コレはヴィンテージものである。 | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
 
2013年3月26日に見つけた、(個人的には)驚愕の逸品。まあ、廃車ではないけどね、厳密には。けど、手前味噌やけど、コレはなかなか凄いものじゃないかと思う。
 
 
 
 
 
 
 
ご覧ください。
 
 
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どうでしょう。すごくないですか?
 
 
実はコレ、看板に見えるけど農機具。背面にこのようにデカでかと商品名が掲げられている。ミノル式親玉…最後の文字はなんや?思わず調べてみた結果、想像を超える感動がわたくしを包んだ(笑)。
 
 
 
コレは、ミノル式親玉号(あの漢字は「號」だったようで)。製作は、書かれているように細王舎なる会社。なんと「神奈川生田村」ときたもんだ。ウィキ先生に聞いてみると…「1889年(明治22年)4月1日から1938年昭和13年)10月1日まで存在した神奈川県橘樹郡の村。」。せ、戦前!?しかもさらに調べてみると、このミノル式親玉号、発売はなんと大正元年(!!)。謳われているとおり、稲扱き機でありました。
 
 
 
創業者・箕輪政次郎は多くの画期的な農機具の発明により、時の日本発明協会会長・渋沢子爵から表彰を受けたほど。その後を継いだせがれ、箕輪亥作がオヤジから学んだノウハウにさらなる研究を加え、満を持して発売したのがこの「ミノル式稲麦扱機親玉号」(が正式名らしい)。この機種が我が国の近代的農機具の先駆け的な名機だったみたいで、最上部に誇らしげに書かれているとおり、様々な博覧会や共進会で最高賞を独占!
 
 
 
コレの爆発的ヒットにより細王舎は全国にその名を轟かせ、「神奈川縣 細王舎」だけで同社への郵便が届いた、というような逸話もあったようで、さぞかし隆盛を極めたのでしょうなぁ…。
 
 
 
にしても今では聞かない名前、廃業されたのかと思いきや、昭和35年に小松製作所(KOMATSU)の傘下に入り、その後グループ内統廃合などの紆余曲折を経て、現在ではハスクバーナ・ゼノア(株)となって、刈払い機やチェーンソー、ブロワーなどの大手としてその名を知られている…らしい(笑)。いや、わたくしはからっきしやけど、拙ブログの読者様の中には、同社製品ユーザーもいらっしゃるのではなかろーか?
 
 
 
…という、ごくかいつまんで振り返っただけでも、なんか骨太な小説が書けそうな、胸が熱くなる感じ。…あら?わたくしだけ?(笑)
 
 
 
 
 
 
よってこの機械、まさか発売初年のものではないにしろ、相当な年季の入ったヴィンテージものであることは、疑いの余地がない。当時それだけ全国津々浦々で愛用されたのだから、よく探せば今でもあちこちにあるのかもしれない。でも、少なくともわたくしは初めて見たし、何気なく調べてみて思わずなんか感動してしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
すいません、アホみたいな文章で(笑)。
 
 
コレがあったのは、古い農家の軒先、道に面して無造作に置いてあった。この近辺には他にも(コレには及ばないものの)時代がかった看板がたくさん現存し、まるでタイムスリップしたかのような感覚を覚える。場所は栗東市某所。一般のお宅なので地図は載せませんが、知りたければそっと尋ねてください(謎)。
 
 
 いじょー。