【前篇】より続く。
地上からはじゅうぶんに鑑賞した。あとは…当然、下から。
当日はあいにくの天気。状況によっては下に降りるのは危険…と龍頭さんからもアドバイスをいただいていたが、幸い水流はさほど激しくない。
降りる時が滑りやすくて注意を要したが、なんとか川床へ。
川の名は別所川。こちらは上流側。
そして…下流側…
ひょおおお
おおおおお!!!
下から見たら、さらに素晴らしいじゃねぇか!!
まずはコチラ、
切石を積み上げた堅牢な基壇、クサビ型の石を起拱部に配したアーチ環、輪石のひとつひとつも、ほころびなくガッチリと健全な状態を保っている。
壁石も空積みにもかかわらず、しかも木の根が張ったりしてるにもかかわらず、ほぼ完璧な状態。
基壇部は
天然の岩を抱き込んだユニークなもの。対岸の基壇部もしかりだった。
とにかく、熟成の進んだ橋上の様子からは想像もつかないほどに、
橋の状態は超絶良好!
探した限りでは文字情報の刻まれた石材などは発見できなかったが、現状のこの健全っぷりを鑑みるに、これは相当腕のいい石工によって緻密に施工されているように思えた。間違っても素人仕事ではあり得ない。
それにしてもこのスパン(径間長)、
関西圏の石アーチ道路橋梁でここまでのものって珍しいのではないだろうか?(いかがでしょうか師匠?)
わたくしの経験値では、亀岡市の王子橋(コレは九州以外では最大スパンらしいからダントツだが)に次ぐほどのスケールじゃないかと思える。堀川第二橋(京都市上京区)よりは…大きいよな多分。水路を含めると大津市の大鳥居発電所導水路の水路橋(どれも記事にしてない…泣)なんてのもあるけど…。
なんにせよ、ここまでのスケールの石アーチ橋が、ほとんど無名の存在のままひっそりとこの地に在ったことが、まるで奇跡のような気がした。
もう、これとかね…
言葉を失うほど、美しい…。
コレは下流側より。
そのまま視線を左へ。
アーチ頂部。
要石の有無は視認できなかったが、おそらくは無し。
対岸には
水深が深すぎて近づけなかった。
あ、もちろん長靴は履いてますよ。
改めて、下流側、現橋の下から。
もう、言葉はいらないね…。
そぼ降る雨の中、およそ1時間。
ゆっくりと向き合って、鑑賞させていただきました。
わたくし幸せ(笑)。いや、感動した。
最後に改めて。
龍頭さん、とっておきの素晴らしい情報を教えていただき、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
以上、完結。