【前篇】より続く。
ついに眼前に現れた、巨大廃橋(正式名不詳につき、便宜上ニコイ滝見橋としておく)。うおお…ただ事でない威圧感を周囲に放射しているではないか…。
…もう少し、近づいてみようか…。
上路のアーチだ。金属製のようだが、微塵も安心感を感じないこの心細さはなんなんだろう(爆)。
一因は、一見してわかるこの高さだ。よくぞまあこんなところに架けたものよ…。目もくらむような断崖絶壁から短い桁を1スパン、そこから巨大アーチで虚空を横断、しかも途中で屈曲しているのが見て取れる。そして画像では見えないが、正面の断崖の上から(!)ニコイの滝が轟々と落ちている。
これはある意味究極のロケーション。
そして、この色。この赤褐色は、塗装ではない。遺棄されたこの橋はとうに保守の手を離れている。30数年間の風雪が、かつて白かったという華奢な鉄アーチを赤錆びた骸骨へと変貌させたのである。
コイツは、怖いぞ…。この時点で、そう確信した。覚悟して、進む。
どき、どき。
幸い、橋上に穴が開いているような状態ではなかった…、が、信用はできない。枯れ葉の下にトラップが隠れていないと、誰が言える?…てか、のっけから欄干ねぇじゃねぇか(汗)。
まあ、引き返す気など毛頭ないわけで…。じゃあ、逝ってみるか。
廃感、充満。
ただ、路面はまだしっかりしていることがわかり、ちょびっとだけ安心。こんなアングルであれば恐怖感もない…だけど。
振り返り。
画像左側、この高度感はどうよ!?こんだけ高い橋、そうそうないだろう。しかも廃橋って。
…そう、廃橋なんだよコレが。このあたりから、気になり始めた…。
あることが気になりつつも、さらに進むと、いよいよ…
近すぎて、そして高すぎて、滝の全貌が全然わからんぞ(汗)。
…いや、それより大事なことがある。
さっきから気になってるコレ、滝のせいじゃない…間違いなく
揺 れ て る ぅー
あかーーん!!これアカンやつやんかー!この規模の鉄橋で揺れるとか、
絶対あったらアカンでしょーー… このあたりで、けっこうすり足気味になる(爆)。
シカーモ。
滝の落差120mとして、さっき見上げた位置から考えると、この橋…
高さ100mくらいあるんちゃうん!?
サラーニ。
欄干ベッコシ!!
ひいいぃい。怖い。普通に怖い。
だが、ようやく見えてきた、橋の果てが。
しかしそれは、新たなる戦慄の始まり。ニコイの臓腑の只中へのとば口。
続く…。