【1】より続く。
やはり現れた、ガチ廃隧道。相当なオーラをまとっている。
それもそのはず、接近してみれば…
スゲー!煉瓦隧道だ!!
さて!需要があろうがなかろが、舐めるように見ていきますよ~(笑)。
まず隧道とともに強調しておきたいのが、この擁壁の美しさ。
城壁のごとく、ガッチリと堅牢に積まれている。木が生えたりしてるので強度が危ぶまれるが、それ以外にまったくほころびを感じない。苔むした感じも含め、まさに絶品だ。
そしてポータル。エエわー(笑)。
まず特筆すべきは、胸壁の煉瓦がフランス積みであること。多くの場合胸壁はイギリス積みが用いられることが多く、コレはけっこうなレアものだ。
構成として、まず触れたいのはピラスター(付け柱)。笠石、帯石と同じ石材で組まれた特徴的なものだが、これでは坑口を支えるという本来の用途は満たせない。よってあくまでポータル構成においての装飾、という位置づけ。また、帯石がピラスターよりも外側に抜けていないのも、ちょっと珍しいように思う。
いかにもマズイのはアーチ環。迫石に大きなズレが生じている。コレは非常によろしくない…。
が、もっとマズイのはですな…
迫受石がこの状態(瀧汗)
アーチ環を支えるべき部分に致命的な損傷が。危険だ、危険すぎるぞこいつは。
※かなりマニアックなことを書いたが、詳しくは「旧道倶楽部」さんHPの「隧道の構造に就て」を参照していただくと非常にわかりやすいと思う。リンク貼ろうかと思ったけど、いいのかどうかわからんもんで、各自でご覧くださいな。
それだけじゃない。さらには、
ぬわ!?なんじゃあこりゃぁあ!?
よくわからないだろうが、これ鉄板。アーチ頂上に補強か何か?で貼られていた鉄板が、なんだか計り知れない状態に(笑)。何によって吊られてんのコレ?致死性の罠か?そうなんか!?
よくわからないだろうが、これ鉄板。アーチ頂上に補強か何か?で貼られていた鉄板が、なんだか計り知れない状態に(笑)。何によって吊られてんのコレ?致死性の罠か?そうなんか!?
致死性といえばね…
アーチ部の煉瓦、抜けまくり~の
落ちまくり~の(瀧汗)
もうアカンです。イカンです。
このように、隧道のヘルスチェックは相当深刻な状態。土木学会の近代土木遺産リストにも名前はないようだし、穴水町の教育委員会もその存在を認知しているのかどうか定かではないけど、ちょっとどうにかしてほしいなあコレは。
少しだけ進入すると、ようやく煉瓦アーチは安定。
扁額がなく、また銘板も見当たらなかったので竣工年代も不明だが、煉瓦隧道である時点で古洞であることは確定。明治期~遅くても大正年間のものだろう。ご紹介したように、意匠も施された堂々たる隧道である。
ここはやっぱり然るべき筋に、土木遺産としてなんらかの保全をお願いしたいところだ。
いつでもどこでも、
この構図は間違いない…。
さて、いよいよ、入洞いたします。
【3】へ続く。