2015年8月23日、前日から敢行した「HTK (Hyogo、Tottori、Kyoto) 彷徨」の2日目。
田君川橋梁を後にして36分後、時刻は16時24分。やってきたのは…
兵庫県道260号三尾浜坂線、
内陸と海辺の集落を隔てる峠を貫く、無骨なコンクリートトンネルである。
なかなかの雰囲気をまといつつあるそのトンネルは、
1982年の竣功。
30年経てば、まあこのくらいにはなるか…厳しい立地だしな。
だが、ここへ来たのはこのトンネルの記録だけが目的ではない。
まぁコレを見れば
一目瞭然だろうが。
みんな大好き、トンネル脇の分岐(笑)。そして実はもう見えとるのよ。
ここに旧隧道があることは、もう何年も前によとと師匠のサイトで見て知っていた。今回は絶好のチャンスということで、数年越しに訪問が叶った、とこういうわけで。
わかるかな?ど真ん中。
が、その前に、手前の広場?に石碑があるようだが…。
そこに刻まれていた文字は、
「御火乃浦に新しい道拓く 兵庫県知事 坂井時忠」。
香美町~新温泉町にかけての海岸・御火浦(みほのうら)は、断崖絶壁と幾多の洞門、柱状節理、岩礁から成る景勝地で、国の名勝及び天然記念物に指定されている。そこに新しい道ということは、当然現トンネルを中心とする新道が開通したことを指すのだろう。
石碑裏面には
「昭和五十七年九月八日
建立 三尾区
原石 株本建設工業株式会社」
年号的にもトンネル竣功と合致するし、トンネル工事を施工した会社の名前も登場している。
しかし…「原石」ってなんだろか。「貫通石」なら時々見るけど…。同じ意味か?だとしたら、「原石」って表現は見たことないなあ。
さて、いよいよ…旧隧道へ…
と思ったら、隧道手前の右側にも…なんか建ってる?
どれどれ…って、
林道開通記念?
そうか、旧隧道擁する旧道の出自は林道だったのか。最初から県道だったわけじゃないのね。
それを補足するかのように、側面には、
「昭和二十六年十一月竣功
濱坂町森林組合施工
石工 西●●造」
今では新温泉町となった旧浜坂町の森林組合が付けた道だった、と。
まだまともに紹介もしてないのにアレだが、旧隧道の竣功は昭和25年ということで、まあ符合するな。
ちなみに石工の名前は、単にくずし文字が読めなかった(笑)。
あー、隧道より前に引っかかりすぎやろ(笑)。
やっと見せられる(笑)。
この「顔」。
カワイイ?あるいはキモイ?
【2】に続く。