwhであり、そのすべてが北陸電力など四つの株主会社に、出資比率に応じて供給されているのだそう。は~…勉強になった。
 
また、同HPによると、両発電所の稼働開始は昭和29年1月~30年1月にかけて、ということなので、やはり笠谷林道の想定開削時期よりも3~4年先んじていた、ということになる。あるいは、この水管橋の工事用道路が、林道の前身である、ということかも。
 
 
もうひとつ、こちらの情報。
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用途が「水路口敷」となっているので、先の情報と併せ、水力発電所導水路の水管橋であることが確定できるかと。
 
 
この水路橋、県別マップルにはまったく記載がなかったのだが、さすがに帰ってから確認した地理院地図にはしっかりと描かれていた。それを確認すると、明らかに見座発電所ではなく葛山発電所の導水路だったので、この記事タイトルとしたが、最終的には見座発電所にも行ってるのかもだが。また、正式名称まではわからないので、仮称とした。
 
 
 
ここで、改めて場所を見ていただこう。
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水管橋は言わずもがななので、隧道位置だけを書き入れた。

 

理院地図のリンクも貼っておくのでぜひ確認を↓
 
右下方向が取水地である今見ダム、左方向が葛山、見座両発電所方向。よく見ると、この笠谷の上流でも取水していて、ちょうどこの近くの地中で今見ダムからの導水路と合流している。
 
 
で、これも帰ってからの推論だが、前回お見せした
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この封鎖された穴の痕跡。
 
これ、この合流部の工事に際しての作業用隧道の埋め戻し跡じゃないのかな~と。
 
この林道の出自が水管橋工事道路であるとしたら、より奥にある笠谷上流部から取水する導水路は、後からできたと推測。で、この埋め戻し位置って地形的に合流部に最短で到達できるところなので、ここからと取水位置からと、両方から掘り進めたのじゃないかな~と。
 
完全に推測ですので悪しからず。でもけっこうイイ線行ってんじゃないのかな~と(笑)。
 
 
 
いや~、しかし。絶妙に紅葉のピークを外してしまったようだが、
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それでも美しい!そしてカッコいい!
 
てか、上流側に歩廊があったのね、今気づいた(笑)。

 

 
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記憶にない付箋情報(笑)から連鎖して見つけた、この水管橋。素晴らしい出会いでありました。
 
 
最後に、水管橋~隧道にかけての戻りで動画を撮りましたので、よければどうぞ。
 
 
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以上、完結。
 
 
MEINDLさん、こんなんでした~。