【前篇】より続く。※構成上、昨日【1】として上げた記事を【前篇】に修正します。
徒歩進軍すること7分。遂にご対面する、
誰も知らない(…に等しい)トンネル。平成生まれ確定のビジュアルだ。
ちなみにここからの見下ろしがねえ…
ひょおおおお。キテルわ…。
改めまして、お名前は…
北山トンネル。
和歌山県北山村から奈良県下北山村に延びる林道だから、わからんでもない名前。
ちょっと脱線するけどこの和歌山県北山村、全国唯一となる飛び地の自治体であることをご存じの方もおられるかと思う。和歌山県といいながら、隣接するは三重県熊野市と奈良県下北山村および十津川村。完全にポツンと孤立している。なぜこうなったかと言えば。
紀伊半島山中から切り出した木材を筏(いかだ)に組んで北山川を流しておろす「筏流し」で栄えたこの村は、河口の街である新宮と深い関係にあったから。新宮が和歌山県に編入されるのなら、我が村も和歌山県に!という願いが受け入れられた結果、こうなっているんだとか。面白いですなあ。
さらに余談だが、ほら、ここも柿本知事の揮毫でしょ?この記事で書いたとおり、多いのよ(笑)。
そして、ちょっと珍しい位置にある銘板。
平成7年3月の完成とある。この探索時ですでに22年が経過。
うむ、やはりコレは、
実質的に、未供用トンネルと言ってよろしいな。
キレイさっぱりな洞内に吹き溜まった葉っぱが寒々しいこの感じ、まさにそれ。なんかこう…空虚感が凄い。
いや、もちろんお邪魔しますよ(笑)。
振り返り。
ほら…廃隧道にはない、独特の哀愁出てるわ~。
工事が終わったばっかり、って言われても信用するな、コレ。
現代トンネルでちょいちょい見かける、洞内壁面の数字。コレはコンクリートの巻厚を示すもの(60~45cmの厚み、の意)。
たいてい陰刻されてるんやけど、こういう切り文字スタイルは珍しいなあ…。隠れたスター性やな~(大謎)。
たかだか155mのトンネル。
そんなに時間もかからず、間もなく抜ける…が、
うわ~コレは…。
抜けて振り返り。
北山トンネル、魔界側坑口。
…魔界?
そう、だって、
魔界でしょ、この感じって。
絶対来たらアカンとこやでコレ…。
【林道端点篇】に続く。