【11】より続く。
白洞への分岐を後に、黙々と進む。
12時4分。高さ制限標識と、そしてもう見えてる!
樫山への道、最後の隧道の登場だ。
現在地はコチラ。
隧道と正対。
さほど長くはない…が、グッと曲がって、そして登っている。
この隧道は、「平成16年度道路施設現況調査/国道交通省」に「カシヤマズイドウ」として掲載されているものだろう。そのスペックは
昭和22年建造、延長26m、幅員2.6m、有効高2.2m。
うん、実態にもほぼ合致しているように見える。
入洞して振り返り。
それにしてもこの探索で出会った四本の隧道、どれも車道としては悪線形やな~。
そしてコチラは向き直った樫山側。
こっちは徳利の首のようにきゅっとすぼまっていて、狭い。
はい、もちろんあの猟師オジイ、ここも通ってきたわけです(笑)。
抜けて~、
樫山隧道、樫山側坑口。
コレは車では入れんわ~。わたくし無理(笑)。
そしてここである発見を。
隧道を抜けての進行方向と反対側に…アレは!
完全体の、炭焼き窯…
ではないかもしれないな。
コレはもしかして、なんらかの貯蔵庫?それほどに、完全な姿で残っていた。
ほらね!
かなり見事なものだった。もちろん中を覗いてみた…が、特に目を引くものはなかった。なにしろバッテリーセーブ中、撮影はしなかったので…。
外せないポイントである隧道で何枚か撮影したら、ついにバッテリーゲージが赤くなってしまった!ヤ、ヤバ~イ…。
思い切ってしばらくデジカメを封印、すこしでもバッテリーを労わることにした。樫山で一枚も撮れなかったら泣くでマジで…(汗)。
よって、ここから何枚かはスマホ撮影の写真になる。いつまで経っても満足に撮れないクサレスマホなんだけど…(笑)。
隧道からしばし進むと、樫山への最後の「大曲がり」がある。
150度くらいの大きな弧を描き、北向きから南向きに転じる小匠川、そして林道。
それをパノラマで撮ってみた、の図。
左からやって来た。右へ進めば、樫山。もうラストスパートと言ってもいい場所だ。
そこから4分、12時21分。
林道本線上で初めての、ガードレール付き橋。
残念ながら名無しだった。しかしキョーレツな逆光…。
12時25分。
さっきからドキドキが止まらない。
地図によれば、もうほんの少しで樫山だ。あの憧れの樫山だ。
が、集落(無住やけど)に近づいているような様子は全然感じられない。険阻な斜面と小匠川に挟み撃ちにされたまま。
そのままで、
!!!
遂にキタ…先人の記事で見たあの場所。道はふいに消え…いや、急激に右へ。
こっからデジカメ再稼働。
古座川町による「全面通行止め」とちっさく掲示されたAバリが脇にどけられている。当然だ、猟師オジイが入り込んでるからね(笑)。
左端に見えるもの、
それは、
手書きの道標。注目すべきは、やはり
「←小匠へ」 の後。
「(道狭い)」を二重線で消しての、「通行不能」。
コレがすべてだ。
充分におわかりだろうが、今では車種を問わず四輪での完抜けは不可能。そして「行けるとこまで…」のチャレンジも厳禁。この道を知らない者が入り込んだら、確実に血の涙を流すことになる。転回場所は皆無。
そして最狭部は、バイクでもお勧めできない(道の強度的に)。
さあ…ついに…!
この閉ざされた谷の奥からの華麗なる脱出。
見たかったあの場所が、すぐそこに。
モーセのごとくに
豪快に断ち割れた巖嶺、
その間から…
おおおおお…
最終回、【13】に続く。