【3】より続く。
その先には、
完全人道サイズの道が続いていた。
ここからは歩きで、旅館へと向かうということだったのだろう。イイね~、こういう立地。無造作に立てかけられたプラ箒が、まずは迎えてくれた。そして、その先左の看板…。
いよいよ目前に迫ったM峡温泉の一軒宿だが、
ここへきて、「乃」「之」に続いて「の」も登場(笑)。
正式名称はなんやねん、と(笑)。たぶん「乃」が正解やと思うけど、自ら間違えてるもんなあ(笑)。こだわりがないのか、テキトーなのか。いや、別に批判ではない。
そしてこの先で、道は
ドラマティックな結末を見せる。
ぐぐっと狭まり、
ついには断崖の下を桟橋でへつっていく。
この時、ついに捉えた。
見上げた、その断崖の上に…。
!!
あった。あれこそがこのM峡温泉の一軒宿、「T乃屋」に間違いない。いよいよ登場した建屋に、さらにピリッとした。
というのも、はっきりと見えてくるにつれ、
その外観の健全さが予想以上だったから。
いや、もとより廃墟を想像して訪れたわけではない。かなり最近まで営業されていて、現在は休業中である、という事前情報は得ていたわけなので、きれいな状態であろうことはわかっていたが、こうして見上げたこの時思ったのは…
「普通に、誰か居るんじゃ?」というもの。
何しろこっちは圧倒的に後ろめたい立場。もし誰かに見つかって通報でもされたらイヤやな~、と。
まあとにかく、まずは道のドラマティックな結末を満喫するとした。
そのグランド・フィナーレ、
苔むした、石段。
旅館へのルートだろう。そして
道の最果てに待っていたのは…
巨岩。
かな~りフォトジェニックな…いわゆるひとつの「映えた」(笑)光景が、そこにはあった。
この巨岩は、「釣鐘岩」と呼ばれているらしい。
左の流れはN張川、右の流れはI賀川。ふたつの流れが静かに合流するこの場所こそが、M絃峡と呼ばれるところだ。伏せ字にするのがもったいないような、風情のあるその名前が秘める悲話は、各自お調べくださいまし(爆)。
いや、伏せ字だらけの説明も興醒めやし…
釣鐘岩から振り返る、
来し方。
これがず~っと旅館の私道だなんて、わたくしが知らないだけで、こういうケースはよくあるんだろうか。
で、視線を右へと移せば…
旅館へと続くエントランス道が。
最初はこのまま引き返そうかとも考えた。この時点では人がいる懸念も感じていいたし。
でも…
この引力には抗えな~い。
ちょっと進んで、様子を見て、考えよう。
そうしよう。
ここから、わたくし的にはかなり異色な(業務範囲外な)探索が始まった。
時刻は、8時53分。これより、真のデリケート・ゾーンへ。
【5】に続く。