【2】より続く。
玉川第二隧道を抜けた先には、
海を望む神殿の回廊めいた、壮大なロックシェッドが続いていた。
凄い。この言葉しか思いつかなかった。いや、このロックシェッドもそうなのだけど…
隧道を振り返り。
ロックシェッド・隧道・ロックシェッドと続くこの流れ。そして何が凄いって、
上、だ。
見上げれば、
うはーー!ゴツイ!!
隧道とロックシェッドの間の20mほどだけ、金属製のロックシェッド(これが元からあったもので、この先の長いやつは後付けだろう)があって、その取り付け部がめちゃめちゃ萌える。
天井を支える梁はヒンジ止め。剛結じゃない方が耐久性が高いのだろうか。
ここもまた路外に出られるようになっていて
夏の日本海を独り占め!
…と思ってたら、急に誰かに声をかけられてめっちゃビビった。見れば数メートル下、岩場を降りたところにいた釣り人のおっさんに話しかけられたのだが、うわー全く気づいてなかった。恥ずかしい歌とか歌ってなくてよかった~。
けっこう独りだと大声で歌ってたり独りごと言ってたりすんのよね(爆)。
そこから見る、
「旧」ロックシェッド。マッシヴ~。
そして…
「海の回廊」。
ここまでしても、この道を守ることはできなかった。悲しいことに。
…改めて、
「回廊」を往くとする。
このシェッドもまた全く問題はなさそうに見えるが、波に打ち上げられたと思しきゴミが溜まった路面は、紛うことなき廃の証し。
直線と曲線の織りなす、超現実の世界。
このわずかなS字がたまらない。
「回廊」の終わりが見えた。
少しの明かり区間(久しぶり)を挟んで、さらに短いシェッドが見える。
が、あの明かり区間、何かありそうだった。
抜けて、振り返り。
もはや通る者もない道路を健気に守り続ける、堅牢なロックシェッド。
いや、たまには通る者もいる。このわたくしのように。そして…他の誰かも。いや、そう思える光景を後で見ることになったので。
ところで、お気づきだろうか?
シェッド横に掲示された、青い標識。
「玉川洞窟観音」。
全く知らずに来たが、これは惹かれる響き。この近くにあるようだ。ってか、この狭い明かり区間、それらしき場所はすでに目に入っていたのだが。
左へと視線を移していくと、
…むむ?
第二幕終了、そして第三幕開幕、か?
【4】に続く。