前回記事のラストで、「草津川橋のことはまた別の機会で」と書いたものの、やはりこの流れでやってしまうのが美しいだろう、と思い直した。今の姿もいつまで在るかわからないしね。
※ちなみに、同名の橋がもう一本、下流の県道26号にも存在している。これもなかなか好ましいので、いつか記事にするかも。
流路変更で2002(平成14)年に廃川となった、草津川下流域。そこに架かっていた橋たちは、跡地整備に伴い一部は撤去されたものの、まだ架かっているものもある。
そんな中でこの草津川橋は、前回ご紹介した草津川隧道の至近に位置していたため、同時に撤去されたものだと思い込んでいたのだが、
現存を確認!
前回も出した写真だが、改めて見ると凄いな。川床の高さが、完全に周囲の家々よりも高いし、大築堤を含めたその堂々たる川幅ときたら!
![9b1588dc.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20190331/13/quicknick/29/7e/j/o0560031514382042650.jpg?caw=800)
コレが、我が国最大(たぶん)の天井川のリアルな断面ってことなのよね。極めて興味深い。
2014年7月13日訪問時の写真。
この撮影位置は、今は国道1号上の中空にあたる(笑)。
ハイッ!というわけで、さっそく
まわって参りました。懐かしい~。
ここは橋の下流(西)側。もちろんかつては川床だった場所で、近年に付けられた道路だ。この背後には、整備された跡地公園が広がっている。
かつては橋との好ましいマッチングを見せていた、
![9b1588dc.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20190331/13/quicknick/29/7e/j/o0560031514382042650.jpg?caw=800)
草津宿入口の火袋付石造道標。
いまは堤防も削り取られ、なんか気恥かしそう…。
橋のたもとで、下流(西)を望む。
親柱には「草津川」。
倒れた標識が物悲しい。向こうに見えるのが跡地公園。
コチラ上流(東)側。
冒頭の写真の、ちょうど対角線上から、というとわかりやすいかな?
そして親柱には「草津川橋」。
そして南側から、正対。
うーん、橋そのものは至って元気(笑)やな~。
そして、こんなことでもなけりゃ特段気にも留めないであろう橋、とも言える。…まあわたくしは別としてね(笑)。
これは初訪問時、2009年8月23日の写真。
堤防側の無情な通行止めガード以外は、全然橋そのもののたたずまいは変化していない
しかし、橋上からの眺めは、想像を絶する変化を見せていた。
まずは2018年2月現在の、上流(東)側。
前回記事の場所だ。
対して、2014年7月の同方向。
とてもとても!同じ場所だとわかる人は皆無だろう。
そして2018年2月の下流(西)側。
スッキリした感じ。
対して、2014年7月の同方向。
うは(笑)。
そう、かつては下流側に並行してガス管?用の橋梁が架かっていた。そっちはキレイに撤去されてしまっている。あとは、堤防上にあった高野地蔵尊が跡地公園脇に移築されてお堂が新しくなっていた。
こうした記録って、やっぱ残しておくもんですなあ。ゆくゆくは貴重な記録になっていくんだろう。たまたまここは地元だけど、他のどこについてもそれは同じ。
渡ってからの、サイドアングル。
ほんと、不思議なほどに橋自体には現役感あるなあ…。
かつてはこの位置に立っていた、
草津川 6.2kの表示。
堤防をジョギングするランナーのためか、100mおきに設置された河口からの距離を示す表示である。
今は、
こんなとこで、ぶっ倒れておりました…。
ちなみに親柱の竣功年表記は、文字の一部が失われて「●拾●年参月竣工」という残念な状態になっているが、
これは初訪問時からすでにそうだった。
なにげに疑惑を呼ぶのよね~コイツ(笑)。文字の間隔からして、もしかして昭和十年代なのか?そこまで古く見えないけど…。
その反対側の親柱は、
「くさつがわはし」。
先述のように、現役時は
ここにガス管用の橋が架かっていた。
さてと…
しばし休憩(笑)。
一線を退いた橋でないとできない楽しみ方を、ね。下から丸見えやけど、気にスンナ(爆)。
最後はやっぱり…
下よね~(笑)。
現役時には降りられなかった直下にも、いともたやすく。
実に不条理なその姿。
なんか、抽象画の世界みたい。
間近で見る橋脚は、
意外とゴツく、そして鉄筋の露出など傷みが見て取れた。長年のお勤め、ご苦労様でした。
この橋が今どういう状態なのかは、わからない。何かの目的があって残されているのか、撤去を待つだけの日々なのか。
(想像もつかないが)なんらかの形で再利用されるのであれば嬉しいが、まあ望み薄だろうな。予算の関係で撤去が先延ばしされてるだけの可能性が高いかと思う。
新年度となる今年4月以降は、いよいよ危ういんじゃないだろうか。この状態の橋と天井川の痕跡・断面を見られるのは残り僅か…かも。これまた興味のある方は、可及的速やかな訪問をお勧めする次第。
以上、完結。