今宵は、ちょっと変則な物件をご紹介。実は、けっこう有名な場所なんやけどね。
これなんすが、
どうでしょう。
…なに?これは橋なのか、ですと?
れっきとした橋だと思う。
だって、川を跨いでいるからには橋でしょう。親柱も欄干もあるしね。
明らかに古さを感じさせる意匠。
いい感じでしょう?
この川は人工の水路である高瀬川、これに沿う木屋町通りは数えきれないくらいに歩いているし、この橋もかねてから目にしまくっていたのだが、この写真を撮った2018年4月10日には、通りがかりにご覧のように誰も人がいなかったので、これはチャンス!と撮影した次第。
橋を正式なエントランスとするこの建物は、
元・立誠小学校校舎。1928年建造の、京都市内に現存する最古の鉄筋コンクリート造校舎である。部材の風合いや経年感から、この橋についても同時期の竣工であるはず。
1993年に小学校統合によって閉校となって以降、この旧校舎では様々なイベントが行われていて人の出入りが多く、また木屋町通り自体も四六時中観光客が行きかう。よって、この旧校舎前に全然人がいない状態なのは極めて稀なこと。なので、この日は大チャンスだったんであります。
しかし、おしゃれな高欄ですなあ。
昭和の物件だろうけど、大正浪漫の薫りも感じる。
で、左端に写る、校舎脇の碑。
それは…
高瀬川を開削した、角倉了以の顕影碑。
高瀬川の開削によって淀川からの水運を京の都のど真ん中で直接水揚げできるようになったことで、京都経済に大きな貢献を果たした。歴史の教科書にも…今はどうなんかな?わたくし学校で習ったけど(笑)。
校舎入口を挟んで反対側(下流側)には
「高瀬川の沿革」。
ちょっとでかい画像で貼るので、
皆様ぜひお勉強を(笑)。この界隈の橋のことも一目瞭然に。
この橋自体にはやはり名前はないようだ。
繰り返すが、これは、間違いなく、橋!(笑)
最後に、下流側より。
うむ、やっぱり橋だよ(笑)。
はい、今宵は土木ファンには気づかれなさそうな「知られざる」土木遺産?をお送りしました。
以上、完結。