「ちょっとだけエスパー」が、ちょっとだけではなくなりました。さすが野木亜紀子、こう来ましたか。


今まで、立ち位置が定まっていなかった、北村匠海扮する市松のキャラクターが、ようやくはっきりいたしました。しかも、ディーン・フジオカ扮する桜介の息子、紫苑も、ただの息子ではありませんでした。


大泉洋扮する文太たちは、岡田将生扮する兆から、得体の知れないカプセルを飲むことでエスパーになるのですが、前回、宮﨑あおい扮する四季が、風邪薬と間違えて飲んでしまいました。


四季には、特に変化がなかったのですが、ドラマの最後でやられました。これはびっくりいたしました。こういう仕掛けが、野木亜紀子の真骨頂です。


兆も、一筋縄ではいきません。今まで大半がちっちゃなミッションばかりをこなしてまいりましたが、なぜエスパーが存在し、市松たちが味方なのか敵なのか、全く読めなくなってまいりました。彼らもカプセルを飲んでいるのです。


来週、必見です。



仲代達矢さんの訃報が、次第にこたえてまいりました。


最初に、仲代達矢という名前を知ったのは、大河ドラマの「新、平家物語」でした。もっとも、その時私は小学6年生です。私がまともに大河ドラマを見始めたのは、翌年の「国盗り物語」ですから、名前を知った程度です。


とある弁護士の先生が、仲代達矢といえば、「新、平家物語」の平清盛だとコメントしておりましたが、その時先生は、小学4年生です。さすが弁護士になる方は、わずか10歳で平家物語を理解したようです。


ウィキペディアで、仲代さんの作品を、改めて確認いたしましたが、リアルタイムで見ていたのは、山本薩夫監督の一連の作品で、「華麗なる一族」、「金環蝕」、「不毛地帯」を見ております。


そこから、逆に、「用心棒」、「椿三十郎」、「天国と地獄」などの黒澤明監督作品をリバイバルで見たのです。


その後、大作といえば仲代さんでした。「雲霧仁左衛門」、「二百三高地」、「鬼龍院花子の生涯」、「影武者」、「乱」、ありとあらゆるテイストの監督からオファーがありました。


また、テレビドラマでは、名作のリメイクといえば仲代さんでした。「砂の器」、「飢餓海峡」、「樅の木は残った」などですが、私には「大地の子」です。これにはまいった。


山崎豊子さんの原作で、中国残留孤児を描いた作品で、NHKでなければ作れない、お金と時間がかかったドラマでした。


大河ドラマでは、その後主演をつとめることはありませんでしたが、「秀吉」における千利休、「風林火山」における武田信虎と、強烈なインパクトを残しました。


いまの日本においては、間違いなく俳優のトップです。黒澤明、小林正樹、山本薩夫、成瀬巳喜男、市川崑、岡本喜八、浦山桐郎と、名だたる監督と仕事をしている現役も、仲代さんだけでしょう。


二宮和也は、役所広司のことを、芝居の神様と称しておりましたが、その神様の師匠なのです。そう、掛け値なしの名優です。


役所広司のコメントが見当たらないと思っておりましたが、それくらいショックを受けているようです。


それとは対照的だったのは、NHKの9時のニュースで、トップは熊でした。熊も大変な問題ですが、今日だけは仲代さんがトップでしょうに。


普段見ない、ヤフコメもいくつか読みましたが、大半は、こいつらまともに見ていませんね。


こんな時くらいは、せめて作品を見てから書きましょうや。




今日は、仲代達矢さんの訃報よりも熊のニュースを優先させる、日本のニュースについて書こうと思っていたのですが、「アナザーストーリーズ」が、あまりに面白かったので、まずはそのことを。


特集は、大原麗子さんでした。亡くなったのは、いまの私よりも若かったのですね。62歳でした。しかも、あれだけの女優が、孤独死だったのです。


大原さんは、女優ではなく、俳優と呼ばれたがっていた。これが全てです。確か、夫だった渡瀬恒彦さんだったと思いますが、家に帰ったら夫がもうひとりいたと離婚の理由を仰っていたと記憶しております。


高倉健を筆頭に、数々の才能に愛され、女優として一時代を築いたのですが、次第に表舞台からフェードアウトしていきました。倉本總は、その理由をも語っておりました。


当時のスタッフが、様々な証言をするのですが、大原さんは、正真正銘のプロフェッショナルでした。映画を愛し、ドラマを愛し、女優ではなく俳優と呼ばれることを望んだ。


高倉健が、初めてNHKのドラマに出演した、「チロルの挽歌」について、かなり時間を割いておりましたが、山田太一が脚本で、高倉健と杉浦直樹という、これ以上ない座組みのなか、大原さんは素晴らしい芝居を見せました。


私は、録画したものを持っておりますが、あの役を演じられるのは、当時でも大原さんしかいないでしょう。


再放送や配信があるかはわかりませんが、見る機会があったら、ぜひ見てほしいと思う内容でした。