ミイラ級古ネタを、もう一発~。
今回ご紹介するのは、わたくしがこの趣味で初めて、「地図で見て気になったところを自分で確かめに行った」スポット。わかりますかね、そのニュアンス(笑)。先人の記事を見て行くんじゃなくて、ってこと。
ゼンリン地図だとわかりにくいのだが、ここに穴表記があって、コレは一体何だ?と。ある意味、我がデビュー戦(大謎)。2009年8月2日のこと。
電車でやってきた。近江長岡駅から歩いてすぐの、
東側の四つ辻から…
おおっ!確かに穴がある!
実は当時、仕事でよく岐阜(大垣)へ行ってたので、地図で気になったその場所を電車から見てみて…あ~そういうことね!となった後だったのだが、降りて確かめたのがこの日だった、と一応補足(笑)。
接近。地図を見てもわからないが、
この背の低い穴は、まぎれもない鉄道橋梁だ。
その証拠に、穴の上にあるのは貨車。
地図には線路も何も書いてないのに、不思議でしょ?そのへん後ほど。
まずは、くぐってみる。
さっきの写真で気づかれた鋭い方もおられるかもだが、実はこの穴、けっこう斜めっている。煉瓦橋梁なら、ねじりまんぽになっているレベル。しかしコレは…背の低い軽なら通れるかな?
ちなみになんで架道橋じゃなくて橋梁なのかといえば、道路下に暗渠があるようだから。
抜けて振り返り。
こっちは完全にコンクリート。
で、コレ実はすぐ左側にまわりこめるようになっていてね。
こんな感じに。
わかりにくいかな?茶色の円筒型タンクのちょい向こうあたりに先ほどの橋梁がある、という位置関係。
かつて築堤だったのが切り崩され、そこに登る階段が設置されている。どうやらあのコンテナ車は、純粋に倉庫として使われているっぽかった。
築堤に登って、手前方向を振り向いてみれば…
逆光で見にくいが、向こうに見えるのが東海道本線。右手の建物の向こうはもう近江長岡駅だ。
かつて、赤い線で示したように東海道本線から分岐する線路があった。それは、近江鉱業株式会社の専用線で、この背後にある同社の長岡工場から石灰岩の積み出しを行うための専用線だったと思われる。
右側の建屋はもちろん同社の社屋。築堤を切り崩したスペースを社の駐車場として使っているわけである。
1944年に採掘を始めたようなので、その頃に敷設されたであろう専用線、1980年代までは稼働していたらしい。現にわたくしの現役鉄時代には、確かに見た覚えがあるぞ。いつ頃に廃され、そして切り崩されたのかは不明…。
つまり、切り離されて島のように残った築堤に
この橋梁が残っている、というわけ。
これはなかなか…そそるロケーションじゃないかえ?
築堤の上に戻り、
貨車をチェック。
貨車に鉄製階段が取り付けられていて、やっぱり倉庫代わりなんだと知れる。それよりも、足元。当然ながらレールが残っている。コレはいい!
さらに引きで。
向こうが東海道本線方面になる。
思えばこのあたり思いっきり私有地(近江鉱業の社有地)のはずだが、全くといっていいほど立ち入りを制限する表示も物理的障壁もなかった。まさにフルオープン!
なので思わずズカズカ写真を撮ってたのだが、現在の様子は存じません(笑)。
逆方向を見ると、
この短い専用線の終点だった長岡工場へと続くレールが。
その間に見えるアスファルトは普通に公道で、なんとも不思議なエリアだ、このへんは。
公道からのぞきこんだ、
長岡工場内部。
現役で砕石や掘削も行われているようだが、この時はひっそりとしていた。石灰で真っ白になったフォークリフトがカッコいい!
最後に、
近江長岡駅ホームからの見え方。
以上、小ネタながらも個人的に思い出深い物件をお送りいたしました。