【現トンネル篇】より続く。
無事にノートさんの元に戻ってきた。が・・・
この先が気になった。
写真右手、このベルギーワッフルの切れたところが最初のアプローチだったわけだ。現道により切り崩された旧道の痕跡が、上の写真にも見られる。
前回最後の写真で見ると、こうだ。
旧道は赤線で示したように走っていたはず。
この場所で、いったん旧道と現道がほぼ同レベルに重なり合っているわけだが、旧道は地形に忠実にひとつひとつの山ひだを廻りこんでいくため、当然現道とはまた離れていくことになる。
ということはですよ?ということは?
アソコにもなんかあるんじゃねーか?
と思ったのですよ。
てか、当然あるでしょ!つうわけで、
路肩からまたしても斜面を這い上がってみれば・・・
アッター!!
状態はかなり悪い。ちょうど這い上がったところは、このように土留めの石積みが崩落してしまっていた。
ところでこの土留めは、これまで見られなかった谷積み。上に見えている乱積みに比べ、確か時代的には新しい積み方のはずだが、積み直されたのだろうか。
路盤上に上がれば、すぐに山ひだの折り返し、
つまり沢をまたぐカーブ地点。
ここにはひそかに期待していた。また例の水抜き暗渠が見られるのじゃないかと。だが、なんか、また・・・
違うモノが見えてるじゃないの!?
これまたお初のアーチカルバート登場!
さっそく調査だ!
つうわけで降りてみたが、
思いのほか切り立ってた(笑)。
もうちょっとだけ頑張って・・・
今日はこんなもんで勘弁しといたるわ!(笑)
うむ、非常にわかりやすいコンクリートのアーチカルバート。しかし、ここでも型枠痕がハッキリと観察できる。ってことはやはり場所打ち。この場で支保工を組んでカルバートを造ったってことになる。その後まわりに石を積んだ、と。
最初は「実は煉瓦物件だったりして!?」という期待があった。モルタルで補修されているパターンじゃないか、と。が、それは違った。
上流側から見ると、
路盤が流出して一部カルバートの上まで見えているが、完全にコンクリートだった。
コレは歩いてきた方向を見たもの。
どうもこのあたり、以前崩れてるのかなあ。
這い上がってきたところは谷積みだった土留め、このカルバート手前ではこれまでに見られたような乱積みに戻っている。で、カルバートはコンクリート、と。
短いこの区間だが、紆余曲折があったのかもしれない。
上の写真の正面にまっすぐ登って振り返ったのがコチラ。
まさに山ひだの折り返し点。
わずかな残りの旧道を行けば
すぐに端点が。ここで再度現道によって削り取られていた。
これですべて探索終了。探せばまだこのような断絶した旧廃道が残されているかもしれなかったが、とりあえずは満足。他に行きたいところもまだまだあるし、「唐尾シリーズ」はこれにて終了だ。
・・・とか考えながら、いささか気持ちが切れていたのは否めないな。
最後に自戒を込めて、あえて恥ずかしい話を暴露しておこう。
実はこの直後、アクシデントがあった。端的に言えば、ジャンプに失敗したのである。情けない話だが。
ショボ!ダッサ!って思ったでしょ(笑)。
旧道断絶点から現道に降りる際、いささか険しかったので飛び降りる方がマシかな~?と考え、ご覧のような感じで飛び降りた。高さ的には・・・ほんの2mくらいだっただろうか。
だが、ちょっと勢いが足りなかった。高さは2mでも、直下でなくてちょっと先に着地するので、ホントはもっと蹴り出す感じで跳ばないといけなかったのだが。
わかりにくいが、路肩には側溝があった。勢い足らずで跳んだわたくしは瞬間的に「ヤバイ!」と感じつつもなんとか側溝のへりに着地はしたが、体重は完全に後ろに残っている状態。そのまま独りバックドロップよろしく側溝にケツから突っ込み、背中を強打してしまった。カッコ悪!
かなりの「ショック」だった、あらゆる意味で(笑)。
反射的に、もがきつつも跳ね起きて側溝から抜け出した。そんなことができたってことは、深刻なダメージは回避できたってことなので、本当にラッキー!肺から空気が叩き出されて、むせかえる感じではあったけど。
2mあれば十分に死ねる。後頭部を痛打したり、背骨がイカレるような事態にならなかったのは、ラッキー以外の何物でもなかった。この時から優に1ヶ月以上、体の何か所かが痛かったが、そんな程度で済んだのは本当に良かった。
それにしても、ドンくさいがゆえに比較的慎重なわたくし、幸か不幸かこれまでこういうアクシデントには遭ったことがなかった。なのにこの日この時、特に深く考えもしない行動であわやの事態を招いたことがショックだった。同時に、加齢による身体能力の(さらなる・笑)衰えも意識した。全然イメージどおりに跳べてなかったし。
あー・・・ショック。
トボトボとノートさんに戻りかけ・・・何かを感じて現場に戻ってみれば、
ノートさんのキー落としてんじゃねぇか!
最低や・・・余計落ち込んだ(笑)。
そんな傷心状態(笑)でなんとか撮った、戻りの1枚。
正面左のベルギーワッフル切れ目。先ほどあそこからアタックした。
んで、愚かにもノートさんに戻ってから気づいた。
ズボンのサイドポケット破れとるやーん。
そりゃあキ―落ちるわ。ココに入れてたんやから。
でも・・・待てよ?ジャンプ失敗の拍子に破れたとは思えんよなあ。恐らくは探索中に枝だかトゲだかに引っかけて破れていたに違いない。で、落下の拍子にその穴からポロリした、と。
てことは。どことも知れない山中で落としててもおかしくなかったってこと!?
自業自得のショックな目に遭ったものの、全体的には大いなるラッキーによって護られた感が、後からこみ上げてきた、っていうね(笑)。
というわけで皆様、いつだって無事にオウチに帰るまでは安心召されるな!・・・という教訓の自爆(笑)でシメといたします。
ようやく完結。