坪呂沢隧道 (廃) (千葉県長生郡一宮町一宮) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

2010年5月22日、初めての房総探索。同業の方なら、我がテンションの高まりをわかっていただけると思う。でこの日のネタはこれまで2本上げてるが、時系列では関谷隧道の2時間50分前、芋原の三連隧道の5時間40分前。
 
 
 
 
茂原から出発し、「手近なところから地図上の穴表記をシバキ倒す!」をモットーに(笑)始めたが、1本目が開削されたのかいきなり発見できず。気を取り直して向かった2本目は素掘りのモルタル吹きつけながら、龍の鱗のような地層の美しさに房総を感じ、上機嫌でやってきた3本目の穴表記。ここでついに、出会ってしまった…。いや、早くも、と言うべきか。
 
 
 
 
場所はコチラ。
 
 
 
 
ご覧の通り、何も載ってませーん。縮尺を大きくしても同様。しかしながら、手持ちの県別マップルさんにはですね、
 
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しっかりと載っております。しかも名称入り!しかもしかも、破線表記の道。コレはもしや…。ジュル
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
写真は撮ってないが、どうも様子がおかしい。私道っぽい道だが、地図ではこの道のはず。おどおどしながら進むと…
  
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キタコレ。もちろん、この看板の奥が道…のなれの果て。3本目にして早くも廃隧道か!
 
 
 
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一宮町による告知看板があるということは、やはり私道ではなかったということで、ひと安心。しかしこの手の看板、我々の業界には抑止効果ゼロ(笑)。むしろ格好の目印になっちゃってるし。
 
 
とはいえ、この先は自己責任。塞がないでいてくれる行政に感謝しつつ、ご迷惑をかけないよう心がけて。
 
 
5月の激藪とて、我が心の昂りを消せはせぬわ!
いざ、往かん!!
 
 
 
 
 
 
 
ということで、
 
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そこそこの藪だったが何しろコッチはテンション上がりまくり。ものともせず進む!
 
 
 
 
 
 
 
 
藪をかき分け歩くこと約5分…森の中から首をもたげるかのように、そいつは現れた。
 
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ぅあー間違いない! 
 
 
 
 
 
で、
 
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出た――!素掘りの廃隧道@本場・房総!!
 
 
 いや~この時は感動した~。何しろこの時点での我が「完全素掘り隧道」経験値はごくわずか。そう、関西圏には少ないから。
 
しかしよりによって、なぜこんな隧道の名称が、県別マップルにまで載ってるのだろう。謎すぎる。
 
 
 
 
 
 
そして、その感動のまま鑑賞する。
 
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房総素掘り隧道ならではの、地層美を。
 
初めて目にした房総の地質。その時点での経験値は微々たるものだったけど、その風合いは関西圏ではおよそ目にしたことのないものだった。掘りやすそうで崩れにくそうな。この地質が隧道王国、房州たるゆえんなのだな~、と感無量。
 
 
 
 
坑口前から振り返り。
 
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 この感じが、もうね、悶絶もの。
 
 
 
 
 
何度か書いてるが、現在よりも撮影枚数がかなり少なかったこの頃。
 
 
 
撮ったのはこの1枚だけで
 
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 あっさりと西側(また間違えてる、東側です)へ。もっと撮っとけよヘイ・ヘイ・ヘ~イ!それにしても素掘りでありながら、このなめらかな質感とアーチ、どうですか。けしからん、実にけしからん。
 
 
 
 
 
うわ―、残念。
 
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という写真しか残ってない東側坑口。倒木のために正対できず、おまけに白トビときたもんだ。じゃあもっと引いて撮れよ、ヘイ・ヘイ・ヘ~イ!
 
 
 
この先も完全廃道っぽい。しかしながら、帰ってから見た先人達のレポートは、こっち側からのものばかり(少なくとも当時は確かそうだった気が…)。アプローチ的にはこの日わたくしがやってきた東からのルート(間違えた・汗)西からのルートの方が距離が短そうなのに、なんでかなーと思ってたのだが…。
 
 
後に不思議なご縁にて交流させていただくこととなった房総の巨人(いや、巨漢ではないけれども)、まきき氏によると、詳細は差し控えるがどうも入り口にある●●の●●が●●イらしい…って、全然わからん(爆)。とにかく、わたくしと同じルートは、要注意らしかった。当日な~んも知らんわたくしは、帰りにもランラランと歩いてったものだったけど(汗)。
 
 
 
 
 
というわけで、帰りがけの駄賃(日本語おかしい)。
 
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 東側坑口より洞内を望む…の図。
 
  
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そして帰りの洞内で1枚。 
 
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使われなくなってかなり経ってそうだったけど、フツ~に県別マップルに載ってる不思議。でも実は、「平成年度道路施設現況調査」にもしれっと載ってて驚愕したものだ。それによると、延長83m、幅員4.5m、有効高4.0m、完成年は不明とのこと。
 
東側に抜けて下ると、もうそこは太平洋岸まで続く平地。きっと古くから歩かれていた里道だったんだろう。ちなみに舗装の痕跡は一切見当たらなかった。
 
 
 
 
我が初めての「房総素掘り」は、幸いにして極上の一洞でありました。
 
 
 
 
 
 
 
 
以上、完結。