2017年5月4日、深遠なる紀伊半島彷徨の初日。朝に訪ねた北山トンネルから6時間20分後。
それは、酷道425号線で奈良県十津川村から牛廻越で和歌山県田辺市(旧・龍神村)へ入ってさらに35分ほど走ったあたり。
今宵のお題は、県境を越えて初めて見つけた・・・
なんだ(笑)?
わかりますかね?そう、みんな大好き、
吊り橋でございます。
牛廻越から降りてくると、このデカイ岩の陰に隠れた位置になる。酷道との格闘で疲れ果ててたら、見落とす可能性もあったな(笑)。
幸い(いや、この道にしてはマジで)ちょっと先に何とか駐車できるスペースがあったので、ノートさんを置いて戻ってきた次第。
接近するまでもなくわかったけど、
主塔がない、吊床版タイプだった。
ここまでに酷道425号の十津川側でも何本かの吊り橋を発見、チェックしてきた。それらはいずれも渡橋がためらわれる状態だったのだが・・・。
コイツは果たして・・・?
うーーーん。
イケる。コレならイケます。
え?そうは見えない?(笑)
いや、一見して確信しましたよ、コレは渡れると。理由は後ほど。
即刻渡りはじめての、振り返り。
酷道からのこの秘密めいたアプローチがまたよろしい。好き。
橋上から眺める上流側。
川の名は、小又川。ここらの地名もまた同じ。
コチラ下流側。
人跡も稀な、深遠なる紀伊山地の只中からの水だけに、まさに清流であります。
さて・・・。
なぜわたくしが確信をもってこの橋が渡れると思ったか?
写真に、その根拠がしっかり写っております。
張られている番線が、真新しい。
元あったサビサビの番線に加えて、全面的に真新しいものが頼もしく張られている!
しかも、
主索(メインケーブル)もしっかりと交換済み。
結局吊り橋ってのは、主索や番線がしっかりしてればまず落橋の心配はないわけで。
ココの場合、床版が貧弱であるとはいえ、下に横板が敷かれているところを踏んでる限り、踏み抜く可能性も限りなくゼロ。つまりは、安全。
でしょ?(笑)
以前この記事で書いたように、やはりわたくし高所恐怖症とかグレーチングが怖いとかいう問題でなく、あの「底知れない水」の感じが怖いんだ、ということを再認識した次第。だってここは、すっかりリラックスして渡れたもんね。まあ、この高さだから、ってのももちろんあるけど。
そんな、自己再発見がございました(笑)。
まもなく対岸。
長さ自体は、30mほどだったかな。
渡りきって、番線を改めて観察。すると・・・
いくつか、取り付け方の異なる番線があった。
取り付け部が腐食してるものもあったのか、鉄製横材に直掛けしている。コレを見て、さらに安心感は強まった。
興味深い、実に興味深いよ吊り橋ってヤツは。
渡りきった先は、即刻急な坂に。
そこからの見下ろし。
この吊り橋、地理院地図にも載っているのだが、渡った先の道が全く描かれていない。けどこうして新しい保守の形跡があるからには、山仕事か何かの作業道としてしっかり使われているのだろう。
戻りに、動画を録りました。
リラックスして渡る様子をご覧ください(笑)。けど、同じくらいご覧いただきたいのは、
動画の終わり、渡ってからの酷道425号線の佇まい、なのであります。
「酷道の王」の放つオーラを、少しでも感じていただきたく。
以上、完結。