【西側旧廃道篇】より続く。
グリーンヘルの亡者となった
3.9mの高さ制限標識。
それに導かれるように現れた、
旧・榎隧道、西側坑口。
直前の道の雰囲気そのままに(そして入口の看板が示していた通り)、こりゃあ廃ですな。それなりに雰囲気ある。内部は…物置になってんのかな?
矢板が立てられてポータル左側を隠してしまっているが、
それでも気づかないわけがない
石造ポータル!
小ぶりな切石が、布積みでキッチリ組まれている。特に綻びは見られずいい状態に思えたが、一ヶ所だけ抜けてるのはなんなんだ?水抜き?
ここでわたくし、気づいてしまった。
矢板の陰に…
チラリズム~!いやぁこれはエロい(笑)。
もちろん、看過できまへんので…
矢板の裏へと、ぬるっとね。
小さく刻まれた建造年は「昭和丗四年十月竣功」。「丗」の字も地味にレアやけどね。「参拾」の五倍くらいは(笑)。
でもそれよりやっぱり「雪覆」。こんな表記の銘板は、初めて見た。
よっこいしょっと…
他にも見つけちゃったし!順に見ていこう。
ちなみに、こちらにも一ヶ所切石の抜けがあるが、位置的に反対側と対称と思われるので、やっぱり水抜きじゃないかと。
で、まず最初に見つけたやつ。
流麗な字体をしばし見つめて…判読。これって、
「榎雪覆」よね?
これは非常に興味深い。「雪覆」とは、すなわちスノーシェッド。つまりこの銘板は、これが隧道ではなくスノーシェッドだとしているのだった。実際のところ、(後で写真を出すが)洞内の様子も隧道というよりはシェッドという表現のほうがしっくりくるものだった。
で、下の方にも銘板があるのに気づいたのだが、そこには
「施工 中山土建KK」。
ちょっと調べてみたけど、現在も営業されてるのかはわからなかった。
というわけで、ポータル対面時には「榎隧道」と書いたが、「雪覆」銘板を見つけた限りは、それに従ってタイトルも書庫も変更(笑)。
で、この矢板の裏に入り込んで改めて気づいたのだが
ポータルからアーチが突出してますな。
これもちょっと珍しい。何気にこの隧道…じゃなくって覆道、クセが凄いやんか~(笑)。
そもそもの話、
洞内から振り返り。
石ポータルを備えたシェッドなんか知らんぞわしゃあ!
で、その洞内がコチラ。
完全にシェッドですわ。
よく雪国のトンネルの前後にこういうのが付いてるが、そのまんま反対側まで抜けている。
この時にはまだ気付いてなかったのだが、さらにもう一点、この物件の「クセの強さ」があった。まあそれは後篇にて…(謎)。
こうして見ると、隧道にしか見えないな。
しかしまあ…
この微妙な幅員、しかも中央にサミットがあっての見通しの悪さ。
コイツは現役時代、「名うてのワル」(謎)だったに違いない。大型車のドライバーとか、イヤやったでしょうなあ…。これは新トンネル掘るわ、確かに。
さすがに照明はちゃんと付いてるけど。