【1】より続く。今回、同じような写真で執拗にお届けします(笑)。
圧巻のオーバーハングに気を取られ、
最初は気づかなかった、不覚にも。
見事な横向きの柱状節理を見上げ気味に歩いていたからだが、
間違いない…
行く手に見えるは…「隧道」だ。
隧道?あぁ隧道だとも(笑)。
強烈に短いこの…隧道?そう、確かに隧道なのだ、コレは。
その証拠に、我々隧道愛好者のバイブル、「平成16年度全国道路施設現況調査」(通称・トンネルリスト)においても、キッチリと明記されているのである。
「シラハマヒサギセン」という路線名が記されているので、やはりこの細道は県道指定されているのだと知れる。名称は「ムメイズイドウ」。名称不明なのだった。で、そこに示されたスペックは…
延長2m、幅員1.2m、有効高1.6m。
全国的に、延長10m以下の短小隧道は散見される。が、ここまで短いものはない。少なくとも上記の「トンネルリスト」には、これより短い隧道は存在しなかった(全部見た・笑)。
ああ、知ってるともさ、千葉県南房総市にあるこの隧道のことは。
奇しくも同日に連載が始まったのも何かの縁、ガッツリ乗っかってやる(爆)
コレがおそらく日本最短ではあるだろう。しかしこれは公道ではない(?)せいか、トンネルリストには載っていない上に、申し訳ないがどうにも「隧道」の体裁をなしているとは言い難い。その点コチラは、短いながらも「隧道」なのだよね。
そして忘れてはならないのは、コイツが「県道の現役隧道」であること。道路趣味的には、なんつってもコレがポイント高い!!
ここまでの写真では伝わりにくいのだが、
「隧道」をなすのは、この「柱」。その外側は、日置川の断崖である。
かつては、この柱状節理の断崖から張り出した薄い壁のようだったであろうこの岩。それをぶち抜いた姿が、この隧道に他ならない。
先述の「トンネルリスト」に掲載されたスペックで特筆すべきは、延長だけではない。
その建造年、なんと明治8年。
これもまた、驚愕の古さである。明治初期の建造ということは、やはりこの道はかつての荷馬車道。自動車交通が到来する前の、いにしえの道だったのだ。
ちなみに、建設年がハッキリしている交通用隧道としては、現在でも自分史上もっとも古い隧道となっている。
予告篇で使ったこの写真、今ならわかってもらえるだろうか。
そう、これは「洞内で側壁を見たところ」に相当するもの(笑)。
路外の日置川が見えるように写すとこんなに真っ暗に写っちゃうのだが、
「側壁」に合わせると
こんな感じ。まさに「柱」。
ここを知ったのは、穴の師匠であるよとと氏のサイトで見たレポ。その衝撃的な姿に、ぜひ拝みに行きたいと願っていたのが、この日叶った。
ほらね?この感じ。
ちゃんと「隧道」してるでしょ?
これ、色んな意味で、
かなり奇跡的な隧道だと思えるのだけど。
私見・日本一短い隧道は、有数の古洞、そして素敵隧道でもあった。
まだ、終わらんよ。
県道篇の【2】に続く。