花脊大布施の石アーチ橋 (廃) 【前篇】 (京都市左京区花脊大布施町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
頂戴したメールの文中にサラリと書かれた文字。拙ブログのお客様である龍頭さんからいただいた、それは驚愕の情報だった。
 
思わず椅子から転げ落ちそうになった…とか言いたいほどの衝撃(笑)。「花脊って左京区の山奥の花脊ですよね?」と確認せずにはいられなかった。なんでそんなに衝撃だったかと言えば…。
 
 
京都市左京区花脊(はなせ)。左京区育ちのわたくしにとっては慣れ親しんだ地名。
 
 
京都の市街地から北に20km近く、文字通りの「山奥」だ。このあたりはわたくしが原チャリ免許しかないころから走りまくっていた、勝手知ったる地。道沿いの光景も知り尽くし…ていたつもりだった。
 
 
そんなとこにアレが?
 
 
しかもさらにいただいた情報によれば、そいつは国道477号線のすぐ脇に存在するという。そ…そんな…バナナ…。何回通ってると思ってんのこの道?
 
 
いてもたってもいられず、ちょうど実家に用事があった2016年4月17日、早朝に出立して現地調査に向かった。好天続きの中でピンポイントに荒れ模様となったこの日…久々に我が荒天伝説が蠢いたか?(笑)
 
 
 
 
というわけで、朝の百井別れなど楽しんだあと、
 
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7時31分、現場へ到着。場所はコチラ青看の示すとおり、この道が国道477号線。写真右奥からやってきた。
 
ちなみに完全黙殺されている正面の道。これこそが、この記事で取り上げている未成道の終端部分であります。未探索なので行きたかったが、天気も悪いので割愛。
 
 
 
 
さあ、すでに心拍数が上がっているわたくし、まずは
 
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目前の橋をチェック。
 
 
 
 
 
お名前は、
 
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京路橋(きょうじはし)。いい名前だ。
 
ほかの親柱情報によると昭和三十四年十二月竣工とのこと。ってことは…すでに一線を退いて優に55年は経過してるってことか!
 
 
え?何がって、
 
 
 
2枚前の写真時点から、もう見えてんのよ。
 
 
 
 
 
龍頭さんからいただいた驚愕の文字情報、それは
 
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「花脊の」
「石造りのアーチ橋」。
 
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マジでありやがった!
 
いや、龍頭さんを信用してなかったって意味じゃなくて(笑)。
 
 
いや~衝撃だった。繰り返すけど、今まで何回通ったことかこの道を。最近でこそご無沙汰してたけど、この趣味にハマってからも何度かは通ってるはず。いかに慣れってのが怖いか…。
 
しかも。しかもだ。
 
 
石アーチ橋ときたもんだ。
 
神社仏閣系を除けば、関西圏ではただでさえ数の少ない石アーチ橋だが、京都市内では上京区や伏見区に明治期の石アーチ橋が点在してはいる。しかしまさかこんな意外な場所に、(わたくし的に)未知の物件が存在したとは!
 
 
 
ねえ、この趣味やってて、
 
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コレ見落とします!?
 
どんだけフシアナなのよ、我が両の眼よ!
 
 
 
 
何年にもわたって見逃してきたのが悔しいほどに、
 
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この橋、相当イイ。想像してたよりも、遥かに。
 
これだけのスパンの石アーチ、堀川あたりの物件と比べてもそうヒケを取らない。こんなにも立派な石橋だとは!
 
 
 
 
橋上では
 
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こんなにデカイ木が育っちゃってるって、どういうこと?
 
先ほど「一線を退いて優に55年は…」とか書いたけど、この木の樹齢、どのくらいなんだろうか。もっと早くに廃されてたりして?
 
それにしても、このスパンドレルの石積み、最高ですなあ…。
 
 
 
もちろん、
 
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渡ってみた。
 
取り付き部に近い欄干は(原因は不明だが)無残に壊れている。親柱的な…というか、欄干の端部のいかにも名称など刻まれてそうなところを探したが、あいにく情報は得られなかった。
 
 
 
苔むした欄干は
 
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鉄筋コンクリート。
 
コレがオリジナルならば、大正~昭和初期ごろの建造か?けど、以前に千葉県で明治45年の鉄筋コンクリート欄干を持つ橋を見たことがある。まさかの明治橋梁の可能性も完全には排除はできない。
 
 
 
国道側は
 
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盛土されていた。
 
おそらくは人為的なものかと。
 
 
 
 
京都市街地側から来ると、
 
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間違って突っ込む可能性が(かつては)あったのだろう。今、これだけ現道がきれいに整備されていればそんなことは起こらないだろうけど。
 
もちろん、写真右端が旧橋。コレって…旧・京路橋って名称でいいのかなあ…。迷ったけど、記事タイトルへの採用は見送った。
 
 
 
あ~、上からは十分に堪能した。
 
 
 
こっからですよ、橋の鑑賞ってのは!
 
 
 
【後篇】に続く。