京都駅からたった200m!の廃墟訪問 | 穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
高倉跨線橋を後にして、本来の目的地へと向かった。
 
そこはもう15年以上前からずっと観察してる場所なのだが、それは電車内から。現地訪問は6年ぶりのことだった。
 
 
 
高倉跨線橋を北側へと降りて、すぐ東側の側道へと折り返す。
a9f91675.jpg
 
右側が高倉跨線橋ですよ、念のため。
 
 
 
 
年季の入った跨線橋の石積みを愛でながら進むと、
263d90a4.jpg
 
到着。
 
ドンツキにわだかまる、濃い緑。あれこそが目指す場所。ここのこと、ご存じの方はいらっしゃるかな?
 
 
 
 
接近してもう一枚。
0c92c3d9.jpg

地図のとおり、またタイトルどおり、ここはJR京都駅から最短直線距離でわずか200mという場所。世界一の観光都市の、そんな場所。
 
そんなとこにあってはならない雰囲気を醸し出すこの一角。一体どういう場所だとお思いかね?
 
 
 
それは―
d09440fa.jpg
 
神社…じゃないのか?
 
いや、今まで神社だと思ってたのだが、6年ぶりに訪ねてみると、
 
 
 
こんな掲示が。
0c2f69f0.jpg

いろいろと、衝撃的な内容である。めんどくさがらず読むように(笑)。
 
まず、寂蓮寺(通称)ってのが凄い。通称って…。正式な名前が伝わってないって、どういう状態なのか。しかもここ、京都ですよ?
 
そもそも明らかに鳥居があるのに、「寺」?まあそのあたりは後ほど触れるとして、先ほどの地図の縮尺を最大にしていただくと、「正一位西覚大明神」とある。やっぱり神社。ちなみに「正一位」とはお稲荷さんのことらしい…。
 
そしてなんといっても「倒壊」ですよ。
 
平成も間もなく終わり、新時代への扉を開いていこうというこの現代において、荒れ寺」ですよ。
 
しつこいけどここ、京都ですよ?
 
 
 
一見して、荒れた雰囲気。
74eed55b.jpg

正面に回ってみる。
 
 
 
 
鳥居には扁額がない(失われた?)けど、
e5f641be.jpg

これが「正一位西覚大明神」なんだろう。
 
 
 
 
鳥居に刻まれていた建立年は
7e6b5cf7.jpg

大正十三年十月。
 
 
 
88cdfc23.jpg
 
 
 
 
正面のお社?には…

7b82e33a.jpg
 
 
おお、やはりキツネ様!確かに「正一位」はお稲荷さんのことみたいだ
 
 
 
 
お社の中もまた、
3b849967.jpg
 
荒れ果てた雰囲気。
 
守る人が絶えて久しいのだろうか…。古典的お化けのなれの果てみたいな破れ提灯(の残骸)がエグイ。
 
 
 
その横には…
c9a294d2.jpg
 
なんだろう、六地蔵?
 
これまた、お世話する人がいない?
 
 
 
 
そして、
0fcf7e16.jpg

そのさらに隣りは…
 
 
 
あわわわ…。正確に言えば、まさに1f617594.jpg
 
老朽化による崩落」。
コッチが例の寂蓮寺(通称)なんだろう。しかし、こいつは非道い。
 
 
この崩落にはもう数年前に気づいていた。それまでは、ちゃんと屋根があったのだ。
 
少しアングルは違うが、これは前回訪問した2012年5月4日の写真。
f008cba8.jpg

まあ、すでにもう虫の息だったけれども(笑)。
 
それでも、まだなんとか自立していたのだったが…。いつだったかな、崩落に気づいたのは。
 
 
 
今では、
87d49c1d.jpg

あ~、無惨…。
 
廃村にある寺社でももうちょっとキレイに手入れされてるわ、と思えるほどの、この惨状。
 
 
 
事情は不明だが、
a92ce882.jpg

守り人が絶えて久しいようだ。なんともやるせない…
 
 
ガサガサっと音がしたのでビクッとした。
60b93f5c.jpg

よく見ると…あ!
 
 
 
ニャーだった。
 
c9c41c47.jpg

5匹ほどもいたと思う。野良かな?それとも家猫かな?
 
 
 
 
先ほどの掲示にあったとおり、
285303fd.jpg

これどう見ても再建は無理だろう。
 
「相続人」なる人物がどういう方なのかは不明だが、一個人なのであれば、私財を投じるなんてのは当然厳しいだろうし。お地蔵様を壬生寺に遷す「準備をさせていただく」というあの掲示が昨年の7月付け。今はどういう状態なんだろう。
 
いずれにせよ、「雨月物語」や「怪談」にでも登場しそうなこの荒れ寺は、お地蔵様が引っ越しされてこのまま朽ちて行くようだ…。
 
 
寂蓮寺(通称)のとなりは、
8920cea6.jpg
 
 
物置的な小屋があって、
 
 
 
さらにそのとなりは、
a1a069b1.jpg
 
 
塀の向こうがもうJRの線路敷き。
 
この雰囲気…やっぱ京都駅から200mの場所にあってはならないものだ(笑)。
 
まあ観光客は誰ひとり気づきもしないだろうが…。
 
 
 
最後に、少し引きで。
7e7c1b50.jpg
 
 
写真左側、高倉跨線橋とその下をくぐるJR貨物がわかるだろうか。
 
今やここは毎日電車で通過するようになった。日々の観察を続け、変化があったらまた訪ねることとしよう。
 
 
 
以上、異色な記事、完結。